アニクリがいくつかたまっていたので、まとめ読み
まとめ読みなので、雑にしか読んでいないけど、何を読んだか以下にメモ。
tacker10さんが、どの号でもわりと長めの論考を書いており、また、それぞれにつながりがあったりして、結果的にtacker10さんを中心に読んだ感じになった。すぱんくさんは、その年に書いた文章をまとめて個人誌にして出していたかと思うけど、tacker10さんはやっていないのだろうか。
『アニメクリティークvol. 5.0「アニメ化する資本・文化・技術/不条理×ギャグアニメ特集」』
おはぎ「ロボットアニメにおける手描きとCG」
tacker10 「積層する断片(コマ)、拡張する断片(コマ)、思考する断片(コマ)ーーアニメ『灰と幻想のグリムガル』論」
Tacker10さんが真名/かな論というのをやっているというのはtwitterで断片的に見ていたが、ようやくどういうものか少しわかった。
断続/連続、というか
個人的には、グッドマンの記号論とも相性よいのでは、という気が少しした。
何故、タームとして真名とかなを選んだのかというのは少し思った
makito×Nag「視線をはじくものーー『戦場でワルツを』及び『コングレス未来学会議』
すぱんくtheはにー「アニメーションに救われてーー“不”条理ギャグ、“未”条理の自己組織化、条理というエラー」
ケンイチ「不条理という土壌に顕れるもの」
『ゆゆ式』のところを読んだ
Dieske「『ガールズ&パンツァー』評ーーなぜ少女たちの身体は傷つかないのか」
ロシアの記号学者ロトマンによるアニメーション論の紹介
アニメーションや人形劇は記号の記号、約束事性
あんすこむたん「落語心中ーー伝承と死神」
『アニメクリティークvol.7.0「声と身体/ 松尾衡×機動戦士ガンダム サンダーボルト」』
あんすこむたん「上下・生死 反転・逆転する世界」
例えば、普通の作品と違って、上へ向かうことと下へ向かうことの意味合いが反転していることなどをはじめ、生死・希望と絶望などの反転について
tacker10「コード・シンボル」
「真名/かな」論の展開
「東映系」と「虫プロ系」という対立項を「かな」と「真名」に置き換える。単純な二者択一ではなくて、かなと真名はスペクトラム的であったり、かな的な作品に真名的な要素があったり、その逆があったりすることを示すため。
プレスコという技法から、音声と画面の関係について論じて、そこの真名性を見いだしていく。
作画や運動をアニメーションにとって一義的なものと捉えない観点の確立を目指す
tacker10さんの文章は、本当にいろいろな分野が縦横無尽に引かれていてすごいなと。
- 橡の花レビュー & tacker10リプライ
あんすこむたん「クリエイターとキャラクター」
- tacker10コメント
『アニメクリティークvol.4.5「ガールズ&パンツァー劇場版総特集」』
tackerx 「踏破する音と、開かれた輪郭線——アニメ『ガールズ&パンツァー』論」
音が輪郭線を跨いでいく、という観点から論じていく。
ガルパンにおいて、(「声が跨ぐ」ことによって)戦車があたかもキャラクターのように見えてくるというところ、伊藤剛的なキャラ論と接続させて考えてみたいような話だなと思った
ところで、pp.21-22で突然、製作委員会方式についての言及があるのだけど、ああいう論旨展開は論理の飛躍を感じてしまう
- Review.01. 西住みほの「戦車」性への共感と、「輪郭線を踏破する音」性への疑念 @yokoline
- Review.02. (無題) @totinohana
- Reply. 二者への応答 @tackerx
SpANK888「傷ついたのは誰の体?——延長された身体と、その消失。あるいはバイクに乗れ!バイクに!」
『ばくおん』とガルパンから、コケてしまう(思いもよらない動きをしてしまう)ところから、虚構のキャラクターが生きているという感じを得る
バイクや戦車による身体の延長→『劇場版』では、「傷」の存在を乗組員ではなく戦車の方へと意識させる(継続高校の「天下のクリスティー式」)
主張的には、Dieskeさんのガルパン論とも通じそう(書かれた順序的には逆か)
- Review.01. (無題) @totinohana
- Reply.01. とっちーさんへの「変身」? @SpANK888
- Review.02. すぱんくさんの原稿へのコメント @tackerx
- Reply.02. 輪郭線内外の「傷」 @SpANK888
すぱんくさんからたっかーさんへの返信の中で、キャラクターと同時に「空間」も描かれているという話がちょっとなされていて、気になった。