文化論
タイトル通り、アニメーション学・アニメーション研究の概説 新書サイズでコンパクトにまとまっており、もちろんその分、深くまで踏み込んだところはないが、広範にわたるアニメーション研究を見渡すことができる アニメファンではあるが、アニメーション学…
タイトル通り、まんがでわかるまんがの歴史 いわゆる学習マンガ形式で書かれた日本マンガ史のテキスト あくまで日本史で、海外のまんがについての歴史は触れられていない(海外への言及がないわけではないが) 冒頭において、「日本のまんが史というと、最初…
「分析哲学と文化をつなぐ」雑誌、通算4号 これまでただの一読者として読んできて、自分が投稿するとかは全然考えていなかったのだけど、気付いていたら投稿していた。 というわけで、シノハラユウキ「メディアを跨ぐヴィヴィッドな想像」が掲載されていま…
鈴木雅雄編著『マンガを「見る」という体験』 - logical cypher scapeの続編 前著が、シュールリアリスムとマンガとの比較という観点があったのに対して、こちらはよりマンガ中心である。 タイトルが示す通り、視覚文化論とのかかわりから論じられるものが多…
サブタイトルは、虚実のあいだのビデオゲーム ビデオゲーム研究の博論を元にした本で、ルールとフィクションという両面からビデオゲームについて論ずる。ルールは現実に属するので、「半分現実(ハーフリアル)」というタイトル。ハーフリアル ―虚実のあいだ…
分析哲学と文化をつなぐ雑誌 通算3冊目で、特集はアイドルだけど、それ以外にも、フィクション作品による哲学とは何かとか、ゲーム『超攻合神サーディオン』論、「意図の誤謬」翻訳などが載っていて、濃い内容となっている。 フィルカル Vol. 2, No. 1 | ph…
総特集=アイドルアニメ 既に告知した通り、自分も寄稿させていただいた本誌だが、普通に一読者として、二次元アイドルファンとして楽しめた1冊だった。 冒頭が菱田・西・依田座談会で、背表紙もオバレで、事実上のキンプリ特集的な面もあるけれど、取り上げ…
2015年11月に行われたマンガ研究フォーラム「マンガのナラトロジー ―マンガ研究における〈物語論(ナラトロジー)〉の意義と可能性」での発表論文が収録されたもの。 森本浩一が発表を行い、野田謙介、中田健太郎、三浦知志、三輪健太朗がコメンテーターとし…
サブタイトルは「ダーウィン進化論は文化を説明できるか」 そのタイトル通り、進化論で文化を説明するという新しい学問分野について、一般向けに書かれた、分野全体を見通す本 「統合」がキーワードとして出てくる。日本語版序文では、「自然科学と社会科学…
伊丹空互『系譜のつながりかた: テン年代アイドルのありかたとしての佐々木優佳里』 invert vol.2 甘粕試金『CHECK! CHECK! CHECK! アイカツ!音楽試論集』 すぱんくtheはにー『あのすぱらしい愛はもう二度と』 アーカイブ騎士団『ユートピア小説集』 渡辺書…
映像・動画を軸にした、様々なトピックについての各論者によるアンソロジーとなっている。 序論――「映像」をめぐる新たな言葉の獲得のために 渡邉大輔 第一章 デジタル/ネットワーク映像の「思想」 「可塑性」が駆動するデジタル映像――「生命化」するビジュ…
ここ最近、声優にはまりつつあるものの、そんな詳しいわけでもないので、まあ読んでみた 自分もなんか書いてみたくなるよって意味では面白かった。 序論 声の現象学から声優論へ/小森健太朗 声優史概説/夏葉薫 第1章 島本須美&日高のり子──八〇年代を象…
ニューメディアとは、CG合成の映画やコンピュータゲーム、web、メディアアートなど、コンピュータを使ったメディア(作品)の総称で、そうしたものについての美学理論入門*1 ニューメディアと(オールドメディアである)映画との連続性を検討している感じの…
視覚文化をめぐるシンポジウムのための論文と討議を集めた本 マーティン・ジェイ「近代性における複数の「視の制度」」 「視の制度」という言葉は、クリスチャン・メッツ由来 近代における主要な3つの制度 デカルト的遠近法主義 イタリア・ルネサンスにおけ…
近現代の「魔女」文化を巡る本。具体的には、世紀末美術、新魔女運動(ネオペイガンなど)、ゴスの3つにスポットライトがあてられる。 帯やカラー口絵を見ると、まどマギ、きゃりーぱみゅぱみゅが取り上げられていて、現代のサブカルチャーについて論じてい…
「アート/エンタメ」あるいは「サブカル/オタク」という軸を取っ払って、現代(視覚)文化について取りかかる切り口を講義する本。 このあたりは、Loading...でも、以下のように紹介されていて、読んでいてその通りだなと思った。 長々と歴史が語れられて…
ゴーレム伝説、そして「ゴーレム的なもの」が描かれた文学作品などを概観し、「ゴーレム的なもの」とは一体何か、そして「人間圏」の境界について考える。 人間以下の人間として「ゴーレム」は捉えられるが、この後、人間圏の境界ないし人間以下の生物につい…
サブタイトルは、「歌って踊るカワイイ女の子がいる限り、世界は楽しい」 全くもって正しいですね。世界の真理だ。 ぱすぽ☆、アップアップガールズ(仮)の振付師である竹中が、ダンスという視点からアイドルを語る本。 そもそもアイドルダンスというジャン…
遅ればせながら、各所で絶讃されてるこの本を読んだ。 日本のテレビゲーム*1の歴史を、「ゲームとはボタンを押したら反応するものである」「ゲームは物語をどう扱うかについて時を追うごとに変化した」という二つのテーゼを軸に、語る本。 何で日本と海外で…
現代の映像文化を「映像圏」という独自の用語で呼びながら、一方ではtwitterなど映像以外の現代文化とも接続し、またその一方では現代にとどまらない映画史とも接続させながら論じていく本。 元々、早稲田文学のweb版で連載がなされていて、僕もそれを読んで…
今まで書いた奴 『ボカロクリティークvol.01』 - logical cypher scape 『ボカロクリティークvol.02』 - logical cypher scape 第14回感想その2 - logical cypher scape(vol.3) 『ボカロクリティークvol.04』 - logical cypher scape 第15回文フリ感想 - …
ほとんどそのタイトル通り、同人音楽についての研究の本。 自分は、同人音楽といってもニコ動やネットレーベルで触れているだけなので、普通に勉強 音楽学系の本もほぼ読んだことないのでそういう意味でも。 第1章 同人音楽への招待 そもそも同人音楽とは一…
これまでの感想はこちら 『ボカロクリティークvol.01』 - logical cypher scape 『ボカロクリティークvol.02』 - logical cypher scape 第14回感想その2 - logical cypher scape 今回の表紙は、これはIAさんですか VOCALOID3って全然知らないんだよなーいか…
ゲームデザインについての理論書。 この本は、まず第一には、ゲーム制作者向けの指南書であるが、ほどよく抽象的・理論的に書かれており、ゲームについて考えたり批評したりという人にも使えるようになっている。 ゲーム制作もゲーム批評もしないよって人に…
『ボカロクリティークvol.01』 - logical cypher scapeの第二号 発起人の島袋八起さんからご恵投いただきました。どうもありがとうございます。 今回は、GUMIさんのおっぱいが表紙です 今回もやっぱり作品論がねえっていうのが、物足りないポイントでした。 …
映像を巡る言説を、アナログとデジタルの区別について吟味する形でまとめたもの。 冒頭で、方法論として概念分析と系譜学的考証というのを挙げている通り、映像という言葉がどのように使われてきたのかというのを追いかけている。 アナログ映像とデジタル映…
「サイバースペースは何故そう呼ばれるか」を河出文庫版で再読。 それから、収録されている論考「精神分析の世紀、情報機械の世紀」「想像界と動物的通路」「スーパーフラットで思弁する」を読んだ。「精神分析の〜」は再読、残り2つは初めて読んだ。対話の…
『アニメルカ』に何回かにわけて掲載されてきた、みよじ・はるを・よしたか、tricken、反=アニメ批評による座談会を一冊にまとめたもの。 さらに、『マイマイ新子と千年の魔法』の監督と、『けいおん』の高校のモデルとなった豊郷小学校がある豊郷町産業振…
僕の周辺で覇権*1とまで呼ばれていた本をようやく読んだ。 その名の通り、アメリカ音楽の歴史の本であるが、いわゆる大文字のHistoryを解体し、様々な伏線を通してhistoriesを見出していくタイプの研究。自分が大学の時に受けていた授業には、これと似たよう…
島袋八起(発起人)と中村屋与太郎(編集長)による、ボカロ評論同人誌創刊号。 ちなみに、八起さんはこの前の文フリの時に突発的に、この本のパイロット版にあたる『ボカロクリティークvol.00』*1を作っており*2、僕はその際に寄稿したという縁があるが、今…