歴史

加藤聖文『満鉄全史』

満鉄こと南満州鉄道株式会社の設立から終焉まで、まさに全史の本 政治史の中で捉え、いかに満州を巡る日本の政策(国策)が一貫しないものであり、満州支配が混乱したものであったかを論じていく。 その時々の総裁など、人物に注目した記述ですすんでいくの…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史8』

今年1月から刊行の始まった「世界哲学史」シリーズ。いよいよ完結の第8巻(と思いきや、12月 に別巻が出るらしいが) 8巻は「現代 グローバル時代の知」伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史5』

5巻は「中世3 バロックの哲学」伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史4』

4巻は、「中世2 個人の覚醒」伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史3』

3巻は「中世1 超越と普遍に向けて」 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2 伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』 - logical cypher scape2 本書で展開されるこの時代のキーワードは…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史2』

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』 - logical cypher scape2に引き続き第2巻 全8巻シリーズで、第2巻は「(古代2)世界哲学の成立と展開」 目次を見ればわかる通り、宗教の比率が高いが、そんな中執筆陣も(人により差はあるが)…

伊藤邦武・山内志朗・中島隆博・納富信留編著『世界哲学史1』

ちくま新書でスタートした世界哲学史シリーズ 全8巻刊行予定のうちの第1巻で「(古代1)知恵から愛知へ」 自分も「哲学」といえば、プラトンに起源をもつ知的伝統という理解をしているので、哲学=西洋哲学という感覚が強く、どうしても西洋以外の哲学のこ…

たつざわ「芦田漫画映画製作所の通史的な解明」

(おそらく)2018年5月の文フリで購入し、その直後に読み終わっていたもの 感想メモも、読んだ当時に書いているのだが、何故かブログに載せずに放置されていたので載せる 何故か、というか、おそらく同時期に買った他の同人誌と一緒に感想をあげるつもりだっ…

筒井康忠編『昭和史講義【戦前文化人篇】』

筒井清忠編『昭和史講義――最新研究で見る戦争への道』 - logical cypher scape2に引き続き、昭和史の本。同じ編者による同名シリーズの一番新しいものにあたる。 このシリーズでは政治家篇とか軍人篇とかが先だって出ているのだけれど、今回、昭和史読むかー…

筒井清忠編『昭和史講義――最新研究で見る戦争への道』

ワシントン条約から占領政策まで、昭和期の日本政治史を15講に分けて解説している 執筆者15人中8人が7~80年代生まれの比較的若い世代の研究者であり、サブタイトルにある通り、最新研究を踏まえた論述となっている。 直接的には、柴田勝家『ヒト夜の永い夢』…

暮沢剛巳・江藤光紀・鯖江秀樹・寺本敬子『幻の万博 紀元二千六百年をめぐる博覧会のポリティクス』

1940年に、東京五輪と同時開催の計画を立てられていた幻の東京万博について、同時代の他の万博や博覧会との比較を通して浮き彫りにすることを試みる。 芸術や文化と政治・戦争の関係を万博を通じて紐解いていく。 むろん、開催されることのなかった万博につ…

デイヴィッド・ミーアマン・スコット,リチャード・ジュレック『月をマーケティングする アポロ計画と史上最大の広報作戦』

アポロ計画の歴史を、広報面、アメリカ社会との関わりからレポートしている本。 アポロ計画について、科学技術や科学政策の点では、まあ通り一遍のことなら知っているが、当時の社会においてどのように受け取られていたか等は全然知らなかったなあということ…

冨田信之『ロシア宇宙開発史』(一部)

サブタイトルに「気球からヴォストークへ」とある通り、宇宙開発前史ともいえる気球の発明から始まって、人類初の有人宇宙飛行を達成する「ヴォストーク」(さらにヴォスホート)までの、ロシア・ソ連の宇宙開発の歴史をまとめた本。 特に、ヴォストーク・ヴ…

田口晃『ウィーン 都市の近代』

19世紀から大戦間期にかけてのウィーン市政についての歴史 自由主義市政→キリスト教社会党市政→社会民主党市政という変遷を三部構成で追っている。 ウィーンという都市から見るヨーロッパないし中欧の近代政治史、とも言えるかもしれない。国政ではなく市政…

ひらりん・大塚英志『まんがでわかるまんがの歴史』

タイトル通り、まんがでわかるまんがの歴史 いわゆる学習マンガ形式で書かれた日本マンガ史のテキスト あくまで日本史で、海外のまんがについての歴史は触れられていない(海外への言及がないわけではないが) 冒頭において、「日本のまんが史というと、最初…

的川泰宣『月をめざした二人の科学者』

フォン・ブラウンとコロリョフの伝記 稲葉振一郎『宇宙倫理学入門』 - logical cypher scape2を読んだ勢いついでに、宇宙開発史についての本もちょっと読んでおこうかと。 フォン・ブラウンはまあ知ってるとして、コロリョフの方は最近になって初めて名前を…

橋本毅彦『図説科学史入門』

図とトピックごとにまとめられた科学史。 天文、気象、地質、動植物、人体、生命科学、分子・原子・素粒子の7つのテーマごとに章立てされており、それぞれの章ごとにおおむね時代順にトピックが並べられている。 1つのトピックにつき、おおよそ1つの図・写真…

ウィリアム・H・マクニール『戦争の世界史』(下)

下巻は、「戦争の産業化」「産業の戦争化」が中心的なになっていく。 指令原理と市場的行動様式という、2つの行動原理から、世界史の動きを見ていくマクニール史観 上巻では、1000年ころ、中国・宋において市場的行動様式がより強くなっていき、それが世界に…

ウィリアム・H・マクニール『戦争の世界史』(上)

戦争にまつわる技術や産業の観点からマクロ的に世界史の流れ(特に西欧史)を見ていく本。具体的な国名、人名、出来事名を追い掛けていくタイプの叙述ではなく、技術の発展などがどのようにその時代・地域の趨勢を変えていったかという叙述がなされる。 「戦…

瀬川拓郎『アイヌと縄文』

瀬川卓郎『アイヌ学入門』 - logical cypher scapeに続き、同じ著者によるアイヌ入門 先ほどの本はテーマ別の構成だったが、こちらの本は時代別の構成となっている。 縄文人の末裔であるアイヌの文化の中にどのように縄文文化が残っていったのかということと…

瀬川卓郎『アイヌ学入門』

考古学からアイヌ研究を始めた筆者によるアイヌ研究の本 筆者の専門は考古学だが、この本では、言語学や遺伝学などの知見もあわせて参照されており、多角的に現在のアイヌ研究の動向をうかがうことができる。 この本でアイヌは、縄文文化を色濃く受け継ぎな…

佐藤靖『NASA――宇宙開発の60年』

NASAの設立から現在までを、アメリカの政策や国際情勢、あるいはNASA内部の勢力図などから見ていく本。主に、アポロ、スペースシャトル、ISS、科学研究の4項目。 筆者は、28歳の時に科学技術庁を退庁し、その後、ペンシルヴェニア大で科学技術史の博士号をと…

H.バターフィールド『近代科学の誕生』

ちょっと再読 第一章 いきおいの理論 アリストテレスの理論から慣性理論のあいだに位置する、14世紀のいきおいの理論 アリストテレスは馬が引っ張るのをモデルに運動を考えてたけど、後世になると投射体で考えるようになる 第二章 コペルニクスと中世の伝統 …

『ビジュアルでわかる地球46億年史 地球創生から生命の進化、文明の誕生、そして現代まで』

洋泉社のムック本 地球誕生から人類誕生までのPart1と人類史のPart2で構成されている。 Part1を担当しているライターが土屋健だったこと、いくつかコラムが挿入されているのだけどその中に小林快次担当のものや『化石の分子生物学』の筆者が担当しているも…

前田弘毅『グルジア現代史』

http://kousyou.cc/archives/6140を読んで、じゃあ黒海周辺の歴史の本とか読んでみようかなーと思って読んでみた本。 伊東・井内・中井編『ポーランド・ウクライナ・バルト史』 - logical cypher scapeがメインで、あとコーカサス関係何かないかなーと探して…

吉村貴之『アルメニア近現代史』

http://kousyou.cc/archives/6140を読んで、じゃあ黒海周辺の歴史の本とか読んでみようかなーと思って読んでみた本。 伊東・井内・中井編『ポーランド・ウクライナ・バルト史』 - logical cypher scapeがメインで、あとコーカサス関係何かないかなーと探して…

伊東・井内・中井編『ポーランド・ウクライナ・バルト史』

http://kousyou.cc/archives/6140を読んで、じゃあ黒海周辺の歴史の本とか読んでみようかなーと思って読んでみた本。 他に吉村貴之『アルメニア近現代史』 - logical cypher scapeや前田弘毅『グルジア現代史』 - logical cypher scapeも読んだ。 タイトルど…

メモ(新書3冊・スペイン関係)

読んだという記録に。ガウディ:建築家の見た夢 (「知の再発見」双書)作者: フィリップティエボー,千足伸行,Philippe Thi´ebaut,遠藤ゆかり出版社/メーカー: 創元社発売日: 2003/03/01メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 10回この商品を含むブログ (…

小熊英二『民主と愛国』

いやあ、とにかく長かった。 しかし、難しいことは全然書いていなくて、読みやすい文章なので、非常にさらさらと読める。本が重たい*1ことを除けば、長さはあまり気にせずに読むことができると思う。 あと、何度も何度も同じことが繰り返し出てくるので*2、…

森達也『下山事件』

明らかに普段読んでいる本とは違う傾向の本だけど。 最近、戦後史だか昭和史だかが気になり始めていて*1、本屋に行ったら目についたのでふと買ってみた。 こういう事件があったということも、森達也がこういう本を書いたということも、知ってはいたけど、ほ…