『月の砂漠』『DISTANCE』

たまたま、レンタルビデオ屋にいったら、100円だったので、これは何かを借りねばならないと思い、借りたのが上記2作品
話題がいきなりそれるけど、どうも僕は海外の作品を手に取れない
レンタルビデオではついつい邦画を借りてしまうし、本を買うときも気づけば日本人の作品ばかり
というか、もうかなり「現代日本」限定
日本人作家や映画監督にしても、少し古くなるとほとんど手に取っていない
結局好きなんだから仕方ないんだけど、もう少し海外の作品だったり古い作品であったりも手に取らなきゃだめかなぁ、と思ってます
さてさて、『月の砂漠』は青山真治、『DISTANCE』は是枝裕和で、借りるときも監督で選んだだけで、特に何の脈絡もなくこの2本を選んだのですが、2本とも「家族」がテーマだった作品でした。
しかし、この2本をこう論じてみせるのは、今の自分には荷が重いです
特に『月の砂漠』は難しかったです
いや、ストーリーとか設定とかは決して難解ではないのですが、何故そうなるのか、結局どういうことなのか、というのがよくわからなかったというか
まだ、『ユリイカ』の方が、僕にはわかりがよかったです
簡単にいってしまえば、家族が崩壊しまた再生する、という話なんですが、ほんとに再生した、という読みでいいんだろうか、と思ったりして
主人公はITベンチャーの社長なんですが、家族を省みることなく仕事して妻子が家出、と同時に仕事の方も行き詰まる。そこに、いつか父を殺そうと考えながら売春で生計をたてている青年が現れる。主人公は家族の再生を望み、青年はそれを妨害する。でも、それがコロコロと反転する。主人公は突然再生をあきらめ、むしろ青年が家族を元に戻そうとしたりする。で、最終的にこの主人公の家族は多分再生したんですけど、で青年はどうなったのだろうか、というのもよくわからなくて
是枝の『DISTANCE』は、セリフとかは役者が作っていったらしいです、ビデオのパッケージによると。なので、セリフがとても自然。逆に、『月の砂漠』の方は、語るセリフが多いので、そういう意味で自然さはあまりないです
こっちの作品は、オウムをモチーフにしつつ、オウムとはかなり関係ない話。
ある教団がテロを行い、しかもその実行犯は教団の手によって殺されてしまう。その実行犯の遺族と元信者が、偶然教団の施設で一夜を共にする、という話
おのおの、自分の家族が怪しげな宗教にはまり、そして他の信者と家族のような共同生活を送っていた、ということに思いを馳せている映画なんですが、一人変な奴が紛れ込んでいて、どうも本当の家族ではないらしい。
そいつは、姉が教団の実行犯で、父(祖父?)が被害者らしいのですが、どちらも本当の姉や父ではない。自分で作った虚構の家族のようなのです
教団という偽の家族、あるいはそいつが作った虚構の家族
『月の砂漠』では、繰り返し直接的に「家族って一体何だ」というテーマが反復され、『DISTANCE』では、間接的に「家族とは何か」という疑問が示されていた
で、結局見ててもよくわからなかった、というのが正直な感想

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