2026-03-01から1ヶ月間の記事一覧

金井良太『AIに意識は生まれるか』

意識研究についての本 とても明快で読みやすく、そして面白い この本は、著者自身の研究史に沿って進む(子供の頃、こういうことが気になる子供で、大学ではこういうことをして、どこどこに留学してこれの研究をして~)ので、それがこの本の読みやすさにつ…

羽田正・編著『《YAMAKAWA SELECTION》イラン史』

手に取った理由は、完全に時事的な関心によるものである。 イランというと去年ショクーフェ・アーザル『スモモの木の啓示』(堤幸・訳) - logical cypher scape2を読んでいた。ただ、これ読んだ時は、ギリまだイスラエルとアメリカによる攻撃の前だったよう…

スティーヴン・ミルハウザー『高校のカフカ、一九五九』(柴田元幸・訳)

ミルハウザーの最新短編集 短編集の原著タイトルはDisruptionsで、邦訳版では本書『高校のカフカ、一九五九』と『幽霊屋敷物語』(近刊)とに分冊される。 We Othersは、新作と旧作混ざった短編集だったが、邦訳版では新作のみ Voices in the Night は『ホー…

R・F・クァン『バベル オックスフォード翻訳家革命秘史』(古沢嘉通・訳)

1830年代のイギリス、オクスフォード大学の王立翻訳研究所に入学した、人種の異なる4人の学生たちの物語 すごい……すごかった。 すごく面白かった。 ネビュラ賞長編部門・ローカス賞ファンタジー長編部門受賞作であり、 『SFが読みたい! 2026年版』ベストSF…

クリストファー・プリースト『不死の島へ』(古沢嘉通・訳)

1981年に書かれた長編The Affirmationの邦訳 最初に書かれた「夢幻諸島」ものであり、29歳の青年のアイデンティティの揺らぎが、イギリスと夢幻諸島という2つの世界に跨がって描かれる。 プリーストの長篇としてはおそらく6作目で、初期の終わりか中期の始…

『バレリーナ:The World of John Wick』

ジョン・ウィックシリーズのスピンオフ作品 ルスカ・マロに所属する女暗殺者、イヴ・マカロの復讐譚となる ルスカ・マロは、ジョン・ウィックの第3作目(パラベラム)に出てきたバレエ団兼暗殺者集団で、本作では、第3作のシーンも出てくる。 いやあ、ジョ…

乾敏郎・門脇加江子『脳の本質』

主に予測符号化理論・自由エネルギー原理を用いて、感覚、知覚、学習、発達、記憶、想像、言語獲得、好奇心、意識などの仕組みを説明していく本 同じ筆者による類書としては乾敏郎『感情とはそもそも何なのか』 - logical cypher scape2、乾敏郎・阪口豊『脳…