『日経サイエンス2018年6月号』

2018年6月号 | 日経サイエンス

フロントランナー挑む 第81回 生物の進化を予測する:入江直樹

生物の進化を予測する:入江直樹 | 日経サイエンス
鳥類の進化に関わったDNA配列群を同定-鳥エンハン... | プレスリリース | 東北大学 -TOHOKU UNIVERSITY-とか脊椎動物の基本構造が5億年以上変わらなかった理由 - 東京大学 大学院理学系研究科・理学部とかの人
進化は、新しい遺伝子が現れてくることよりもむしろ、遺伝子の使いまわしによって起きているとか
倉谷滋の弟子らしい
元々、別の分野にいたけれど、進化の研究をしようと思うも回りに停められ、それでもと倉谷研の扉を叩いたが、最初は断られて、医学系の院に進学。
しかし、進化の話とか全然できないのが無理で、再び倉谷研へ。自分が受け入れないと入江はどこにも行けなかったと思うと倉谷さんのコメント付き

海底探査Xプライズ決勝へ

海底探査Xプライズ決勝へ〜日経サイエンス2018年6月号より | 日経サイエンス
月面探査を目指したHAKUTOで有名なXプライズ、今度のコンテストは海底探査
レギュレーションがやっぱり厳しい。人間は、対象海域はおろかそもそも海に出てもいけないらしい。ロボットだけで対象の海域まで移動し、海底探査しないといけない
日本チームは、JAMSTEC、東大生研、三井造船日本海洋事業など
洋上ロボットは三井造船が、探査ロボットは東大生研が担当しているらしいが、別の機関が作ったロボット同士を協働させる難しさとかがあるらしい。
チームメンバーが若くて、30代を中心に構成されているらしい。共同代表の人が記事中に3人くらいでてきたけれど、肩書が特任助教とか技術研究員とかだった

AIが作り出すリアルなフェイク画像

自分で画像を生成することができるディープラーニング
画像を作る生成ネットワークと、その画像が本物っぽく見えるか見極める認識ネットワークの二つが、お互いに切磋琢磨しあう「敵対的生成ネットワーク」によって、よりリアルなフェイク画像が作れるようになった、と。
存在しない人の顔の写真を作ることができる。
ディープラーニングは、学習するためにサンプルを大量に必要とするけど、そのサンプル自体を自前で作ることすらできるようになる。
うーん、面白い

共感の功罪  L. デンワース

共感の功罪 | 日経サイエンス
共感は、認知的共感(cognitive empathy)と情動的共感と共感的配慮の3つに分類できる。
共感が、他の人への優しさ、寛容、行動などにつながるかは、どういう共感をしているか(狭い共感でないかどうかとか)が関わってくる。単に共感できるから優しいというわけではない。みたいな話だった。

「勝つための議論」の落とし穴  M. フィッシャー/J. ノーブ/B. ストリックランド/F. C. ケイル

認知科学と実験哲学の研究で、著者4人のうち、ノーブという人が哲学の人みたい
ノーブは、日経サイエンス2012年2月号に載っている実験哲学という実験 | 日経サイエンスという記事も書いている。普通の科学者が、実験装置や測定機器について調べることがあるように、哲学者が、哲学を行うための「道具」を調べるのが実験哲学、という説明をしていた。
今回の記事は、道徳などの客観主義と相対主義についての哲学的な対立を、実験哲学・認知科学の観点から見てみるというような趣旨のもので、
ここで「勝つための議論」をするグループと「学ぶための議論」をするグループとにわけたところ、前者が客観主義的、後者が相対主義的になったというような話をしている。
この記事では、どっちが議論のやり方としてよりよいものなのかといったことについては中立的
なのだけど、個人的には、学ぶための議論のがよいものだと思っていて、どちらかといえば客観主義者なので、「うむむ〜」となってしまったw

地上最強のアゴ  G. M. エリクソン

ワニの咬む力についての研究
棒の先に測定器(体重計の精密な奴に防水加工して、柔らかい布でコーティングした奴)をつけて、それをワニの口の中に入れて咬ませる、という方法で測定している。
なんかの企画で、地上最強の格闘家の人にもこの測定に挑戦してもらったら、こんなに恐ろしい経験はしたことないみたいなことを言われたらしいけど、本人はもう慣れてしまっていて、確かに危険の伴うものだけど、ちゃんと注意すべきところを注意したら怖くないよみたいなことを書いてて面白いw
色々な大きさのワニの力を測ることで、咬む力を推定するためのモデルを作って、絶滅動物の咬む力も推定できるようにした、と
絶滅したワニのサルコスクスの咬む力がめっちゃやばい