2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ラリー・ラウダン『科学と価値』

日本語版のサブタイトルに「相対主義と実在論を論駁する」とある通り、科学哲学における二つの極端な(?)考えを批判していく中で、ラウダン*1の網状モデルという科学哲学が展開されている(解説で戸田山さんが述べているが、「網状モデル」というより「三…

『早稲田文学増刊U30』

まだ小説は読んでないけど、評論は読んだ。 福嶋亮大「現代中国文化に見るネットワーク効果」 まあ大体タイトルどおりの感じの話 伊藤亜紗「「露出」する登場人物たち」 非常に面白かった。「カギ括弧論」もそうだけど、伊藤さんって派手さはないけど面白い…

『哲学の探求』37号

「分析美学の現在」ということで、 清塚邦彦「フィクションの統語論をめぐって」 西村清和「「美的なもの」の分析美学」 三浦俊彦「進化美学の可能性」 清塚さんのは、『フィクションの哲学』の補論みたいな感じなのかな。サールに対する反論と、あと統語論…

第10回文学フリマ感想

何故今?って感じですが、行くことができなくて人に頼んでおつかいしてもらったものを、最近手に入れたので。 『アニメルカ』 雑誌制作に至る過程が語られる第0章の座談会が、楽しい。こういう楽しい雰囲気が同人誌制作の醍醐味だと思うけれど、これだけの…

阿部和重『ピストルズ』+『シンセミア』

これはヤバイww 無駄に壮大になって面白い。 神町サーガなので『シンセミア』との絡みがあるのは当然として、思いのほか『グランド・フィナーレ』とのつながりがある、というか、沢見の後日談が読める。さらにいうと、最後の最後で『ミステリアスセッティ…

いくつかメモ(アバター、アリス・イン・ワンダーランド、第9地区、アウトレイジ)

アバター 衛星パンドラを見事に作り込んでいて、それはすごい。 3Dという技法一般については、まだこれだけではなんともいえない気がした。 エクスパンドでみたのだが、2Dやアイマックス3Dとも比較してみたい(そんな金も時間もないが) 飛び出すのでは…

ゲアリー・マーカス『心を生み出す遺伝子』

氏か育ちか対立に対して、どっちもだよということを言っている話。 基本的な話は、まあ遺伝子のことをある程度知っていれば知っていることが多いかな、という感じ。 そんな中で、へえと思ったことは 遺伝子は思った以上にリアルタイムに機能していること。生…

元長柾木『全死大戦』

いや、素晴らしいネーミングセンスの嵐で素晴らしかった そして、たかだか神戸市内におさまる話なのに、登場人物が絶えず世界を語ってるとことか。 甲介という殺人鬼がナチュラルに混じってるっていうか、そいつが一番まともでなおかつ語り手やってるのがい…

アレステア・レナルズ『量子真空』

すごく…分厚いです 何はともあれまずはそれ ググってもググってもどの感想もまずはそれ ハヤカワの棚でもひときわ目立ってるしね ただ、いい意味でも悪い意味でもその分厚さを全く感じさせないのがレナルズ 非常にサクサクと読める 「えっ、もうこんなに読ん…

岡田暁生『音楽の聴き方』

稲葉振一郎が『社会学入門』で薦めていた本だと思って*1、なんとなく冒頭を立ち読みしたらそのままはまってしまって一気に読んでしまった。 twitterから 昨日思わず買った、岡田暁生『音楽の聴き方』中公新書が、刺激的だった。クラシック音楽を題材にしてい…

あんまりちゃんと感想メモ書けてなかったけど、読んだ本の記録2

清塚邦彦『フィクションの哲学』 色々な意味で勉強になった。 何というか、文章の書き方レベルから。 想像って結局何なの、とか、西村清和から来るであろう反論をどうかわすの、とかが気になった。 あと、やはりウォルトンは面白そうだなあとか。 虚構記号と…

あんまりちゃんと感想メモ書けてなかったけど、読んだ本の記録1

『テスタメント・シュピーゲル』 『テスタメント』読み終わった。ずっと堪えていたが、最後の10か 20ページくらい泣きながら読んだ。 軽い放心状態になるなあ。 読み終わってから、テスタメントがスプライト4巻と同じくらいの厚さだ と気付いた。どおりで長…