『哲学の探求』37号

「分析美学の現在」ということで、
清塚邦彦「フィクションの統語論をめぐって」
西村清和「「美的なもの」の分析美学」
三浦俊彦「進化美学の可能性」
清塚さんのは、『フィクションの哲学』の補論みたいな感じなのかな。サールに対する反論と、あと統語論を重視するけど語用論も大事なところあるよねってことでボルヘスドンキホーテの奴を取り上げてる。
西村さんのは、「醜」という概念の分析と、そういうものを扱っているようにみえる現代アートの話。芸術と倫理の関わりとか。
三浦さんのはその名のとおり、進化論から芸術を理解してみようという話で、「美の自然化可能性と芸術の自然化不可能性を暗示」している。コンセプチュアル・アートは適応の話では説明できないので、「観測選択」で説明している。
個人研究発表は、フレーゲの奴と規則のパラドックスの奴をぱらぱらっと読んだ。
2010年レクチャーの講演要旨は、河野哲也自閉症の知覚から分かること」が気になった。もう、この講演終わっちゃったけど。自閉症は最近、心の理論の障害というよりは、知覚の障害であるという説が有力になりつつあるらしい(コミュニケーション障害は二次的に生じる)。で、もしその説が正しいのであれば、「自閉」というネーミング自体、問題あるんじゃないのみたいな話らしい。
http://www.wakate-forum.org/data/2010/tankyu37.content.php