2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

大塚英志『アトムの命題』

大塚読むの久しぶり 大塚なのでやっぱり政治的に読むように言ってくるのだけど、漫画史研究としてちゃんと読める。ちゃんとって何だw いや、でも大塚的な皮肉とかはほとんどなかったかもな。 っていうか、宮本大人や伊藤剛の研究との連続性もすごくあるし。…

三中信宏『分類思考の世界』

生物学哲学の大問題である「種」を巡って、その博覧強記をもって様々なエピソードから描き出した一冊。 というわけで、これは紛うことなき科学哲学の本であり、実際著者も何度も形而上学という言葉を使っているのだけど、哲学という言葉を聞いてこういったも…

岡和田晃『アゲインスト・ジェノサイド』

正確には小説じゃなくて、TRPG「ガンドックゼロ」のリプレイ。 リプレイというのは初めて読んだので、形式として小説と違うことに一瞬戸惑ったけれど、読み進めていく上で問題があるということはなかった。 むしろ、TRPGを全くやったことのない自分にとって…

新城カズマ 連作シリーズ《あたらしいもの》「雨ふりマージ」(『SFマガジン10月号』)

自然人、法人に加えて、架空人というものができた近未来。 主人公の少年は、自然人から架空人へと変わる。 アメリカのAAAAという組織が、架空人の法律的権利をめぐって法廷闘争をしまくっている世界。 少年は架空人になると、ブログとツイッターとタンブラー…

内井惣七『ダーウィンの思想』

ダーウィンが如何にして進化論を考えるに至ったのか、ということがまとめられている。 進化論そのものの解説としてもコンパクトにまとまっているけれど、それが実際にダーウィンがどのように考えていったのかがわかる。 まずはビーグル号の話と、地質学者ラ…

イタロ・カルヴィーノ『柔らかい月』

おお、SFだなあ。 カルヴィーノはこれで2冊目。前は、『見えない都市』を読んだのだけど、それは非常にファンタジーであった*1。 想像力豊かで幻想的なヴィジョンを見せてくれる作品でもあると同時に、小説って面白いなあということを感じさせてもくれる。 …

小島寛之『無限を読みとく数学入門』

やっぱり、数学は全然分からないけど面白いなあ 一章が結構圧巻 ゼノン、ユークリッド、マクタガード、ケインズってそんな風にして繋がっちゃうのか、みたいな この本の主役は圧倒的にカントールですけど。 しかし、数が存在するって一体どういうことなんだ…

冲方丁『スプライトシュピーゲル』『オイレンシュピーゲル』

何でこれを今まで読んでなかったんだ、自分! と後悔すると共に、何はともあれ完結する前に追いつくことができて良かったと思う。 ラノベの到達点 『ガンスリンガーガール』と『虐殺器官』を足して、さらに「キャラクター」を掛け合わせてブーストしたような…

哲学者RPGを作ろう計画Ver0.3

哲学者RPGを作ろう企画 - pon_zhanの日記 哲学者RPGつくろうぜ計画 ver0.2 - 覚え書き、あるいは思考メモ というわけで、流れに乗ってみることにした。 哲学者RPG分析哲学編。 導入 主人公がフレーゲと会うところから始まる。数学の基礎について語り合う2人…