新城カズマ 連作シリーズ《あたらしいもの》「雨ふりマージ」(『SFマガジン10月号』)

自然人、法人に加えて、架空人というものができた近未来。
主人公の少年は、自然人から架空人へと変わる。
アメリカのAAAAという組織が、架空人の法律的権利をめぐって法廷闘争をしまくっている世界。
少年は架空人になると、ブログとツイッターとタンブラーを使うことが義務になっていて、それでいて自分の日記を自分で読むことはできなくなる。その上、文体や一人称もいろいろと指定される。
あるとき、傘に映し出されるARにマージという少女が現れる。彼女は、ラグランジュポイントにいるという。彼女は本当に人間なのか、それともbotなのか。
一応近未来の設定なのだろうが、時事ネタもいろいろと放り込んでいる。自力で基地に戻った無人偵察機の話とか。
マージは、カークライト博士によって成長を途中でストップさせられた障害児という設定なのだけど、このネタの元ネタが思い出せない。なんだったっけ。
主人公の少年マオの日記形式で書かれているのだが、進むにつれてどんどんタグがたくさんつけられていくさまがまた面白い。


S-Fマガジン 2009年 10月号 [雑誌]

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