2013-07-01から1ヶ月間の記事一覧

片山博文展「Facts in Flatness」

まるでCGと見まがうような写真(グルスキー展)を見たあとに、まるで写真と見まがうようなCGを見てきた 片山博文は写真をパソコンに取り込み、イメージを数値へと変換させ、写真の姿を借りたコンピューターグラフィックス=「偽物の写真」を作り出します。片…

アンドレアス・グルスキー展

国立新美術館 ディテールとスケールに圧倒されて、とても楽しかった。 見に行く前にたまたま「アンドレアス・グルスキー展」 : Living Well Is the Best Revengeを読んでいたのだが、この記事では、崇高概念や抽象表現主義絵画と絡めて論じられている。 実際…

坂上秋成『惜日のアリス』

何だか、あんまりうまく感想が思い浮かんでいないので、簡単にあらすじだけまとめておく。 この作品は、だいたい3つの部分に分かれている。 まず、前半。主人公の「わたし」は、いわゆるコミュ障ワナビな感じの女の子で、大学に通いつつ、おばあさんが1人で…

木村忠正『デジタルネイティブの時代』

文化人類学者による、若者のコミュニケーション形態についての調査 方法論の紹介のあと、デジタルネイティブをさらに4世代に分けて、その違いを説明し、またその連続性としてSNSやネット上のコミュニケーションにおける特徴などを論じる。 インターネットに…

高井研『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』

この前、しんかい6500のニコ生を見て高井さんが面白かったので、読んでみたw (前から読もうと思っていた本ではあったけど) そこかしこにネタを挟んでくる軽い文体で進むのだが、内容はかなり濃い 非常に面白い本だった 生命の起源についての自説を紹…

限界研編『ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF』

店頭に並ぶのは25日からの予定ですが、見本が届きました! というわけで今日は宣伝記事 こちらの本に、瀬名秀明「希望」論を書かせていただきましたので、是非皆さん読んでみて、よければお買い上げお願いしますw 概要 現代日本SFをめぐる評論集 タイト…

大橋可也&ダンサーズ/飛浩隆『グラン・ヴァカンス』

大橋可也&ダンサーズの『グラン・ヴァカンス』を見てきたのだが、それに先だって原作小説を再読したので、それについても書く。 ダンス版 土曜日の昼公演を見てきた まず、コンテンポラリー・ダンスを見るのがはじめて、なばかりか、そもそもダンスを舞台で…

ロバート・ステッカー『分析美学入門』

その名の通り、美学の入門書であり、複数のトピックについて基本的な議論が紹介され、各章末には練習問題と参考文献が付されている。 また訳注も充実しており、時に、いわゆる分析哲学における議論の進め方についての一般的な解説とでもいうべきようなものま…

『小説現代』7月号

SF特集の3本を読んだ。 瀬名秀明「瞬きよりも速く」 主人公は情報科学系の助教で、高校生に模擬授業みたいなのをしていて、ポータブルデバイスや無線ネットワーク的なものがより発展していて、授業中に先生も生徒も並行してSNSやってる。 東日本大震災以…