木村忠正『デジタルネイティブの時代』

文化人類学者による、若者のコミュニケーション形態についての調査
方法論の紹介のあと、デジタルネイティブをさらに4世代に分けて、その違いを説明し、またその連続性としてSNSやネット上のコミュニケーションにおける特徴などを論じる。


インターネットにおけるフィールドワークについて
時間と場所に縛られないという利点からフィールドワークが捗る、と思われていたが、調査相手がどこの誰だか分からないという問題もあって、完全オンラインでの調査には一長一短がある。
この本では、オンラインでの調査ではなく、オフラインで対象者と接触してインターネットの利用について聞き取り調査を行う(詳しくは、量的調査と質的調査の組み合わせが云々という話もあるが)


デジタルネイティブについて、いつ頃にどういうことがあったがで4世代に分ける。
82生まれまでが第一世代
大学に入った頃にmixiが流行していた第二世代
高校時代にはケータイがパケ放題になっていた(ケータイでメールではなくブログなどをやっていた)第三世代
中学時代からケータイでブログなどをやっていた第四世代
自分は、第二世代ど真ん中だったのだけど、あーまさにそんな感じだよねーという納得感のある記述だった
すごい枝葉だけど、ネット利用に関して当然だけどエロ需要もあるという話がちらっと書いてあって、無論インタビュー調査でそこまでは聞けないけど、録音を止めた際の会話でそういうこともあったって書いてあったりした


mixifacebooktwitterの三大SNSに対して、「コミュニティ」「ソサエティ」そして「コネクション」というキーワードをあて、「コネクション」原理とは一体何かを論じている。
あと、日本人のインターネットによる信頼感の低さとか。実際に、アクシデントに巻き込まれたことはないけれど、困ったことがもし起こったらどうしようということに困っている、と。
それで、他の国よりも自己開示が低いとか。


LINEについての言及が全くなかったのはちょっと残念だった。