映画

『スカイ・クロラ』『崖の上のポニョ』

この夏話題の映画を一気に見てきたよ! 『スカイ・クロラ』は燃え萌え映画 『崖の上のポニョ』はあまりに意味不明で怖い という一言で、自分の感想はほとんど言い尽くされている。 この二本をまとめて評するのであれば、 宮崎・押井の両巨匠が「俺の考えるセ…

『パラノイド・パーク』

ガス・ヴァン・サントの新作。 今までガウ・ヴァン・サントの作品は、『グッド・ウィル・ハンティング旅立ち』と『エレファント』しか見ていない*1のだが、今回、監督名だけで見に行くのを決めた。 つまり、どんな映画か内容は分からないけどガス・ヴァン・…

「非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎」

何千ページにもおよぶ日記や自伝などの書き物。15000ページを超える、おそらく世界最長の小説。多くが3メートル以上もある数百枚の絵。 (パンフレットより) とにかく圧倒される。 何にか、何にだろうか。ヘンリー・ダーガーという人が費やした膨大な…

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』

この世界観は燃(萌)える! 原作は未読なので知らなかったのだが、パラレルワールドもの。 まあ、パラレルワールド云々の設定が使われるのは、2作目以降のようなので、とりあえずそれはおいておく。 19世紀くらいの雰囲気でファンタジー世界。 剣と魔法…

『叫』

ものの「考え方」というのには、色々な種類があると思う。 例えば、論理的な思考とか具体的な思考とか。そして、エッセイ的な思考とか小説的な思考とかもあると思う。思考という言葉を使わずに、論理という言葉を使ってもいいかもしれない。科学の論理や小説…

『バベル』

これで、去年のメキシコ人監督三大映画(?)を全て見たこととなった。 すなわち、キュアロン『トゥモロー・ワールド』、デル・トロ『パンズ・ラビリンス』、そしてイニャリトゥ『バベル』である。 これら3作品に共通しているのは、徹底して絶望的な状況を…

『太陽』

ロシア人が監督で、イッセー尾形が昭和天皇を演じた作品。 敗戦直前から人間宣言までが描かれている。 当然かなり調べた上で作られた作品なのではないかと思うけれど、玉音放送のシーンがなかったり、マッカーサーがあんまり似てなかったり、戦争で焼けた街…

『間宮兄弟』

元日に家族でレンタルビデオ。テレビで流れることに気付かず借りてきて、テレビで放映されている時間にビデオで見た。 食事シーンと寝るシーンが実に何度も出てくる。 他にも、日常の行為が繰り返し(同じ構図や同じ動作によって)映される。 同じ行為の積み…

「2007年の映画をふりかえる」

空中キャンプ主催の企画に応募してみようと思います。 空中キャンプというのは、僕がよく見に行くブログで、映画の感想が非常に充実していて、見に行く映画の参考にしている。 また、非常に面白い文章を書く人で、映画の感想以外の記事も楽しみに読んでいる…

『マルコビッチの穴』

この前、深夜にやってた奴。 CMがやけに細かく入ってた。 天井が低くてみんな背中丸めて歩いているのが面白くて笑えた。 なんか小難しい映画かと思ってたら、全然そんなことなかった。 小難しく考えようと思えば小難しいことも言えそうな気はするけど、そん…

『パンズ・ラビリンス』

超面白い! 滅茶苦茶面白い!! そして、オフィリアが可愛い! オフィリア可愛いよ、オフィーリア!! あと、メルセデスがかっこいいなあ。 舞台は1944年のスペイン*1 軍人と再婚した母親とともに山奥へと引っ越す少女、オフィリア。 彼女は、妖精に、地…

『アヒルと鴨のコインロッカー』

ボブディランの「風に吹かれて」がよい。 何度も何度も繰り返されるのが。 冒頭の本屋襲撃シーンは、その後、2度繰り返されるが、2度目はコミカル、3度目は悲しく見える。セリフは全く同じなのに。 同じシーンを繰り返す、というのは、映画的な演出方法の…

『ゆれる』

ambiguous*1なものを描いた作品。 その意味でタイトルが秀逸。形容詞じゃなくて動詞なのがよい。 昨日、『それでもボクはやってない』を見ているために、裁判シーンはすごくわざとらしく見えて仕方なかったが、まあ裁判のリアリティが重要なのではないので仕…

『それでもボクはやってない』

周防正行の痴漢冤罪の映画。 「疑わしきは罰せず」「十人の真犯人を逃すとも一人の無辜を罰するなかれ」という原則を、感覚的に実感してもらうために、多くの人に見て貰いたい作品*1 あと、裁判というのは、真実を明らかにする場所ではない、ということも*2…

『リトル・ミス・サンシャイン』

アメリカ郊外で中流から下流の生活を送る家族のロードムービー。 彼らの織りなすドタバタに笑うだけ笑ったら、そのラストに感動するのは禁止。 最後まで笑って終わらなければいけない。 それにしても、アメリカというのは、本当に風景がいちいち雄大。 ちま…

『明日、君がいない』

ガス・ヴァン・サントの『エレファント』とよく似た手法によって展開される作品。 見始めた時は、『エレファント』のパクリだなあと思いながら見ていた*1。 しかし、やっぱり『エレファント』とも違うところもある。 どのような作品か、ざっと紹介する。冒頭…

『鉄コン筋クリート』

を、友人宅で鑑賞。朝の5時から7時にかけて見たので眠かった。 ほんとに松本大洋の絵のままアニメになってるのは、すごいなあと思った。 あと背景。 薄ぺっらい紙を重ねて立体感を出すような感じ。ああいう絵を描く画家がいた気がする。 で、滅茶苦茶動く…

『キサラギ』

予想通りの面白さだった。 よい意味でも悪い意味でも、ほとんど予想を裏切らない感じ。 密室に5人の男(小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之)が集まって、自殺したアイドルの死の真相を探っていく、というシチュエーションの説…

『明日に向かって撃て』

色々なものの元ネタになってる作品をやっと見たなあ、という感じ。 元ネタになっているのに、見てない作品って沢山あるよなあ、と思うと、自分のインプット量の少なさを痛感する。 この世の中には、見るべき*1作品が多すぎると思う。 ロバート・レッドフォー…

東京小説――乙桜学園祭

桜井亜美と乙一がそれぞれ監督した30分ほどの短編映画と、舞台挨拶を見てきた。 乙一が監督した映画に滝本竜彦と佐藤友哉が出演した、という話は前から聞いていて、『立喰師列伝』的なノリで見に行こうと思っていた*1 舞台挨拶は、ほぼ毎日やっているらし…

『グエムル漢江の怪物』

ちょwwww 深夜、友人たちと爆笑しながら観賞。 ぶっ続けで笑えます。 (笑いの)パターンを完全に踏まえ、(怪獣映画の)パターンを完全に破壊する、もはや何映画なのかさっぱりわからない、とてつもない作品w ツッコミどころがありすぎて、コメント不可能w…

『トゥモロー・ワールド』

邦題がよくないなあ。 かといって、原題のChildren of men が優れたタイトルかというとそれも微妙だけど。 非常によく構築された作品だった。 見て損はしない。 この作品を言い表す言葉は二つ、「ファンタジー」と「静謐な緊張感」だと見ていて思った。 ファ…

『墨攻』

比較的マイナーな思想家である墨子が僕はわりと好きで、それが映画化されると聞いたらば、見に行くしかない、というわけで行ってきました。 彼、そして彼の率いる墨家集団は、思想家集団であると同時に戦闘集団でもあり、戦国の世を渡り歩いた後、突如として…

『トンマッコルへようこそ』

個人的な話だが、今のところ、見た韓国映画*1に外れがない。 笑って泣けるエンターテイメント作。 あらすじ 1950年、朝鮮戦争中の朝鮮半島にある、トンマッコルという架空の村が舞台。 山奥にひっそりとたたずむ桃源郷のような村。農業の自給自足によって生…

『嫌われ松子の一生』

見てないとわからない感想を書いています。内容にも触れています。ご注意ください。 最も愚かなる者は、最も聖なる者である って言葉があるかどうかわからないが、見ていてそんな言葉がよぎった。 龍が松子を神と呼ぶシーンが一番ぐっときた。 ささやかなデ…

『惑星ソラリス』

何とも形容しがたい映画。 『2001年宇宙の旅』が何言ってんだかよく分からないように、これもまた何言ってんだかよく分からない。 しかし、2001年はそれなりにSFをちゃんとやってるけど、こっちはSF的な部分はそんなにちゃんとやってない。一応、主な舞…

『パプリカ』

精神分析、夢、映画、サンプリング、自己言及 そういう作品。 「夢の論理」の授業を取っている人は、見るべき。 この授業では、フロイトの夢分析とシュールレアリスム絵画の関係についてやっていて、どのようにして夢というイメージが作られているかを学んで…

『戦場のメリークリスマス』

戦争映画でもクリスマス映画(?)でもなかった。 狂気と聖性との出会い。 最後の2、30分が圧倒的。 半ば狂った日本軍のエリート士官が、キリスト教的聖なるものと接触する。 エリート士官であるヨノイは、イギリス兵セリアズを最初からかなり特別視して…

『蒸気船ウィリー』

今日は集中授業があって、そこでディズニーの初期作品なんかを見た。 『蒸気船ウィリー』 『ミッキーのお化け屋敷』 これが、なんととても面白かった。予想以上によく動くのだ。 当時のアニメ技術の水準がどれくらいにあったのか、よく知らないので、これだ…

黒沢清『回路』

ホラーのようでホラーじゃない。 2時間あって、そのうちの1時間半くらいは一応ホラーなんだけど、話の流れやらなんやらが分かりにくかったりした。 が、なんか知らんうちに、突然ホラーじゃなくなる。 えぇと、『犬神』? 「なんか見えてきた、未来が」 「…