東京小説――乙桜学園祭

桜井亜美乙一がそれぞれ監督した30分ほどの短編映画と、舞台挨拶を見てきた。
乙一が監督した映画に滝本竜彦佐藤友哉が出演した、という話は前から聞いていて、『立喰師列伝』的なノリで見に行こうと思っていた*1
舞台挨拶は、ほぼ毎日やっているらしいが、もちろん滝本竜彦佐藤友哉が出る日を狙って行った。


さて、そんなわけで、最初から桜井亜美は全くスルーしていて、そもそも誰なのかもよく知らないのだが、肝心の映画がひどくて、「俺の時間と金返せ!」という感じだった。
高校生レベルっていうと高校生にも申し訳ないくらい。
まず、技術的にひどい。
録音が下手、BGMの使い方が下手*2、ライティングが下手
エフェクトとか使いたいのは分かるが、見にくくなるからやめてくれ
それから、脚本がひどい。
お前は本当に小説家なのかっていうくらい、セリフが微妙、設定が未消化
じゃあそういうのを全部うっちゃって話の内容としてどうだったかというと、まあこういう話を好きな人もいるのかもしれないけど、俺には無理だわって感じ。


で、乙一の方*3
『立体東京 3D-TOKYO』の名の通り、立体映像作品。あの昔懐かし、立体眼鏡をつけて見る*4。最初の2,3分くらい、逆につけていてうまく見れなくてイライラしたが、逆だって気付いたらちゃんと見れた。ただ、そこはかとなく立体だったり、時々立体にはなってないシーンなどもあったので、「あれ、今立体じゃないのか? 俺がうまく見れてないだけなのか?」ということはあった。
主人公の少女が渋谷や新宿をとにかく彷徨い歩く。それを立体で見るのが、映像体験として面白い、というまさにワンアイデア勝負の作品。
まあ格別面白いわけではないけれど、そのワンアイデアの部分は成功していると思う。
特に、主人公の少女だけが浮かび上がって見えるので、「ひとりぼっちの少女」というのが視覚的に強調されて面白い。
建物よりも、群衆の方が立体的に見える。
主人公をやっているのが、乙一の嫁かつ押井守の娘なのだが、これがなんと可愛かった!
乙一の嫁かつ押井守の娘ということは20代半ばから後半くらいだと思うのだけど、童顔で10代にしか見えない。
滝本竜彦は、彼女からバッグを盗む泥棒役。
ユヤタンは、彼女をナンパする男役!!
設定では、ユヤタンは彼女に泥棒の住所が書かれているメモを渡す役割があったらしいのだが、撮影スケジュールの都合でそのシーンを撮影できず(!)、ただナンパしているとしか見えないことにw
ユヤタン登場シーンはほんとにあっけないw


舞台挨拶トークショーは、心地のよいグダグダ
というか、段取りからしてグダグダだったが。
乙一は、ぼそぼそ、ぼんやりと話す。ユヤタンは、最初ぼそぼそしていたけれど、段々声が大きくなっていった。滝本は、あの独特の間で喋る。決してうまいトークではないけれど、まあそれがなんとなく面白い。
映画の内容や撮影についての話をして、滝本が俳優になれるんじゃないかとか言ったり。
結婚や賞の話をふられると困るユヤタン乙一がサイン入りパンフレットをプレゼント。というか、3人とも結婚や仕事の話には触れて欲しくない様子w
撮影中に、ユヤタンの誕生日があったのでサプライズパーティをした話。
撮影中は、乙一はまだ結婚しておらず、「デートの代わりに撮影していた」とか。
乙一の結婚披露宴では、2人でブランコに乗っていたりじゃんけんをしている映像が延々と流れたらしいが、その映像を撮ったのが、細田守などかなり豪華メンツだったらしい。
会場には、太田克史が来ていた。

東京小説公式サイトhttp://www.biotide-films.com/otsuzakura/

*1:立喰師列伝』にもこの三人が出演していた、から見に行ったw

*2:フェードアウトの途中でブツッと切るな

*3:安達寛高名義なんだけど

*4:赤と緑のセロファンついてるアレ