高井研編著『生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る』

高井研の著作だと思っていたのだけど、正確に言うとちょっと違う。
もともと、JAMSTEC広報誌150号記念で企画された特別連載3回分を、単行本化したもの。
JAMSTECの各研究者等に取材して、ライターの鈴木志乃によって執筆されたもの
高井さんとしても、最近の成果を一般向けにまとめたいが時間がとれない、というところで渡りに船の企画だったということらしい。
元々広報誌の記事だったこともあり、フルカラーで図版・写真も多め。
JAMSTEC連載分の1〜3章に加えて、JAMSTECの高井さん、JAXA/ISISの矢野さん、国立天文台の田村さんによる座談会、さらに、高井さん書き下ろしによる、上級者向け記事が続く構成となっている。
1章は、高井研『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』 - logical cypher scapeの最後で示された「ハイパースライム仮説」「ウルトラH3リンケージ仮説」とJAMSTECモデルについて
第2章は、生命誕生に至るにおける化学進化について、深海熱水噴出活動域における電気がエネルギー源という説
第3章は、JAMSTECも深く関わっているエンケラドゥスの探査計画について
座談会では、海の研究者である高井と宇宙の研究者である矢野、田村がどのように出会ったかから始まり、日本のアストロバイオロジー研究がどのように形成されていったのか、各機関がどのように関わっているのかなどが話されている。
最後は、生命の起源研究7つの論点、ということで、生命の起源研究において、どのようなところで各学説の対立があるのかが解説されている。
生命の起源についての本を読むと、本当に様々な説が出てきて、それらの関係を理解するのが難しいのだが、これを読むと、かなり整理される。
「なるほど、全体像の中でここに位置づけられるのかー」という感じ
最終的に、現在、大きく分けると2つの説にまとめられる、というまとめをしてくれるので、そのあたりも助かるといえば助かる
ただ、「客観的な立場から書く」と言いつつも、読者に対して自説の妥当性を訴える目的でも書かれているわけで、そのための誘導ももちろんあるかなという感じ。
まあそれでも、熱水噴出孔説は有力なんじゃないかと個人的には思うけど。
高井さんの考え方として、生命が誕生する可能性は色々あるかもしれないけれど、地球の今いる生命につながるものとしてもっとも可能性の高いシナリオを提示するというのがある。
対立説は、偶然に頼りすぎなのではないか、という

第1章 深海に私たちのはじまりを探して
第2章 地球生命はこうして生まれた
第3章 宇宙の海に生命を探す
第4章 特別座談会 私たちは宇宙に生命を探します 高井研×矢野創×田村元秀
チャレンジャーコース的生命の起源研究 7つの論点

生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る

生命の起源はどこまでわかったか――深海と宇宙から迫る

第1章 深海に私たちのはじまりを探して

「ハイパースライム」:高井研の提唱した、深海熱水活動域において、始原の特徴を残した生態系のこと=超好熱地殻内化学合成独立栄養微生物生態系
「ウルトラH3(エイチキューブ)リンケージ仮説」:ハイパースライムが存在するための条件、超マフィック岩のウルトラ、熱水活動、水素発生、ハイパースライムの頭文字Hから。
かいれいフィールドに超マフィック岩は発見されていなかったが、06年の調査で発見され、ウルトラH3リンケージ仮説が証明された。
その後、冥王代の環境でも、大量の水素が発生するのか実験で検証
2014年、岩石−水−生命の相互作用を統一的に説明するモデルを構築→さまざまなフィールド、過去の地球、地球以外の惑星などにも使える
JAMSTECモデル」=生命誕生と初期進化についてのシナリオ
深海熱水活動域で、高濃度の水素のある環境で、水素と二酸化炭素を食べる超好熱メタン菌または超好熱酢酸菌、あるいは水素で硫酸や酸化鉄を還元してエネルギーをえる超好熱菌を一時生産者とする持続的始原的生態系を形成した、というシナリオ

第2章 地球生命はこうして生まれた

JAMSTECモデルは、生命誕生の最終工程が熱水活動域で起きたという説
生命誕生のプロセスは、それ以前から始まる
いわゆる化学進化と呼ばれる工程がどこで起きたのか、という点について、深海熱水活動域説と、地上温泉説とがある。
この章では、前者を支持する説として、電気化学進化がとりあげられる。

  • 電気化学進化

化学進化においては、エネルギー源が問題となる。雷とか小惑星衝突とかいろいろ考えられるが、安定したエネルギー源ではない
さて、2009年、元々電気化学を専門としている中村(当時、東大助教、現理研所属)は、熱水噴出孔は燃料電池と同じ構造になっているから電気が発生してるのではないかと、JAMSTECを訪問
2012年、JAMSTECの山本と中村は、人工の熱水噴出孔を作り実験
2015年には、実際の熱水噴出孔で電気が流れていることを実証
有機物をどのように作るか
生物は二酸化炭素から有機物を作るが、実際にはとても難しい反応。一方、一酸化炭素からならば比較的簡単に有機物が作られる。
東工大研究員の北台は、一酸化炭素に注目。一酸化炭素の供給源として、熱水噴出孔の電気をエネルギー源に、硫化カドミウムを触媒にして、二酸化炭素から一酸化炭素が供給できることを実験やモデルから示した
また、生物にとって、窒素は重要だが、窒素を利用可能にするためにはアンモニアになっている方がよい。中村は、電気によって、硫化モリブデンを触媒に、硝酸からアンモニアを作るとに成功
このように、電気エネルギーの供給が、化学進化にとって有用であることが示されている

アンモニアが作られるためのメカニズムとして、小惑星衝突に着目した実験も行われている
JAXAの矢野とJAMSTECの西澤による共同実験で、JAXAがもっている実験施設で行われており、海洋を模した水中に隕石を模した弾丸を発射する装置。

  • 合成生物学

セントラルドグマ以前のシステムとしてペプチドに着目(東工大研究員・藤島)
しかし、ペプチドをつくるには脱水反応が必要という問題も
早稲田・木賀は、合成生物学によって、ありえたかもしれない生命システムの研究をしている
例えば、アミノ酸を減らしても遺伝暗号が成り立つか、など
合成生物学は、数理モデルから部分システムを試験管内に作り、それを組み合わせたシステムを作ったりして実験する


合成生物学は、最近本屋でも本が並んでいたりして、ちょっと気になる分野だけど全然よくわからないところで、「ここで出てくるかー」とちょっと思ったw

  • 電気合成生態系?

熱水噴出孔に、電気を直接利用する生物はいるのか(違う環境でそういう微生物は見つかっている)
光合成生態系、化学合成生態系に次ぐ、電気合成生態系がもしかしたらあるかもしれない
原初の生態系は、電気合成生態系だった?

  • 奇跡か必然か

これまでの生命起源の仮説は、色々なところで色々な由来をもつものが組み合わさってできてくるというもので、うまく結びつける流通経路=ミラクルポイントが必要
高井曰く「偶然に頼ったシナリオ」
熱水噴出孔説は、一つ一つのステップを同じ環境で行われたと考えるので、確率の高いシナリオだ、と


第3章 宇宙の海に生命を探す

エンケラドゥスの噴出物からナノシリカを発見した件
当時、NASAのエイムズ研究センターにいた関根が、JAMSTECの渋谷に問い合わせ、2009年、JAMSTECで分析が行われた
JAXAの矢野は、エンケラドゥス・サンプルリターン計画を着想し、JAXAJAMSTECとのコラボレーションを進めている。
サンプル・リターンのための試料回収技術として、「たんぽぽ」のエアロゲル技術を用い、エアロゲルが熱水環境にある粒子をうまく捕集できるような形に開発するために、JAMSTECが協力
また、回収した試料の分析においても、JAMSTECの装置が中核を担う
さらに、サンプルの/からの汚染を防ぐため「ちきゅう」において分析を行う、という計画もあるとのこと
JAXAJAMSTECの協力体制により、エンケラドゥス・サンプルリターンの計画が練られている、と
この章の後半では、エンケラドゥス以外で、地球外生命を探すにあたり注目されている太陽系の惑星・小惑星・衛星についても触れられ、また、JAMSTECが地球以外の海も研究対象にするようになればいい、というようなことも書かれている

第4章 特別座談会 私たちは宇宙に生命を探します 高井研×矢野創×田村元秀

JAMSTEC高井、JAXA矢野、国立天文台田村の座談会
まず、それぞれの出会いについて
矢野は、エンケラドゥスのサンプルリターン計画のアイデアを周囲に相談して、海の研究者誰かいないか尋ねたとき、山岸明彦から高井を紹介された、と
(ちなみに、矢野がエンケラドゥスのサンプルリターンのアイデアを思い付いたのは、「はやぶさ」をやっているさいちゅうで、その時はさすがに公言できず、イトカワの微粒子の分析を始めた段階でようやく口にできた、と)
田村は、NINSのアストロバイオロジーセンターを立ち上げるとき、やはり山岸明彦らから高井のことを聞かされた、と
日本におけるアストロバイオロジーの系譜
NINSのアストロバイオロジーセンターは、佐藤勝彦らの肝入り
ISASでは、清水幹夫、山下雅道といったアストロバイオロジーの先駆的存在がいたものの、孤高の成果にとどまった、とも
また、山岸の師に当たる大島泰郎は、NASAエイムズ研究センターで生命の起源の研究を行っていた、と
その後、JAMSTECモデルの話、ハビタブルとインハビタントの話、トラピスト1の話、アストロバイオロジーの今後の話などをしている。
最後の方で、高井さんが、JAMSTECではアストロバイオロジー研究が認められていない、というのはJAMSTEC文科省の海洋地球課の管轄で宇宙開発利用課じゃないから、運営費交付金がつかない。科研費でやっている、というなんともはやな話が

チャレンジャーコース的生命の起源研究 7つの論点

高井研書下ろしの章で、「生命の起源および進化学会」の学会誌に投稿された解説論文を下敷きにしたもの
1〜4章が、現在、JAMSTECなどの研究者たちが取り組んでいる最新の研究や仮説についての紹介なのに対して、こちらは、これまでの研究の蓄積の中で未解決となっている論点を紹介してくというもの

論点1 生命の定義

2009年に、モレイラとロペス=ガルシアによって書かれた、生命の定義に関する解説論文が紹介されている。この論文では、過去になされた様々な生命の定義を紹介しるというものになっていて、モレイラらはウイルス学者なのだが、生命の起源としてのウイルス説に対して反論するというものになっているらしい。
アリストテレスから始まって、シュレーディンガーフォン・ノイマンプリゴジン、メイナード・スミスなどの定義が紹介されている。
ここの論点としては、進化することは生命の定義に含まれるかどうか
高井は、地球の生命を定義する上では、進化によってたつ定義が簡潔で的確だと評するが、アストロバイオロジー的視点から見ると、進化は必ずしも含まれないのではないか、と述べる
地球のように環境が変化する世界と違って、環境がほとんど変化しない世界で生まれた生命は進化しないかもしれない、と
その点で、筆者はド・デューブによる生命の定義がもっとも妥当ではないかと述べている

環境における絶え間ないエネルギー・物質の流れが作り出す非平衡状態のなかで、自己を維持し、増殖し、かつ複製するシステム
(p.149 図3より)

論点2 生命の材料となる有機物の起源

地球起源なのか宇宙起源なのか
ミラーの実験による「生命のスープ」の考え方は、地球起源説である
しかし、その後の研究で、原始大気がミラーの実験などで想定されていたものと異なっていて、地球上で有機物は作れないのではないか、と考えられるようになって、宇宙起源説が広まっていった
しかし、宇宙有機物の影響の見積もりが過大評価されているという指摘もあり、一筋縄ではいかない
隕石衝突や熱水活動のポテンシャルは大きいのではないかという指摘があるが、再現実験が難しくて、まだ検証が進んでいない状況らしい

論点3 地球生命は多系統的起源か単系統的起源か

この論点はまず、「生命の誕生」と「共通祖先の誕生」とを区別するところから始まる
ウーズの「プロジェノート」という概念は、まだこの区別が明確ではないが、いわゆる「LCA」ないし「LUCA」という、共通祖先を意味する概念は、生命の誕生と区別されている。
さらに、ラウプとバレンタインの研究によって、生命の誕生が多系統であったとしても、その中から単一系統の生命システムが選択され存続していくことが示された。
つまり、生命の誕生について、単一の起源がありそれが現生命の共通祖先となったという説と、複数の系統が誕生しておりその中から選択され存続していった系統が共通祖先となったという説とがあるということになる。
ただし、多系統的起源について、生命の起源研究においてはあまり議論されていないとのことである。
筆者は、しかし、アストロバイオロジーや合成生物学の登場によって、多系統的起源の可能性が捉え直されてきていると論じている

論点4 最初に誕生した生命は従属栄養か独立栄養か

有機物のスープ説から端を発する化学進化的な研究は、従属栄養生命起源説となっている
最初の生命は、周囲にある有機物を利用したという考え
局所的に誕生したサブシステムの相互作用と自然選択による、漸進的ダーウィン型進化による生命の誕生が想定されるが、これは偶然・偶発性に頼ったシナリオであるという
独立栄養生命起源説は、ヴェヒターズホイザーによって提唱された
「パイライト表面代謝説」であり、代謝の成立によって生命が誕生したとするメタボリズム・ファースト説である
無機物から定向的かつ自己触媒的に生み出されたというシナリオ
また、これは深海熱水活動域説との親和性が高い
さらに、独立栄養生命起源説においては、混合栄養型の可能性も出てきている


ところで、コラムにおいて、従属栄養と独立栄養の違いが説明されている
ちゃんと理解していなかったのだけど、生命活動をさせる材料部品(厳密には炭素)を無機炭素から得る場合は「独立栄養」、有機炭素化合物から得る場合は「従属栄養」と呼ぶ
独立栄養と従属栄養って、大雑把にいうと、植物のように他の生命体を摂取しなくても生きていける生命と、他の生命体を摂取する必要がある生命体みたいな区別で理解していたけれど、厳密にいうと無機炭素か有機炭素かという区別
で、メタンは有機物だが、非生物的にも合成される。この非生物由来のメタンを用いる生物は、定義上は「従属栄養」になる、と。ただ、さすがにこれを従属栄養と呼ぶのは変なのでは、と考える研究者もいて、メタノトローフとかさらに区別した言葉があったりするらしい。
あと、窒素、リン、硫黄に関しては、無機態と有機態の両方を使える生物と無機態しか使えない生物がいるが、これらについて独立栄養と従属栄養という言い方はしない、とか。

論点5 生命誕生のセントラルドグマ

何をもって生命の誕生とするか、生命の本質とは何なのかに関わる論点である
まず、大きな対立として、「遺伝が先か、代謝が先か」というものがある

  • 遺伝ないし自己複製

遺伝ないし自己複製が先、という立場では、「RNAワールド仮説」や「クレイワールド仮説」がある
「クレイワールド仮説」は、粘土鉱物による自己情報複製が、のちに核酸によるシステムに置き換わったという説だが、粘土鉱物による自己情報複製自体はまだ実証されていない
ケアンズ=スミスは、このような置き換わりを「遺伝的乗っ取り」と呼ぶ
高井は、遺伝特化生命が代謝特化生命に対して「遺伝的乗っ取り」のようなことをしたのではないかと考えているらしい(代謝と遺伝のサブシステムが相互作用し融合したことについては、ダイソンによる数理モデルがある、とのこと)。
また、化学進化の研究者の間では「タンパク質か先か、RNAが先か」という論点があったが、たんぱく質及びアミノ酸は、RNA及びヌクレオチドよりもシンプルで生成されやすく、たんぱく質が先に成立していたのは自明で、このような論点は意味をなさないと述べられている(近年の研究で、たんぱく質だけで自己複製するという報告もある、とか)

一方、代謝が先という立場だが、既に論点4でも紹介されているヴェヒタースホイザー及びダイソンによって理論化された「メタボリズム・ファースト説」がそれにあたる。
これと深海熱水域で起きたとする「深海熱水メタボリズム・ファーストシナリオ」
また、この自己触媒的な代謝の成立において、熱水活動域における電気化学反応が重要な役割を果たしたと考える「深海熱水電気化学メタボリズム・ファーストシナリオ」が提唱される、と

  • 細胞様区切り

細胞様区切りこそが、生命の本質にとって優先的というのも当然考えられる
化学進化の研究の中でも様々に論じられてきたが、合成生物学においても、人工的に作った細胞様小胞が増殖したり、進化のような振る舞いをとったりということが実証されているらしい
これらの研究は、従属栄養生物起源説の立場からの研究だが、独立栄養生命起源説においても、細胞様区切りは重要
深海熱水メタボリスト・ファーストシナリオでは、鉱物沈殿物のなかで鉱物によって区切られた孔が、原始細胞の役割を果たすという

  • エネルギー量

論点1における「生命の定義」において、シュレディンガープリゴジン、バーナル、ド・デューブが、生命を、エネルギー的非平衡状態の持続するシステムと定義している
生命に必要なエネルギー量から、制約条件を考えることができる
ホエラーは、エネルギー量から、宇宙共通の生命存在条件を提示している。
さらに、高井はホエラーの概念に具体的な数値を当て込んでいる。

論点6 生命誕生の場

深海熱水域vs陸上温泉
深海熱水域説は1985年に提唱されたもの。既に述べた通り、ヴェヒタースホイザーの説などと結びつくなどしている
エネルギー量のことを考えると、当時の太陽光エネルギーでは足りない、と
しかし、有機物が継続的に流れ込むような水たまりがあれば、クリアできるかもしれない、と
それが「陸上温泉」説
タンパク質やRNAの高分子を合成するためには、脱水縮合という化学反応が必要であり、他の、RNA高分子の合成のための条件として、紫外線と乾燥が必要という実験報告もあり、これらの点は、深海熱水域説より陸上温泉説の方が有利な点である。
40億年前の地球で酸化還元反応を行うためには、高濃度の水素が必要で、蛇紋岩化反応などでえられるが、陸上の温泉では十分な濃度の水素が得られない
また、共通祖先は、好熱メタン菌か何かだと思われてるけど、そういうのが持続して生存できる環境でもなくて、その場合、温泉で生まれた生命がその後速やかに深海熱水域へと移動してきたということになる

論点7 生命存続の可能性

細かいところで様々な違いはあるものの、これまであげてきた論点についての議論を通して、現在、大きく2つの立場に集約されつつある、という
すなわち「深海熱水電気化学メタボリスト・ファースト説」と
地上の様々な環境で生成されたエネルギー源や有機物が、陸上温泉に集積して従属栄養生物が誕生したという説、とである
最後に出される論点は、絶滅のリスクである
せっかく生まれた生命が、環境変動で絶滅してしまうかもしれないという観点から生命起源について論じたのは、ラウプとバレンタインの研究のみだろう、と高井は述べている。
で、そういう絶滅リスクというのを計算にいれて、どちらの方が、生命が持続していけるかという確率を考えていくと、前者の説の方が有利なのではないか、と。