第15回創元SF短編賞受賞作 人工感情調合師の主人公は、憧れのカリスマによる新作から、彼の動機を探る。 ファッションとして人工感情をまとうというSFギミックから、機械知性であることというテーマへと着地する。SF短編としては色々なアイデアに読み応えが…
本記事は、溝井裕一『動物園・その歴史と冒険』の(主に)第3章・第4章、溝井裕一『動物園の文化史』の(主に)第6章・第7章についての読書メモである。 これらの本を手に取ったきっかけは本当に偶然で、同じ著者の別の本が図書館の新着にはいっていたと…
本書は、SF作家がどのようにデビューして、どのように書いているかについて語ったりしている本で、「SF小説を書いてみたい人、作家としてデビューしたい人、創作を続けるコツや、ほかの仕事と両立する方法を知りたい人、ビジネスでSFを利用したい人、SFの可…
クラフトビールのマンガ 5/8までpixivコミックのサイトで最新話まで全話無料で読める、ということがSNSでのリポストで回ってきていたので、何となく読み始めてみたら、3日で2周するくらい面白かったので、ブログにも記録しておこうかと。 https://comic.pixi…
江戸時代から現代に至るまでの、和人側のアイヌ表象やアイヌ政策がアイヌをいかに取り扱ってきたか、そして、それに対してアイヌ側はどのような対応・抵抗をしてきたのか、という本 「滅びゆく民族」から「ネーション」へ、とまとめられるかもしれない。江戸…
Newton 2025年6月号作者:科学雑誌Newton株式会社ニュートンプレスAmazon 柴田正輝─恐竜学に挑む 福井県立大学の恐竜学部開設に伴う、同学部教授へのインタビュー ジョン・ホーナーが福井に訪れた際、福井での研究は、世界的に見ても珍しいというコメントを残…
文字をめぐる12編の短編による連作短編集。 それぞれ独立した短編としても読めるが、互いに色々関連し合っている。 以前から気になっていたが、中島敦の「文字禍」を読んでから読もうと思っていて、この前実際読んだので、ようやく手にした。 『文豪ナンセン…
『筺底のエルピス』『ねじまき少女』再読 - logical cypher scape2で書いた通り、4年ぶりの新刊 次巻の9巻が最終巻になることが予告されており、その前段階、戦いの準備をするところで、ある意味、物語的には一番盛り上がるところとも言える。 筆者が、脇役…
発見なるか プラネット・ナイン R. G. アンドルーズ リュウグウが語る太陽系惑星の起源 遠藤智之 協力:渡邊誠一郎/小久保英一郎/奥住 聡 アルマ望遠鏡で迫る 惑星誕生の現場 遠藤智之 協力:大橋永芳 恐竜の知覚を再現する T. レックスの頭の中を覗いてみ…
『筺底のエルピス』 新刊が今月出るのに備えて、既刊1~7巻を読み直した。 初読時の記事は以下の通り ちなみにそれぞれの発売日が、 1巻:2014年12月→2巻:2015年8月→3巻:2016年3月→4巻:2016年6月→5巻:2017年8月→6巻:2019年1月→7巻:2021年2月 3巻と4巻…
図書館情報学でいったいどのような研究をしているのかを紹介している本 であるが、個人的には、高校・大学時代の友人の初の単著である。 ネット上では、min2-fly(みんつーふらい)というIDを使っているので、そちらの名前の方が分かる人には分かるかもしれ…
進化学と優生学の歴史について書かれた本 著者は『歌うかたつむり』などでも有名であり、一般向け著作がいずれも評判がいいので気になっていた。 生物学者として、進化学と優生学の研究史をまとめているが、前半で出てきた進化生物学者たちが、後半で優生学…
言語哲学者によって書かれたAI入門 LLMに至るAI研究の歴史をまとめた前半パートと、意味をめぐる2つの理論(真理条件意味説と意味の使用説)からLLMについて検討する後半パートからなる。 筆者は、LLMが意味を理解しているか、という点に懐疑的なスタンスを…
三畳紀末の大量絶滅についての本 いわゆるビッグファイブの1つに数えられる大量絶滅だが、その原因は必ずしもはっきりしていないらしい(というか、はっきり分かっているのは白亜紀末の奴くらいなのだろう)。 ただ、近年まさに研究が進められているらしく、…
第二次大戦末期、ソ連の対日参戦によって開戦した日ソ戦争についての本 日ソ戦争の戦場となったのは、満洲と樺太・千島である。 本書については、ソ連が北海道を占領しなかったのは何故か、ということが書かれている本ということから興味をもった。 元々は、…
かつて信じられていたが、今では過去の考えと見なされているような学説・思想を取り上げている特集。 「ロスト・セオリー」という言葉は今回の特集にあたっての造語だろう*1。絶滅した思想と日本語訳がつけられていて、編集後記では、絶滅した生きものについ…
サブタイトルは、「ユダヤ教は植民地支配を拒絶する」であり、ユダヤ人の立場からイスラエルを批判する本となっている。 筆者は、旧ソ連出身で現在はカナダ在住の歴史学者であり、科学史、ユダヤ教、シオニズムについて研究している。ユダヤ教徒としてシオニ…
2月に札幌国際、3月に苗場にスキーしに行ってきた。 多分、6年ぶりくらいのスキー という、ただそれだけの記録なんだけど 苗場が実は16年ぶり2回目の来訪で、しかしそのことを忘れていて、というか、今回苗場に行く前にスキー場のサイト見てなんか見覚えある…
F26号特集「動物」 宮沢賢治の童話テクストにおける「狐」たち— 強いられる適応と生存戦略 構大樹 猫なのに、猫じゃない動物―小山田浩子「ねこねこ」を読む 今藤晃裕 『進撃の巨人』私論―家畜的生と自由、あるいは暴力について 冨田涼介 フェティシズムと動…
実験で見えた 文法で変わる世界認識 C. ケネリー クジラと会話できる日 AIで動物の言語を読み解く L. パーシュリー 大気からCO2を取り除く 社会実装が難しい理由 A. ルーン 海にCO2を埋める 環境への影響は? J. B. パルター 数学でインフラを守る M. スーリ…
日経サイエンス2025年2月特大号 大規模言語モデル「思考力」で進化 吉川和輝 協力:椎橋徹夫 科学研究を加速する基盤モデル 出村政彬 協力:泰地真弘人(理研) 研究できるAIは科学をどう変えるか? 高木志郎/丸山隆一 日本の「HAKUTO-R」月へリベンジ 林 公…
ナショナル ジオグラフィック日本版 2025年2月号 [雑誌]日経ナショナル ジオグラフィックAmazon 謎の「ほかの人類」を探す 追記 極北の氷の中の秘密基地 謎の「ほかの人類」を探す 取り上げられているトピック自体は、どこかで読んだことがあるものだったが…
milsil[ミルシル]2025年1月(通巻103号)特集 環境DNAで探る生物情報 milsil作者:国立科学博物館国立科学博物館Amazon 環境DNAで探る生物情報 近藤倫生(全体監修) 環境DNAとかメタゲノミクスとかはそういうものがあって色々なところで使われてるという…
1925年の上海で起きた五・三〇事件を、上海在住の日本人の視点から描いた長編小説。横光の第一長編でもある。 五・三〇事件は、中国人による大規模ストライキだが、一方で、本作の物語は三角関係、四角関係の恋愛模様を中心にしてすすむ。とはいえ、この作品…
何となく始まった、大正・戦前昭和文学読むシリーズ 今度は、中島敦 中島の場合、大正時代=子ども時代なので、作家として活動が始まったのは昭和に入ってから。1942(昭和17)年に33歳で病没している。 中島と言えば、教科書にも載っている「山月記」が有名で…
『文豪ナンセンス小説選』 - logical cypher scape2を読んだら面白かった作家として、『ちくま日本文学016 稲垣足穂』 - logical cypher scape2に引き続き、今度は内田百閒を読んでみた。 内田百閒については、夏目漱石の弟子の一人ということしか知らず、作…
以前、大正時代について少し読んでいたころから、稲垣足穂が気になっていたので、読むことにした。 前半、メルヘン・ファンタジーっぽい作品がおかれ、続いて私小説・日記っぽい作品があって、「山ン本五郎左衛門只今退散仕る」がどんとあって、最後はエッセ…
ミルクマンとあだ名される青年が、自分の家族のルーツを探し出す話 と一応まとめられるが、ほんとはもう少し複雑 呉明益『自転車泥棒』(天野健太郎訳) - logical cypher scape2につづいて、プロットが面白い系文学だった。本作については橋本陽介『ノーベ…
失踪した父親とともに消えた自転車を探す過程で、自転車の持ち主たちに隠された過去にふれていく物語 台湾文学を読むのは甘耀明『鬼殺し』(白水紀子・訳) - logical cypher scape2に続いて2作目 (次に台湾文学読むとしたら本作かなあと目星はつけていた…
2025オールタイム・ベストSF結果発表 「アフター・ゼロ」 グレッグ・イーガン/山岸 真訳 「陽の光が届かなくなった年」 ナオミ・クリッツァー/桐谷知未訳 「やけにポストの多い町」 大木芙沙子 ヴェルト 第二部 第四章 吉上 亮 日韓SF作家対談 今、SFを書…