2012-01-01から1年間の記事一覧

渡辺零『超電磁砲×虐殺器官』Vol.2

渡辺零『超電磁砲×虐殺器官』vol.1 - logical cypher scapeの続編にして完結編 http://d.hatena.ne.jp/k_watanabe/20120809/p1 マッシュアップ二次創作小説ということで、vol.1では『虐殺器官』の世界観の上を、『超電磁砲』の登場人物(15年後)が動き回…

小林快次『恐竜時代1 起源から巨大化へ』

超久しぶりに恐竜の本を読んだら、知らない恐竜の多いこと多いことw 三畳紀からジュラ紀、南米や中国の恐竜とその進化について。 1 アラスカで恐竜化石を探す 第1章は著者が、アラスカで他の研究者2人と共に、足跡化石を発見したときの話。ここは完全に…

三島浩司『ダイナミックフィギュア』

熱いSFロボット小説。 香川県を舞台に異星生命体を二足歩行兵器で要撃するという話。 本を開くとまず、登場人物一覧があって、その次に香川県の地図が見開きで載っている。これだけでちょっとわくわくしてくるw 二足歩行兵器ダイナミックフィギュアのパイロ…

『おおかみこどもの雨と雪』

土曜日に見たんだけど、あいだあいてしまってなんか感想書く気にならないので、twitterから転載 おおかみこども、見た! http://t.co/julywcVK 宮崎あおいにも大沢たかおにも菅原文太にも気づかなかったくせに、ミンゴス出てたことにはすぐ気づいた。俺の耳…

『日経サイエンス2012年9月号』

特集「ヒッグス粒子」 最近本読むと眠くなるようになってさー、これとか読むの大変だったw ヒッグス粒子の発見の発表についてとLHCについて触れられたあと、ヒッグス粒子の説明が 素粒子にはクォークやレプトンなどの物質を構成するフェルミ粒子と、グル…

ラマルク+オルセン編『美学と芸術の哲学:分析的伝統:アンソロジー』

原題は"Aesthetics and the philosophy of art : the analytic traditon : an anthology"で、編者はPeter LamarqueとStein Haugom Olsen。 英語の本なので、ブログ記事タイトルは自分の勝手な翻訳。以前、洋書のタイトルをそのままブログのタイトルにしたら…

津原泰水『バレエ・メカニック』

まるで今敏の『パプリカ』のような幻視的な風景に満たされた東京を描く第一章から、近未来でARに囲まれながら生きるサイバーパンク的な東京を描く第三章まで、都市となった少女を探して彷徨い歩くトランスヴェスタイトの脳外科医の物語。 二人称で始まる第…

樺山三英『ゴースト・オブ・ユートピア』

古今東西の文学作品10作品をモチーフにした10の章が、様々な形式で展開されていく。 樺山作品の感想を書くと毎回、わからないけど面白い、みたいなことを書いてしまうのだが、まあ今回もやっぱり、わからないけど面白いw でも、リーダビリティは高くな…

宮内悠介『盤上の夜』

読み終わった次の日に、直木賞候補になってたよ!!*1 直木賞発表前に直木賞候補作を読んでいたなんで、自分史上初 発売直後から話題になっていたものの、扱われている題材が、囲碁や将棋、麻雀といったゲームだということで、ちょっとスルーしていた。しか…

久美沙織『ドラゴンクエスト5』

自分は子どもの頃から、全くしていなかったわけではないけれど、あまりゲームをしていなくて、ドラクエとFFの二大RPGも実はやったことがない*1。 で、あるとき、ビアンカとフローラのどちらが幼なじみなのかよく分かってないという話をしたら、妻から、…

スコット・ウエスターフェルド『ベヒモス』

ジュブナイル・スチームパンクSF『リヴァイアサン』の続編 王道展開で楽しい 舞台はイスタンブール。 史実では既にスルタン制の廃止されているオスマントルコ帝国だが、こちらの世界ではまだスルタン制が続いており、革命派がそこかしこで息巻いている。 …

Kendall L. Walton "Mimesis as Make-Believe :On the Foundations of the Representational Arts"

ウォルトンの「ごっこ遊び」論 小説や絵画といったフィクション作品=representational artsをごっこ遊びとして捉えて分析する。 まず、想像、特にごっこ遊び的な想像というものが取り上げられる。この場合の想像というのは自由奔放に思い描いてくことではな…

エルンスト展

横浜美術館 土曜日に横浜美術館のエルンスト展に行ってきた。 しかし、その日はその後、アイマスライブに行ったものだから、エルンスト展の印象がかなり飛んでしまっているw まあそのことは予想済だったので、メモってあるものを転載 横浜美術館でかっ! エ…

THE IDOLM@STER 7th ANNIVERSARY 765PRO ALLSTARS みんなといっしょに!

土曜日に横浜アリーナ行ってきた。 すごかった。 とにかくすごかった。 土曜日しか見なかったけど、日曜日も見たかった。ライブビューイングも見たかった。 もう一回見たい。 終わってしまったのが寂しい。 我を忘れてサイリウム振ってコール叫んでたせいか…

倉田剛『「現代存在論入門」のためのスケッチ』

CiNii Articles 検索 - 現代存在論入門著者が計画している『現代存在論入門』(仮題)という著書の「スケッチ」ということで、プロトタイプになるような原稿が公開されている。 普通の文章に混ざって、ヨシオ、ノリコ、タカシの会話文が挟み込まれるスタイル…

グレアム・プリースト『存在しないものに向かって 志向性の論理と形而上学』

志向性*1について非存在主義を採用することで一般的な説明を与え、また同時に非存在主義についての擁護を行う本。 非存在主義とは、存在しない対象についても指示や量化ができるという立場。マイノング主義ともいわれ*2、かつてラッセルやクワインによって批…

伊藤計劃『TheIndifferenceEngine』

短編集。未読のものも既読のものもあった。 同じモチーフが繰り返し現れてきて、こう並べられて一気に読むのもまた面白いなあと思った。 最初が「女王陛下の所有物」で、伊藤計劃の手によるマンガ。実はマンガを描いていたこと知らなかった……。これはのちに…

円城塔『これはペンです』

「これはペンです」と「良い夜を待っている」 読みやすいという評判に違わず読みやすかった。後者の方がより。 「これはペンです」は、かつて自動論文生成プログラムと自動生成された論文の判定プログラムを作って一財産築いた主人公の叔父が、様々な方法で…

『SFマガジン2012年5月号』

渡邊利道「独身者たちの宴」 日本SF評論賞優秀賞受賞作にして、上田早夕里『華竜の宮』論 まず、他の上田作品をざっと見渡して「変化はするが成長はしない」「他者性」といったことを共通点と挙げ、次いで構成を整理した上で、内容の分析へと入っていく。 青…

第14回感想その2

あとまだ、『ねとぽよ』と『セカンドアフター』と『aBre』を読み終わっていないのだが、いつ読み終わるのか分からなくなってきたので、読み終わったものだけでも 『F』第10号 第一期終了記念号 特集「擬装・変身・キャラクター」 分厚い! そして表紙が西島…

西村清和『フィクションの美学』

フィクションは現実を指示しているわけではないよ(サン・ヴィクトワール山の絵は、まず第一に絵であって、サン・ヴィクトワール山を指示していたり、サン・ヴィクトワール山の代理であったりするわけではない)。ただし、何らかの約束事があって、指示して…

『NOVA5』

大森望編『NOVA1』 - logical cypher scape 『NOVA2』 - logical cypher scape 大森望編『NOVA3』 - logical cypher scape NOVA5、読んだもののあらすじと感想。 読んだもののみ。 上田早夕里『ナイト・ブルーの記録』 深海探査船のパイロットについて。と…

第14回感想

といっても、とりあえず読んだものリスト 『アニメルカvol5.0』 化物語・偽物語特集 ウエダハジメインタビュー 村上裕一→小説版における言葉と物の関係が、アニメ化によってどう発見されたか、あるいは反転されたか 杉田悠→従来の少年漫画を師匠から弟子への…

沙野カモメ特集

最近、沙野カモメさんの音楽にはまってます。 特に最近出た、『Re:kamome sano』というアルバムがよくて、紹介したくなりました。 こちら、タイトルから分かるかも知れませんが、実は既に発表された曲のRemix集になってます。しかし、このRemixがすごい。 宇…

至道流星『羽月莉音の帝国』(1)

これは一体何と呼べばいいのだろう。 まあ、ラノベであるのは明らかなんだけれど、ラノベ的な面白さは面白さに中心にないというか、まあしかし、やはり広い意味ではラノベ的な面白さなのかと思ったり。 羽月莉音が作った「革命部」は、建国を目指す部活動で…

第14回文学フリマとGHOST PROTOCOL

GW最終日の日曜日は、東京流通センターで文フリでした。 お疲れ様でしたー。 今回、僕は新刊もなく、昼から行くような体たらくだったわけですが、その割りには人と話したりは結構できたかなと思っています。 買った本の感想はまた後日。 今回、新刊はなか…

生誕100年 ジャクソン・ポロック展

初期から晩年までの作品、63点を集めた企画。 普通の企画展と比べると、圧倒的に外国からのお客さんが多かった。 Chapter1 1930〜1941年 初期 自己を探し求めて まだ、ポロックの絵がポロックになっていなかった頃。 とはいえ、個人的にはわりと好きだっ…

『SFマガジン2012年4月号』

「ベストSF2011」上位作家競作 円城塔「FourSeasons3.25」 民意の叶う願いなら何でも全て叶う街。「おれ」は隙間理論を駆使して、時をが逆行することを決めた。 「隙間理論」とは、宇宙に無限に広がる不確定な領域(隙間)を利用したもの。 時を逆行する「お…

ケイティ・サレン/エリック・ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ(上)』山本貴光訳

ゲームデザインについての理論書。 この本は、まず第一には、ゲーム制作者向けの指南書であるが、ほどよく抽象的・理論的に書かれており、ゲームについて考えたり批評したりという人にも使えるようになっている。 ゲーム制作もゲーム批評もしないよって人に…

月村了衛『機龍警察』

月村了衛『機龍警察 自爆条項』 - logical cypher scapeの1作目。 これはやっぱり1作目から読んだ方がいいと思うよww 2作目から読んでも問題ないといえば問題ないけど しかし、あえて言うならば、キャラクターの雰囲気が1作目と2作目で異なって感じら…