伊藤計劃『TheIndifferenceEngine』

短編集。未読のものも既読のものもあった。
同じモチーフが繰り返し現れてきて、こう並べられて一気に読むのもまた面白いなあと思った。
最初が「女王陛下の所有物」で、伊藤計劃の手によるマンガ。実はマンガを描いていたこと知らなかった……。これはのちに、「From the Nothing ,With Love」となっていくモチーフ
で、月曜日なのに機嫌悪い「TheIndifferenceEngine」があって、「Heavenscape」。これは『虐殺器官』のプロトタイプらしく、なるほど『虐殺器官』は最初こんな感じだったのかーと。最初は、虐殺の言語ではなくて、スナッチャーというバイオロイドに乗っ取られるという設定だったようだ。で、続いて「フォックスの葬送」これもまた『虐殺器官』に使われたシーンの原型が見受けられる。また、「Heavenscape」と「フォックスの葬送」はどちらも小島秀夫作品から発想されており、「フォックスの葬送」はメタルギアソリッドの二次創作になっている(ようだ*1。)話の内容は、地獄の黙示録だけども。
で、「A.T.D」があって、「From the Nothing ,With Love」があって、円城塔との合作で書かれた『ディファレンス・エンジン』の「解説」があって、「屍者の帝国」となる。
屍者の帝国」についていえば、初読時の「これの続きが読めないなんて」という狂おしさは消えて、かなり落ち着いた気分で読めたw そして、「From the Nothing ,With Love」や「解説」から続けてこれを読むというのが多分結構大事で、円城塔との繋がりを自然に感じられる。

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)

The Indifference Engine (ハヤカワ文庫JA)

*1:メタルギアやってないのでそこらへん分からない