『日経サイエンス2012年9月号』

特集「ヒッグス粒子

最近本読むと眠くなるようになってさー、これとか読むの大変だったw
ヒッグス粒子の発見の発表についてとLHCについて触れられたあと、ヒッグス粒子の説明が
素粒子にはクォークレプトンなどの物質を構成するフェルミ粒子と、グルーオンや光子など力を伝えるボース粒子があり、フェルミ粒子に質量をあたえる機構とボース粒子に質量を与える機構はそれぞれ異なっている。で、今回発見されたヒッグス粒子はボース粒子に質量を与えているっぽい。フェルミ粒子にも質量を与えているのかどうかは今後の調査で分かってくる。ヒッグス粒子は今回発見されたもの一種類だけなのか、それとも他にもあるのか。他にもある可能性があって、もし他にもあることが分かると、標準モデルをさらに説明する超対称性理論への有力なてがかりとなってくる。
その点で今年末の発表が要注目。
で、ヒッグス機構のメカニズムについての記事がだーっと載っているのだが、全然わからんw 対称性って概念がよくわからん
さらに、南部陽一郎の2005年の講演と小林誠益川敏英のインタビューも載っている。
とりあえず、この記事のまとめとしては、南部先生すごい。
ヒッグスのヒッグス粒子についての論文も、南部の論文がきっかけになっていて、南部もある程度まで考えていたらしい。

セディバ猿人の衝撃

アウストラロピテクスとホモ属とのあいだを繋ぐのではないかと思われる、セディバ猿人というのが南アフリカで発見されて議論になっているらしい。
そういう種が見つかるとしたら東アフリカだろうと思われていたのに南アフリカで発見されたことや、アウストラロピテクスとホモ属との特徴が従来考えられていたものよりもバラバラに混在していて進化の道筋を再考させられそうなこと、発見された骨の数が多くてかなり完全に近い標本が得られ個体数も多いこと、などが特徴的
発見者は、人類の直系の先祖だと主張しているが、これについてはまだ議論紛糾中
面白かったのは、発見に至るエピソードで
グーグルアースで候補地を探して、目星をつけた場所に息子と一緒に行ってみたところ、息子が「化石だ」といい、「大したものではないだろうと思ったが父親らしさを息子に示すために」見に行ってみたら、鎖骨の化石だった、とか。
グーグルアースで探すんだなあとか、「父親らしさを示すために」とかが、なんか面白かったw

自然史標本を救え

東日本大震災で被災した陸前高田博物館などの、標本の回収・修復・保存の話
今、全国の博物館ネットワークを通じて、回収した標本の洗浄などをやっているけれど、まだまだ前途多難という話
修復・洗浄についていうと、海水に浸された標本の洗浄というのはほとんどノウハウがなくて、方法論から探っている状態。一見、きれいに見えても塩分が残っている可能性もあって、要経過観察。きれいだと思っていたのにカビが生えたとかも
「標本の野戦病院」のようになっていたとか。
文化財の方には救援予算がついたけれど、自然史標本は後回しにされがち(文科省の中での担当部局が違う)で、そういう制度的な問題もあったりとか。


日経 サイエンス 2012年 09月号 [雑誌]

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