会計SF、一体なんだそれはという感じだけれど、会計SFなんだなあ
過去にアーカイブ騎士団『流通小説集』 - logical cypher scape2で流通小説なる新ジャンルを開拓したアーカイブ騎士団の面目躍如といったところか
簿記とAI(高田敦史)
高田さん、AIネタ好きだよな。今回はGAN(敵対的生成ネットワーク)を扱っている。
宇宙貿易商であり趣味で会計ソフトの開発も行っている主人公が、会計についての個人講義を依頼される。
従業員全てがロボットである企業のオーナーで、屋敷の使用人も全てロボットという依頼主は、部屋から出てこようとせず、モニター越しに講義を教えることになる
サイボーグは冷たい帳簿の中に(森川 真)
地球温暖化による海面上昇により、造船所が巨大企業となった未来
造船所は帳簿を公開しており、その処理を外部に募っている。その会計処理は、副社長リーグなるものになっており、そこで好成績を収めたものは実際に副社長の座に就くことができる。
また、造船所は、社員の脳内に計算機を埋め込んでおり、その計算機は会社の資産として計上されている。
雪夫と「俺」はチームを組んで副社長リーグを戦っていくが強敵が立ちはだかる。しかし、雪夫は実は母親のことでどうしても造船所のトップに上り詰める必要があって
複式墓地(渡辺公暁)
会計SFだけでもなんだそれ? というところだが、この作品は会計ホラーにもなっている。
会計ホラーって何だという感じだが、会計ホラーになっているのだから仕方がない。
オカルトマニアの大学生3人組が、ドイツにある廃村を訪れる。その墓地にある墓には複式簿記と思われる数字が刻まれている。
3人は確かに数字の刻まれた墓を見つけるが、それだけでなく、遙か昔に廃村になったはずの村に人影を見つける。
この数字は、かつて村にいた聖職者が、たまたま複式簿記を知り、何故かそれと信仰心があわさり、村の人々の生死を記録するものとして刻まれている。のだが、3人は負債の欄に数字があることに気付く。この負債とは一体何なのか。そして、謎の人影は一体何なのか。
日商簿記2級受験記(高田敦史)
会計SFを書くにあたり簿記2級をとることにしたという高田さんの体験記
いやなんだそれ、すごいな