アーカイブ騎士団『流通小説集』

アーカイブ騎士団第9作目は、「流通小説」というかなり聞き慣れないジャンル
過去作の感想は以下

第15回文フリ感想 - logical cypher scape(004『ロボット小説集』)
第17回感想 - logical cypher scape(005『ゾンビ小説集』)
第19回文学フリマ感想 - logical cypher scape(006『恋愛SF小説集』)
文フリ以前に読んでた同人誌 - logical cypher scape(007『ユートピア小説集』)
『怪獣小説集』『ノーサンブリア物語』 - logical cypher scape(008『怪獣小説集』)

002『忍者小説集』と003『メタバシスによる星間周遊』も読んでるはずなんだけど、ブログ上に感想残ってないっぽい。
なお、アーカイブ騎士団のサイトは以下
アーカイブ騎士団 on Strikingly


流通小説とは何ぞや、という感じだが、本当に読んだら流通小説である。

エクセルマトリクス(高田敦史)

サイバーパンクならぬエクセルパンク!
エクセルというのはもちろんあのExcelのことである。
流通センターで使われているExcelファイルの中にはAIが?!
そして、見学に来ていた高校生がExcel世界の中にフルダイブ!!

金髪の配送人(森川 真)

これ結構好き
近未来、郊外の配送はもはや業者ではなく、Uberのように一般人がやるようになっている。
また、Amazonのおすすめ商品がもっと進歩したようなシステムで、ちょうど必要になると思われるタイミングで先を見越して送られてくるという通販システムが確立している。必要なければ返品できる。
で、このシステムの配送人をやっている主人公は、やけに返品率の高い客がいることに気付く。
その客は、部屋から出てこなくなった女子大生
彼女は、大学の理事長の息子の元彼女だったが、2人は少し前に分かれていて、それ以来、彼氏の方は行方がわからなくなっていた。
何故、彼女の家には、男性用下着や(冬でもないのに)冬物の鍋用食材が届くのか。
配送人がその謎へと迫る

遠い世界(ポテトサラダ走法)

様々な宙域への流通を担っている流通センターで働く主人公
ある日、隣のエリアで働いている知り合いが頭にタコをつけて現れた


インターネットください――あるいは☆☆☆★★の記憶(渡辺公暁

インターネットを他の星に輸送する輸送船に宇宙海賊の襲撃が!
宇宙時代の食レポサイト、記憶屋、インターネットの地図作り、さらには、「ステルスマーケティングならぬパイレーツマーケティング」とか「逆インターネット」なるパワーワード(?)が飛び出してきて、とても楽しい