伊藤計劃『METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS』

メタルギアソリッドは何一つやっていないのだが、ゲームやってない人でも読める、という言葉につられて買った。
実際、読める。読めるんだが、やはりゲームやってない人にはお勧めしない。
登場人物や前作までに起こったこともちゃんと説明してくれるし、その情報の出し方は的確である。
が、なにぶん、情報量が結構あって全部把握するのはなかなか難しいのと、これはシリーズ最終作ということもあって、「実は○○でした」という展開が実に多い。さらにいえば、「実は○○ってこの前はいってたけど、本当の本当は××でした」という展開も結構ある。というわけで、やはりゲームをやっていないとここらへんについていくのが、ちょっと大変になる*1
文章の面でいうと、オタコンの一人称で綴られるわけだが、結構頻繁に視点人物が切り替わっていく点が、気になったと言えば気になった。オタコン以外の人物の内面描写とかもバンバン行われる。一人称なのに神視点。
語りのちょっとセンチメンタルな感じは、『虐殺器官』の時と似てるかも。
小説としては『虐殺器官』の方が面白いと思ったけど、設定面とかで確かに影響を受けているんだなあ、ということは分かった。
ドレビンと雷電がかっこいい。
かっこいい、というか、出てくるタイミングが完璧w *2


読み終わった後、公式サイトでトレーラーなどを見る。
かっこいい。
これは面白そうだなあ。
僕は全然ゲームをやらないので、このムービーだけ見たいなあという気分もする。
まあやはりゲームのムービーであって、これだけで一つの映画作品には出来ないのかもしれないが、映画館とかで全部見てみたい。

METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS

METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS

*1:情報としては十分についていけるし、話の筋が分からなくなることもないのだが、感情の部分で

*2:ドレビンの登場のタイミングを見てると、ゲームの時はこいつがセーブポイントか何かだったのかと思えてくる。そういえば、電磁波の通路とかってゲーム的には一体どんなんだったんだろう、とか思う。