2013-01-01から1年間の記事一覧

『大人のための「恐竜学」』小林快次監修・土屋健著

インターネット上で募った質問をもとに、Q&A方式で恐竜について入門する本。 「大人のための」というのは、恐竜というと子供が好きなものというイメージが強いが、そうでなく大人であっても恐竜について色々知りたい人はいるだろうから、そういう人たち向け…

オリヴィエ・メスレー『ターナー――色と光の錬金術師』

創元社の知の再発見双書って、読んでそうで読んでなかったレーベル フルカラーなのがいい 画家ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーについて 第1章 古典的な教育 1775年、理髪師の息子として生まれる 建築画や風景画を志し絵を学び始める ターナー…

太田邦史『エピゲノムと生命』

何年か前に言葉を知って以来、見かけるようになった「エピジェネティクス」 なんだか難しそうだし、何読めばいいかよくわからないしで、今まであまり知らなかったのだが、たまたま入門書と銘打たれたこの本を見かけたので読んでみた。 エピジェネティクスと…

THE IDOLM@STER 8th ANNIVERSARY HOP!STEP!!FESTIV@L!!(幕張2日目)

8周年ライブツアーの最終日、行ってきました すごくよかった。 一番最後に赤羽根Pが「感無量」って言って言葉を詰まらせていたけど、本当になんか、よかった、満足したって感じで言葉いらない感じもするのだけど、しかしやっぱり記録もしておきたいので書…

NoNoWire13から15選

NoNoWire on floor 明日は、秋葉原MOGRAにて、NoNoWire on floorです! イベント告知動画がこのかっこよさって時点でやばいですね 当然、行ってくる予定です さて、そんなイベント前夜なので、今年のNoNoWireから気に入った作品をいくつか紹介したいと思いま…

籘真千歳『スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの』

シリーズ最終作 これまで 藤真千歳『スワロウテイル人工少女販売処』 - logical cypher scape 籘真千歳『スワロウテイル/幼形成熟の終わり』 - logical cypher scape 籘真千歳『スワロウテイル序章/人工処女受胎』 - logical cypher scape うまく終わらせた…

名古屋哲学フォーラム2013秋「美を語る資格があるのは誰だ? 心理学(脳神経美学) vs 科学哲学 vs 分析美学」

日時: 2013年9月14日(土曜日)午後1時半より 会場: 南山大学名古屋キャンパスR棟R32教室 行ってきました。 名古屋は2度目。とはいえ、1度目は、他のところへの旅行の途中で立ち寄って名古屋駅の近くで昼食食べただけ。今回も、南山大学直行して、またすぐ…

ロバート・ローゼンブラム『近代絵画と北方ロマン主義の伝統』

ドイツロマン主義の画家カスパー・ダイーフィト・フリードリヒから、抽象表現主義の画家マーク・ロスコまでを、「北方ロマン主義」という系譜の中で位置づけようという本。 崇高の話とか読んでいると、時々言及される本なので、まあ読んでみるかと。 北方ロ…

『美学芸術学論集(特集:脳/美学――脳科学への感性学的アプローチ』神戸大学芸術学研究室

レポジトリからpdf落として読めたので、読んでみた。神戸大学学術成果リポジトリ Kernel 神経美学のシンポジウムが近いのでその予習、と思ったからというわけでもなくw たまたま、じゃぶらふきゅーさんに教えてもらったので 『歌うネアンデルタール』そろそ…

アメリカン・ポップ・アート展

新美術館 ポップアートは、なんか分かったつもりでいたけど、実際見てみたら全然そんなことなかった まず、ロバート・ラウシェンバーグ 初っぱなから圧倒された。 何が、とはいわく言い難いのだけど、この前、宮下誠の『20世紀絵画』で具象と抽象について読…

スティーブン・ピンカー『心の仕組み』

ちくま学芸文庫になったのでそっちの方で読んだ。 心の科学についてまとまって読める。 すなわち、認知科学(心の演算理論)と進化生物学(自然淘汰による進化論)が合体した進化心理学による、心の説明である。 心は進化によってデザインされた演算装置であ…

宮下誠『20世紀絵画』

パウル・クレー研究などで知られる著者による、入門的な本。 ところで、著者名でググって、09年に亡くなられていたことを知った。クラシック音楽についても造詣が深かったよう。 基本的なフォーマットとしては、著者の選んだ20世紀の絵画作品それぞれに…

『パシフィック・リム』

太平洋の亀裂から怪獣が現れて人類を襲うようになる。人類は、イェーガーというロボットを開発してこれを迎撃する。 主人公のローリーは、兄と共に第三世代イェーガー、ジプシー・デンジャーのパイロットをしていた。 ところが、アラスカ沖に現れた怪獣ナイ…

新城カズマ『TOKYO404』

定住しないことをテーマに小説を書くことにした新城カズマの、取材・インタビューを織りまぜたという体裁の小説。 佃島に代々住んできた一族である女子大生のタワダは、一人暮らしをしたいと相談した先輩のすすめにしたがって《メゾン・ポテ》というかなり怪…

『NOVA10』

管浩江「妄想少女」 スポーツクラブに通う中年女性である主人公は、その妄想(とスポーツクラブのプログラム)の中では、若くかっこいいエージェントの女である。 噂好きのおばさん達との付き合いに辟易しつつも、その妄想があるから耐えられる。 近未来が舞…

年刊日本SF傑作選『極光星群』

宮内悠介「星間野球」 宇宙ステーションに滞在する2人の宇宙飛行士が、交代で地上へ降りる1人の枠をかけて、野球盤で対決する。 2人とも地上に帰りたいワケがある。そしてそれを互いに知っているし、お互いの性格などもよく分かっている。2人の野球盤勝…

小川一水『コロロギ岳から木星トロヤへ』

追記(20130818) ブクマコメで指摘されるまで、タイトルがコロロギ岳であることに全く気付いてなかった。以下、いちいち修正するのが面倒なので、コオロギのままだが、コロロギと読んでください。記事タイトルだけ修正した。 時の泉に生息する生命体カイアク…

片山博文展「Facts in Flatness」

まるでCGと見まがうような写真(グルスキー展)を見たあとに、まるで写真と見まがうようなCGを見てきた 片山博文は写真をパソコンに取り込み、イメージを数値へと変換させ、写真の姿を借りたコンピューターグラフィックス=「偽物の写真」を作り出します。片…

アンドレアス・グルスキー展

国立新美術館 ディテールとスケールに圧倒されて、とても楽しかった。 見に行く前にたまたま「アンドレアス・グルスキー展」 : Living Well Is the Best Revengeを読んでいたのだが、この記事では、崇高概念や抽象表現主義絵画と絡めて論じられている。 実際…

坂上秋成『惜日のアリス』

何だか、あんまりうまく感想が思い浮かんでいないので、簡単にあらすじだけまとめておく。 この作品は、だいたい3つの部分に分かれている。 まず、前半。主人公の「わたし」は、いわゆるコミュ障ワナビな感じの女の子で、大学に通いつつ、おばあさんが1人で…

木村忠正『デジタルネイティブの時代』

文化人類学者による、若者のコミュニケーション形態についての調査 方法論の紹介のあと、デジタルネイティブをさらに4世代に分けて、その違いを説明し、またその連続性としてSNSやネット上のコミュニケーションにおける特徴などを論じる。 インターネットに…

高井研『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』

この前、しんかい6500のニコ生を見て高井さんが面白かったので、読んでみたw (前から読もうと思っていた本ではあったけど) そこかしこにネタを挟んでくる軽い文体で進むのだが、内容はかなり濃い 非常に面白い本だった 生命の起源についての自説を紹…

限界研編『ポストヒューマニティーズ――伊藤計劃以後のSF』

店頭に並ぶのは25日からの予定ですが、見本が届きました! というわけで今日は宣伝記事 こちらの本に、瀬名秀明「希望」論を書かせていただきましたので、是非皆さん読んでみて、よければお買い上げお願いしますw 概要 現代日本SFをめぐる評論集 タイト…

大橋可也&ダンサーズ/飛浩隆『グラン・ヴァカンス』

大橋可也&ダンサーズの『グラン・ヴァカンス』を見てきたのだが、それに先だって原作小説を再読したので、それについても書く。 ダンス版 土曜日の昼公演を見てきた まず、コンテンポラリー・ダンスを見るのがはじめて、なばかりか、そもそもダンスを舞台で…

ロバート・ステッカー『分析美学入門』

その名の通り、美学の入門書であり、複数のトピックについて基本的な議論が紹介され、各章末には練習問題と参考文献が付されている。 また訳注も充実しており、時に、いわゆる分析哲学における議論の進め方についての一般的な解説とでもいうべきようなものま…

『小説現代』7月号

SF特集の3本を読んだ。 瀬名秀明「瞬きよりも速く」 主人公は情報科学系の助教で、高校生に模擬授業みたいなのをしていて、ポータブルデバイスや無線ネットワーク的なものがより発展していて、授業中に先生も生徒も並行してSNSやってる。 東日本大震災以…

宮内悠介『ヨハネスブルグの天使たち』

SFマガジンで掲載されていた4編と書き下ろし1編。 世界各地の紛争地などに、日本製のホビーロボットDX9が登場する連作短編。3本目以降は、〈現象の種子〉という秘密兵器とルイ(隆一)と名乗る日本人を巡る物語ともなる。 SFマガジンで掲載されていた…

「色を見る、色を楽しむ――ルドンの『夢想』、マティスの『ジャズ』……」ブリジストン美術館

ブリジストン美術館は以前から行きたいと思いつつ、実は初めて。 ルドンは以前ルドン展見てたから、それほど目当てではなく、まあマティスとか印象派とか見たいなあという感じで行ったんだけど ブリジストン美術館すごいね 自前のコレクションでの展示なんだ…

【世界初へ挑戦】深海5,00​0メートルへの有人科学探査を​生中継〜JAMSTEC×ニコ​生

【生中継】深海5000メートルへの挑戦 ~世界最深の深海熱水域に挑む「しんかい6500」の科学探査の現場を公開生中継~ 昨日見てました。 何か今でもタイムシフト視聴できるっぽいですね。 夜の8時半から朝の8時までという長丁場の放送だったので、まあちょ…

『ニュートン7月号』『日経サイエンス7月号』

ニュートン7月号 国立天文台が、円偏光を観測したというニュース記事 円偏光は、生物の材料である左手型アミノ酸への偏りを生じさせるもの それから、惑星科学者生駒大洋へのインタビュー 木星の形成メカニズムやスーパーアースの組成の分析をしている。木星…