『パシフィック・リム』

太平洋の亀裂から怪獣が現れて人類を襲うようになる。人類は、イェーガーというロボットを開発してこれを迎撃する。
主人公のローリーは、兄と共に第三世代イェーガー、ジプシー・デンジャーのパイロットをしていた。
ところが、アラスカ沖に現れた怪獣ナイフヘッドとの戦いで、兄が命を落とす。死ぬ直前まで、ドリフトシステムで兄と神経の繋がっていたローリーは、イェーガーパイロットを引退する。
5年後。イェーガー計画の予算は削られ、沿岸部における壁の建築が進められていた。ペントコスト司令官は、怪獣に対する最後の攻勢をかけるため、壁の建築現場で人夫として働くローリーを呼び戻す。
香港に集められたのは、人類にかろうじて残された4機のイェーガーとパイロットたち
オーストラリアから、唯一の第五世代、ストライカー・エウレカとハンセン親子
中国から、3本腕のクリムゾン・タイフーンとタン3兄弟
ロシアから、第一世代最後の生き残り、チェルノ・アルファとカイダノフスキー夫妻
今まで対怪獣作戦は全て迎撃であったが、今度は違う。怪獣が現れる太平洋の切れ目に核爆弾を投下して、怪獣の通り道自体を破壊するという作戦が立案されていた。
ローリーのコパイ候補は、能力・相性ともにどう考えても森マコなのだが、ペントコスト司令は彼女をアサインしようとしない。それでも、ローリーはマコと試乗を行う。その際、マコの記憶が暴走してしまう。それは幼い頃に怪獣に襲われ、若き日のペントコストに助けられた記憶だった。
一方、香港基地に集められたのはパイロットだけではない。怪獣研究を行うニュートとハーマンという2人の博士もそうだ。怪獣オタクでもあるニュートは、怪獣の脳の生きたサンプルとドリフト(神経結合)して情報を得ようとする。もっと新鮮な脳が必要だというニュートに、ペントコストは香港裏業界の商売人、ハンニバル・チャウの元へと行くように言う。
そして、香港にオオタチとレザーバックという二体の怪獣が現れる。次々とやられていくクリムゾン・タイフーンとチェルノ・アルファ。香港の町を逃げ惑うニュート。投入されるジプシー・デンジャー。成層圏まで吹っ飛ばされながらも、ソードだ、ロケット・パンチだで二体を屠る。
オオタチの死体の収穫を始めるハンニバル・チャウ。そして、その脳へとドリフトするニュートとハーマン。そして、ペンタコストの計画のままだと作戦がうまくいかないということを知る
腕に怪我を負ったハンセン父に代わり、ペンタコストとハンセン息子がストライカー・エウレカに乗り込み、太平洋の亀裂へと向かう。三体の怪獣が守る切れ目において、ストライカーの自爆攻撃もあって、かろうじてジプシー・デンジャーは通路の破壊に成功する。


3D吹き替えで鑑賞。
冒頭のアラスカ沖戦闘シーンでテンションがあった。予告編でみたとき、ドリフトシステムのコクピットがあまりピンと来てなかったのだけど、冒頭での搭乗シーンを見たらありだった。完全なマスタースレイブじゃなくて、操作盤あったりするのがよかった。あと、ロシア夫妻のヘルメットとか?w
とにかく、ロボットと怪獣がでかい。3Dって、奥行き感を出すのに向いてるのかなーと思うのだけど、最初の方はとにかくイェーガーでけぇって感じだった。
イェーガーだけでなく、怪獣にしろ、壁にしろ、とにかく画面のずっと奥の方まで延びてるという感じが、3Dだとさらに誇張されてでかく感じるのかな−と
あと、千葉繁が声やってたオペレーターのテンドーとか、ニュート博士とかが普通に好きだった
っていうか、ニュート博士を1人でおつかいにやるなよ、とw
とにかく殴って怪獣をぶったおすっていうのはなかなか楽しかったけど、やっぱストライカーの胸からロケットとかが好きです、個人的には
あと、コクピットはあの汚れ感がよかったけど、ロボットについていえばやっぱEDに出てきた奴がかっこよかった。旧式で戦うってのもロマンかもしれんけど、やっぱおろしたてのピカピカのがかっこいいよw


世界設定としては、2013年に怪獣が初めて現れるのだけど、そこから2020年のアラスカ戦までは冒頭にダイジェストががーっと流れるだけなわけで、歴史とか設定とかが膨大にあるのを圧縮している。
怪獣ものって、なんだか正体不明のものが現れて、次第にそいつが怪獣だって分かってくるみたいな流れが典型的にはあると思うので、そういうとこも見たかったかなーと思ったりする。
というか、そういうことを言い出すと結構キリがない。


自分と特撮ということについて一応いっておくと、平成ゴジラ平成ガメラで育ったとは言えると思うが、結局それらは子ども時代に見たっきりで特撮オタクになることはなかった。昭和の怪獣映画は見ていないし、実際に見たことのある平成の怪獣映画についても、かなり遠い記憶でしかない。なのであんまり、特撮好きとして、この作品に対して物申すと言えるようなほどのものはないんだけど、しかし見ていて思うところもあったので、以下はある種の二次創作的な、「俺だったらこうする」的な話w


劇場出たときに最初に思ったのは、「なんで菊地凛子なんだ!」ってことで
ぶっちゃけてしまうと、菊地凛子は別に可愛くない。そういう話を人にしたら、「でも、向こうの人が考えるオリエンタルな日本人女性の顔なんじゃない」って言われて、それはそうなんだろうなと思ったけど
まあ、かわいいかかわいくないかだけでなく、森マコのコパイになるとかならないとかいうエピソード自体がたるかった。
その代わりとして、一応、芦田愛菜のシーンがあるわけで、あの芦田愛菜自体は悪くないし、デルトロ的には芦田愛菜が怪獣に追いかけるシーンはやりたかったんだろうと思うけど*1あれでチャラにできるかというとやっぱできないんじゃないかと。
それで設定とか読んでたら、ジプシー・デンジャーのソードはマコが開発したというじゃないか!
その記述を読んだ時の自分の叫び

森マコってソード開発したのかよ。なんでそこカットしたし!
新兵器開発とかも見たかったわけで、ニュートとゴットリーブにはそういうことやって欲しかったと見終わった時には思ったけど、彼らはやっぱり開発する系の人たちじゃないし、マコがそれできるんなら、マコの兵器開発シーンいれてほしかった

怪獣への復讐を誓い、1人新兵器開発に地道をあげる女性パイロット(候補)
命を救ってくれた司令官を尊敬し、肉親を殺された者同士で共感しあうとかそういうのいいんだよ!w
っていうか、パシリムは恋愛要素がほとんどなくてよかったっていう感想見たけど、ドリフトシステムっていうのがある以上、あれは恋愛要素だろ!
怪獣をひたすら憎む女性キャラクターというと、ガメラ3の前田愛だけど、っていうか、平成ガメラって、前田愛にしろ藤谷文子にしろ、人間の男性よりもむしろ怪獣とどうこうであって、(人間との)恋愛要素がない、多分!
ゴジラの三枝未希とか最終的にメカゴジラコクピットに乗るけど、別にパイロットの高嶋政宏との恋愛要素はなかったはず(でも、今ググったらvsスーパーゴジラでロマンスがあったらしい)。
三枝未希はどんなキャラだったか全然覚えてないんだけど、前田愛とか藤谷文子とか怪獣キチで、それをチャイドルだったりセガールの娘がやったりしていたわけで*2、恋愛要素の有無は個人的にそれほど重要視していないところなんだけど、森マコはもっとメカニック女子であってほしかったし、もっと憎しみとかでキてる感じでもよかった。
森マコが、1人薄暗い部屋でソードの設計とかやってたり、ドッグでジプシー・デンジャーの修復をちまちまやってたりするシーンがあった方がよかったな、と。
っていうか、やっぱりソードの開発シーンがないせいで、ソードが新兵器であることが全然分からなかった!
別に怪獣と殴り合って、殴り殺すのもいいんだけど、っていうか最初の戦いとかは、殴って終了とかやばいなとか思いましたけど、やっぱり必殺技ほしいですし、ミサイルでとどめさすストライカーかっこいいですし。
ロケットパンチは正直世代じゃないので、苦笑しか浮かばないわけで
それこそ、ジプシー・デンジャーはあの胸のぐるぐるしてるとこからキャノン撃てよw カイジュウ・ブルーが飛び散る? 知るか。どうせ格闘戦やらせたいために作った設定なんだから、また別の設定つければいいだろ
ほんと、厨二かっこいい技名で3人で声を揃えて叫んでくれる中国チームは素晴らしかった。なんで、あんな見せ場ないまま退場なんだよ。どういうことだよ。中国チームだけで戦うシーンの1つや2つや見せてくれよ。
っていうか、キャノンっていえばコヨーテ・タンゴがいるじゃないかよ。なんで第一世代なのに飛び道具もってるんだよ、カイジュウ・ブルーはどうなったんだよ。なんで戦闘シーンないんだよ。


あと、ニュート博士がらみでつぶやいたこともコピペ

ニュート博士は、怪獣をなぜかいつも最初に目撃しちゃう人と、研究者の役割を足して二で割ったような人

平成ガメラシリーズの大迫さんってあんなんじゃなかったっけ。忘れたけど。あと、さっき三枝だの前田だの言っててふと思ったんだけど、怪獣と心通わす系ヒロインの役割も実は担っていたのかw でも、ニュート博士もその方向性だと物足りないけど。彼は、ハンニバル・チャウとのやりとりが面白いのでよい。

ニュート博士は民間の(ここでは対怪獣組織に属していないくらいの意味、まあ多分在野で一人でやってる)研究者っぽいわけで、「その作戦はやっちゃダメだ!」「何言ってんだ、こいつ」みたいなの欲しいですけど、しかし、そういうニュートがいることで、司令が「軍隊じゃなくてレジスタンスだ」という言葉の意味がわかるので、それはそれですごく好きなわけで、これを両立させるためにはやっぱ、イェーガー全盛期が必要で、その時は在野でただの電波だったニュートが次の作品(つまり今回映画になってる時間軸の話)において、環太平洋軍に加わっていることで、あのニュートが! みたくなるのが見たい

で、やっぱりそうなると二部作か三部作ですよねー
怪獣の正体が次第に明らかになってく時代の話と、イェーガー全盛期でニュートが在野でしかない時代の話と、今作の時代の話と


という感じで、途中取り乱しかけたけれど、なんというか不満を言い立てているようで、こうやってああだこうだ言うのこみで十分楽しんだなという感じでした。

*1:デルトロについても、『パンズ・ラピリンス』しか見ていないので大して偉そうなことは言えないけど、『パンズ・ラピリンス』はとにかくロリ可愛い少女をいじめるのをねっとりとカメラが追いかけていく映画だし。伝え聞くところによると、他の映画にも似たような要素があるようなので

*2:そういえばこれに中山忍山咲千里を加えて、パンフレットで美女4人が共演みたいなことが書いてあった気がする。それにしても、中山美穂の妹とセガールの娘と前田亜希の姉だったわけか……