【世界初へ挑戦】深海5,00​0メートルへの有人科学探査を​生中継〜JAMSTEC×ニコ​生

【生中継】深海5000メートルへの挑戦 ~世界最深の深海熱水域に挑む「しんかい6500」の科学探査の現場を公開生中継~
昨日見てました。
何か今でもタイムシフト視聴できるっぽいですね。
夜の8時半から朝の8時までという長丁場の放送だったので、まあちょっと1,2時間くらい見れればいいかなーとか思ってたんですが、結局3時くらいまで見てましたw


しんかい6500によるカリブ海ケイマン諸島沖での有人探査を生中継するというもの
海中では電波が使えないため、通常、しんかい6500は音波で海上の母船と交信を行っており、それだと毎秒1枚の静止画が限界。というわけで、これまでリアルタイムでしんかい6500の探査を見ることができるのは、乗船者だけ*1だったそうです。
今回は、光ファイバーケーブルをしんかい6500の後ろにくくりつけて潜ることで、船内・船外の映像を生中継する試み。
有人探査船なので、ケーブルが万一絡まるととても危険なため、絡まってもすぐに切れるような細いケーブルを使用。なので、着水の衝撃、潮流の変化、海底の地形にひっかかる、熱水に触れるなどの要因でも切れるおそれがあり、実際にやってみるまで、本当に生中継ができるかどうか分からなかった(一応、前日の潜行でも練習していたらしい)。
というわけで、始まる前からスタジオはワクワクドキドキという感じだった。
メインMCをつとめる長沼毅さんは、繰り返し今日を境に世界は変わりますよと言っていた。
こういう探査がリアルタイムで見れるというのもすごいことだけれど、仮にやってみて失敗してしまったとしても、そういう失敗は科学ではつきものなわけで、そうした失敗も科学者でない人と共有できるようになるのはよいこと、みたいな話もしていた。
途中から途中まで、スタジオにはゲストではやぶさの川口さんも来ていて、宇宙と深海の同じとこ、違うとことか、長沼さんと話したりしていた。


ニコ生でやってすごいなと思うのは、本当に全部生中継で流れるということw
母船よこすかで毎朝やっているラジオ体操の様子から、潜行前最後の乗船者同士の打ち合わせ、潜行中の乗船者の雑談
今回の乗船クルーは、パイロット飯嶋一樹、コパイロット池田瞳、そして高井研なのだけど、高井さんがとにかく面白おかしい人で、自分に1031(天才)というコードネームをつけていたり何だり


ちょっと戻って、時系列順に話すと
まず、よこすかでの事前チェック
スクリューがちゃんと回るか、マニュピュレータがちゃんと動くかとか
このとき、バラストの説明とかがあった。以前は球体だったけど、今は板状のものを使っているとか。他の探査船が来たときに落としたバラストが見えることもあるらしい。バラストには調査の時の識別番号みたいなものがふっているらしく、見たらいつ来たどこの船とかが分かるらしい。
でまあ、その後色々あって乗船
耐圧殻の中がすごく狭い。しんかい2000には椅子があったのだけど、6500には椅子がない。パイロットと研究者は床に寝そべったり丸まったりしている。コパイは、カメラのケースの上に座っている。
潜る前は室内気温が30度くらいあるらしくて、コパイの池田さん(ぴーちゃん)がずっと団扇をあおいでいた。
乗船するや早速トラブル(?)があり、毎朝やっておくはずの温度計のデータ補正を担当者がやり忘れたらしく、持ち込んだノートPCの中から高井さんが補正用のファイルを探さなければいけなくなったのだけど、それがなかなか見つからず、高井さんが悪態をつきまくるという展開があり、それがニコ生視聴者の笑いを誘っていた。
着水は、甲板にでてきたしんかい6500をAフレームクレーンで持ち上げて行う。着水したあと、スイマーがすかさずしんかい6500に近付いて、クレーンの軸索を外す。
この着水作業がなかなかかっこよかった。
スイマーが離れると母船から「潜入せよ潜入せよ」という交信が入って、潜りはじめる。
画面左上に深度が出てるのだけど、すごい速さで潜っていくのがわかる。あっというまに、真っ青だった海が真っ暗に変わっていった。
で、真っ暗になってからは、船内を映して、スタジオと会話
海底につくまでは2時間くらいかかり、高井さんは普段は寝ているとのこと。
長沼さんと高井さんとの間で、今回の調査の目的についての会話がある。
曰く、超臨界水というものが自然界にあるのかどうかを見つけるのが目的だとのこと。
超臨界水というのは、407℃を越えた熱水で、液体でも気体でもない超臨界状態になっている。
水は普通100℃で沸騰するが、圧力がかかると沸点もあがっていく。そのため、深海の熱水噴出口では200℃、300℃の熱水が噴き出しているところもある。ところが、同じ熱水でも超臨界状態になるとその状態が全く異なる。むろん、そのような高温下で生命は生きていないが、生命のエサになるような物質が普通の熱水と超臨界水では全然違う状態になっていることが考えられ、どんなものがあって、周囲の生命にどんな影響を与えているかを調べていくための調査、とのこと
その後、コクピット内のコントローラーなどをぴーちゃんに説明させる高井さん。ダメだしが厳しいw
母線よこすかから東京までは、衛星中継とskype中継の両方を切り替えながら使っていて、衛星中継だとタイムラグがあったり途中で切れたりするけど画質がきれい、skype中継だと画質は悪くなるけど接続状態は安定という感じの印象があった。


日本時間深夜1時頃に海底到着。
到着する時に一時停止するのだけど、着水の衝撃の次に、ここも光ファイバーが切れる可能性のあるポイントだったが、ここも無事くぐりぬける。
今回、熱水噴出口(ブラックスモーカーないしチムニー)の場所は最初から分かっていたので、すぐにそこへ移動。
チムニーでかくてかっこいい
で、その表面に小さいエビがわっさーと密集してへばりついている。
エビやイソギンチャクを吸い込んでサンプリングしていく。
アメリカの探査船メリウス(?)というのが以前来ていたらしく、それのファイバーケーブルや実験用の器具などが残っていた。
メリウスの器具が刺さりっぱなしだったチムニーを、飯嶋さんがアームを操作して、回収してたりしていた。
高井さんと飯嶋さんの会話とかもそのまま聞けたのが面白かった。
しんかい6500は最近、後部の推進器を改造しているのだけど、操作性がかなり向上したらしく、高井さんが前はもっと大変だったのにスムーズになったねということを言ってたりしてた。
あと、現地時間でお昼くらいだったので、お弁当食べたりしていた。おにぎりとサバのお弁当。飲み物はコーヒーだけど、トイレの問題があるのであまり飲まないようにしているとか言ってた*2
持ち物としては他にキノコの山があったりw
で、日本時間の3時前くらいだったかに、ついに光ファイバーが断線してしまった。


スタジオにいた中村さんという研究者と長沼さんが、チムニーについて解説してくれたりしていた。
深海は圧力鍋のようなもの
圧力鍋を使うと味がよくしみるけど、チムニーも同じで金属がよく溶けているらしい。表面が黒いのは金属
金鉱、銀鉱、銅鉱、どれも元はチムニーだったとか。


その後、引退したしんかい2000の実機が置いてある新江ノ島水族館の中継やったりなんだりしてたけど、寝落ちしそうだったので寝た。

*1:3人しか乗れない

*2:携帯トイレは持っていっている