2014-01-01から1年間の記事一覧

鈴木雅雄編著『マンガを「見る」という体験』

サブタイトルは、「フレーム、キャラクター、モダン・アート」 去年の6月から12月にかけて開催された三回連続のWS「マンガ的視覚体験をめぐって――フレーム、フィギュール、シュルレアリスム――」をもとにした論集。 参考:伊藤剛・鈴木雅雄「マンガ的時間、シ…

太古の哺乳類展

上野の科博 日本で発見された絶滅哺乳類の化石展 デスモスチルス類とゾウ類の全身骨格が目玉 ホロタイプ標本や実物化石も多い 音声ガイドが沢城みゆき 解説してくれる人役と、ヒゴテリウムのひごちゃん役、ナウマン象の子どもちびなう役、ヤベオオスノジカの…

宇宙博2014

幕張メッセ 非常に見るものが沢山あり、全部回るのに4時間くらいかかった。宇宙船のコクピットとか月面車とかきぼうとか、とにかく色々。 もとより、夏休み期間中や土日は混雑してやばいだろうと思って、9月の平日で休みになるところがあったので、そこで…

大津由紀雄・波多野誼余夫編著『認知科学への招待』

optical_frogさんが、語用論についての解説としておすすめしていたので flip out circuits: 文献メモ:西山 (2004)「語用論と認知科学」 これだけ読むつもりだったけど、他にも面白そうなのがあったのでいくつかの章を読んだ。 あとは斜め読み。 章ごとに書…

『るろうに剣心 京都大火編』

志々雄編の前編 2年前の実写化のとき、蒼紫や志々尾見たいけれど、まあ実写化しても変になるだけだしなあと思いながら見にいったけど、この大友るろ剣は、マンガの実写化としては稀にみるクオリティで、これなら志々尾もいける、と思わせるもので、そして実…

ティエリ・グルンステン『線が顔になるとき』

フランスのマンガ、バンドデシネを中心に、顔がどのように描かれてきたかを見ていく本 肖像画やカリカチュアといった、マンガではない絵画や、アメリカのコミックス、日本の「マンガ」など、バンドデシネ以外のマンガについても触れられている。 なお、翻訳…

宮内悠介「薄ければ薄いほど」(『小説現代』)/オキシタケヒコ「サイレンの呪文」(『SFマガジン』)/『日経サイエンス』

宮内悠介「薄ければ薄いほど」(『小説現代』9月号) 終末医療と代替医療を扱った作品 宮内作品ではおなじみの、男性ジャーナリストによる一人称視点 舞台は、北海道にある白樺荘というホスピス そこでは代表の意向で、写真も含む一切の記録がなされておらず…

佐藤翔「ビジビリティの王国――人文社会系学術雑誌という秘境」『DHjpNo.4 オープンアクセスの時代』

友人のmin2-flyこと佐藤翔の論文 8/12に発売された勉誠出版のムック、『DHjp No.4 オープンアクセスの時代』に、「ビジビリティの王国、人文社会系学術雑誌という秘境」と題して、人文社会系のオープンアクセスに関する話を寄稿しました! (たしか)「初め…

佐藤靖『NASA――宇宙開発の60年』

NASAの設立から現在までを、アメリカの政策や国際情勢、あるいはNASA内部の勢力図などから見ていく本。主に、アポロ、スペースシャトル、ISS、科学研究の4項目。 筆者は、28歳の時に科学技術庁を退庁し、その後、ペンシルヴェニア大で科学技術史の博士号をと…

デイビッド・ノーマン『恐竜――化石記録が示す事実と謎』(冨田幸光監訳)

イグアノドン専門家による骨太な恐竜の入門書 丸善の「サイレンスパレット」というレーベルから出ている新書 こちら、オックスフォードのVery Short Introductionの翻訳 Very Short Introductionの翻訳というと、岩波から「1冊でわかる」シリーズというもの…

海野弘『魔女の世界史』

近現代の「魔女」文化を巡る本。具体的には、世紀末美術、新魔女運動(ネオペイガンなど)、ゴスの3つにスポットライトがあてられる。 帯やカラー口絵を見ると、まどマギ、きゃりーぱみゅぱみゅが取り上げられていて、現代のサブカルチャーについて論じてい…

THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!! 名古屋公演2日目

僕は、アイマスライブ自体は、7thから数えて早5回目(!)だが、ツアーライブで東京以外の開催地へ遠征するのは初めて。 名古屋2日目に参加してきた。 さて、9thライブ 半年前に行われたSSAライブは、シンデレラ・ミリオンの若手組だけでなく、2日目には日…

ロラン・ジュヌフォール 『オマル――導きの惑星』

フランスSF オマルというのは惑星の名前。表面積が地球の何千倍だかあって、そのために住人たちは世界が平らだと思っている。 オマルには、ヒト族の他に、9つの関節のある腕状突起をもつシレ族、関節がヒトとは逆向きのホドキン族の3種類の種族が暮らしてい…

仁木稔『ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち』

仁木稔『グアルディア』 - logical cypher scape、仁木稔『ラ・イストリア』 - logical cypher scape、仁木稔『ミカイールの階梯』 - logical cypher scapeに続くHISTORIAシリーズの短篇集 「ミーチャ・ベリャーエフの子狐たち」「はじまりと終わりの世界樹…

仁木稔『ミカイールの階梯』

仁木稔『グアルディア』 - logical cypher scape、仁木稔『ラ・イストリア』 - logical cypher scapeに続く、HISTORIAシリーズの第3作 『グアルディア』が27世紀の中南米、『ラ・イストリア』が23世紀のメキシコを舞台にしていたのに対して、こちらは25世紀…

『All You Need Is Kill』

ティルトローター輸送機いい! 原作読んだの10年くらい前だったので、もうあまり覚えておらず、その点、原作との相違とか気にせずに見れた。 ラストを原作とだいぶ変えているけれど、それもよかったと思う。 ループのテンポがよく、ループしてることと、ひ…

『ゴジラ』

ゴジラだと思ったら、ガメラだったw 個人的には、パシリムより好き パシリムよりよかった点は、何よりゴジラが放射火炎を吐いたこと パシリムはどうも肉弾戦ばっかりで、飛び道具系必殺技がなかったのが、個人的には非常に不完全燃焼で*1、その点をすっきり…

野村亮馬『キヌ六』

SF好きなら読むべし! アフタヌーン四季賞出身の野村亮馬の最新作、全2巻で、先日2巻が発売されたところ ツクバで人工的に造られた火星人類の少女キヌは、ヌードルスタンドで働くサイボーグの少女六を連れ、英国軍の改造兵士に追われながら、火星を目指す …

石岡良治『視覚文化「超」講義』

「アート/エンタメ」あるいは「サブカル/オタク」という軸を取っ払って、現代(視覚)文化について取りかかる切り口を講義する本。 このあたりは、Loading...でも、以下のように紹介されていて、読んでいてその通りだなと思った。 長々と歴史が語れられて…

イアン・マクドナルド『火星夜想曲』

火星の砂漠にできた町「デソレイション・ロード」が誕生してから消滅するまでのおよそ半世紀を描く。 神話的な町の始まりから、時間SFがあったり、ディストピアものがあったり、戦争があったり、SFガジェット*1もてんこもりなのだけど、いい意味でSFっぽくな…

Origins: Earth & Life

Jack Szostak RNAと細胞膜がそれぞれどう生まれたかということについて 実験室で、細胞膜の成長・分裂を物理・化学的なものだけで実現 RNAの化学的複製も、問題が解決しつつあるが、エネルギー源が謎 Dimitar Sasselov 系外惑星について スーパーアースって…

『ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です!』

ブログに書くまでもないか、と思って、別の場所にメモってただけの奴 アンツィオ戦、面白かったー まず、練習シーンがあったのがよかった。練習しつつも、各チームのカラーがでて結局しっちゃかめっちゃかになってるのが楽しいw アンツィオの副官の人、能登…

THE NEXT GENERATIONパトレイバー第3章

実写版パトレイバーを初めて劇場で見てきた。 既に第3章。第1章と第2章は見てないけれど、これはこの作品が1〜7章に分割されて上映されていて、それぞれ上映期間が短いために、「見に行こうかどうしようかな」「っていうかいつやってるんだっけ」「あ、もう…

涌井貞美『図解・ベイズ統計「超」入門』

会話形式で書かれた、ベイズ入門書 確率とは、というところから始まる。 わりとさくさく読めた。 ベン図でなく、四角い図で書く。ベイズは、ベイズの定理がまずあって、その上にそれを応用した確率論や統計論が乗っかっている、というイメージ、らしい。 第1…

シャロン・バーチュ・マグレイン『異端の統計学ベイズ』

ベイズ派統計学の歴史についての本 あくまで歴史なので、ベイズ統計についての説明はあまりないが、関わった人物のエピソードなどが中心となっている。 アレックス・ローゼンバーグ『科学哲学』 - logical cypher scape2やラプラス『確率の哲学的試論』(内…

大森望・日下三蔵編『年刊日本SF傑作選さよならの儀式』

2008年に始まって、今年で7冊目となる、大森・日下による年刊日本SF傑作選 自分が今まで読んだのは 2008年刊行の『虚構機関』 2009年刊行の日下三蔵・大森望編『超弦領域』 - logical cypher scape2 2013年刊行の年刊日本SF傑作選『極光星群』 - logical cyp…

『Newton8月号』

メタン菌は,火星環境でも生息できる!? 火星の土壌を使ってメタン菌を生息させる実験。火星の環境でもメタン菌は生きていける。というか、酸素なくて二酸化炭素主体だからメタン菌にすれば理想的? ただし、火星でメタンは確認されていない。 全長40mの史…

大森望編『SFマガジン700【国内編】』

SFマガジン700号を記念したアンソロジー 山岸真編『SFマガジン700【海外編】』 - logical cypher scapeと同時刊行 こちらも基本的には、SFマガジンに掲載されたが、単行本未収録の短編を集めたもの。ただし、古い方の作品は結構すでに書籍化されているものも…

山岸真編『SFマガジン700【海外編】』

SFマガジン700号を記念したアンソロジー SFマガジンに掲載されたが、単行本未収録の短編を集めたもの*1 12作中5作既読だった とはいえ、そのうち1作は既読だということに全く気付いてなかった。あと、既読5作中3作は『SFマガジン2010年1月号』 - …

デイヴィッド・ルイス『反事実的条件法』

様相論理を用いて反事実的条件法を分析し、また様相実在論についても主張している本。 難しいと聞いていたので今まで敬遠していたが、いよいよ手に取ってみた。しかし噂に違わず難しかったので、かなり飛ばし読み。内容についてはあまり分からなかったが、と…