『ゴジラ』

ゴジラだと思ったら、ガメラだったw
個人的には、パシリムより好き
パシリムよりよかった点は、何よりゴジラが放射火炎を吐いたこと
パシリムはどうも肉弾戦ばっかりで、飛び道具系必殺技がなかったのが、個人的には非常に不完全燃焼で*1、その点をすっきり解消してくれた感じがある
あと、公開前から宣伝されていたことだけど、ゴジラの咆哮がまんまゴジラの咆哮だった。
それから、オリジナル怪獣のムートー
いや実は見に行くまで、オリジナル怪獣出てくるって全く知らなかったので、最初に出てきた時「なんだこの細い腕、ゴジラじゃねえ!」って混乱したんだけどw あの怪獣デザインはとてもよかったと思う
冒頭に「ガメラだった」って書いたけど、それはゴジラの立ち位置的な話もあるけれど、ムートーのデザインが、頭三角のところがギャオスっぽくて、昆虫っぽいのがレギオンっぽく見えたから、というのある。
ちょっと物足りなく思ったのは、対ゴジラないし対怪獣の架空兵器がないところw ただし、ゴジラを専門的に調査する国際機関モナーク機関なる謎の組織があったのはよかったw
あとは、やはり怪獣バトルのシーンはもっとあってもよかったのでは、ということか。というか、下から見上げるショットが多くて、全貌が見える状態で組み合って戦っているショットというのがサンフランシスコの結構後半までなかったのではないか、と。
もちろん、なかなか全体が見えない、というのは怪獣の怖さの演出としては当然あるべきものだし、隠し方と見せ方は非常によかったと思う。



おっさん客多かったなあという印象
カップルとかも結構入ってたけど、逆に子どもはほとんど見かけなかった、気がする

あらすじ

1999年、フィリピンで謎の怪獣が卵から生まれて海へと去っていった跡を、芹沢博士らが見つける。
富士山麓にある原発で謎の地震波だかなんだかを観測。なんだこれってざわざわしてたらメルトダウンアメリカから来ていた研究者は、その事故で妻を亡くす。
15年後、その研究者の息子(フォード)は、米軍の兵士となり妻子もいて順調な生活を送っているのが、父親はいまでも妻が死んだ事故の原因を調べるべく、日本にいた。で、制限区域に無断に侵入して逮捕されたため、フォードは日本まで呼び出される。


物語としては、このフォードが怪獣のあれこれに巻き込まれながらも、家族のいるサンフランシスコに帰ろうとする、というもの
あと、モナーク機関の芹沢博士とその助手が、米軍に協力させられて、米軍は色々やろうとするけど、基本的に無駄足


富士山の元原発は、モナーク機関が休眠状態のムートーを研究する施設になっている。しかし、残っていた放射線をくらい尽くしたムートーが覚醒。ムートーはどこかへ飛び去ってしまう。
フォード父は、ムートーが出現したときに足場が崩れて重傷を負い亡くなる。
モナーク機関の芹沢博士とフォードから事情を聞いた米軍は、ムートーを追う。
米軍にハワイまで送ってもらったフォードは、そこからサンフランシスコへ帰ろうとするが、ハワイにムートーとゴジラが上陸する。
ムートーはさらに東へと向かう。芹沢博士らは、フィリピンで発見された卵が、ネバダ放射性廃棄物処理施設にあることを思い出す。米軍特殊部隊が向かったときには、既にメスのムートーが産まれたところだった。
ゴジラ、ムートー(オス)、ムートー(メス)がサンフランシスコで合流することが判明。芹沢博士は反対するものの、米軍は、核ミサイルの放射線でおびき寄せて、3体もろとも核爆発で葬り去る計画を立案。
一方、フォードは、サンフランシスコへ向けて核ミサイルを運ぶ列車に乗り込み、やはりサンフランシスコへと向かう。

コメント

なんで富士山麓原発があるんだ!w と開幕早々ツッコミをいれたくなるものの、このあたりの下りは非常によくて、妻を見殺しにするしかなかったシーンは、ベタだけどよかった
15年後の立入制限区域の廃墟っぷりもよかった
フォード父の退場が早かったのは、個人的には残念
15年間、周囲からは(息子からさえも)頭がおかしいと思われながらも、執念で研究しつづけたあの部屋の様子とか、怪獣映画ならではのやばい科学者の系譜だと思う。フォード父、決してマッドな人じゃないけど、何の後ろ盾もなく個人でずっと研究してたというヤバさはある。
芹沢博士は、色々説明してくれる人ポジションとしてはいいけど、キャラ付けが薄い


フォードの物語自体は、悪くなかった
ただ、さっきちらっと書いた、子どもを見かけなかったなあと繋がるのだけど、子ども向けの物語ではないよなあ、とも
ここでいう「子ども向け」って何かっていうと、もっと米軍・博士寄りの視点中心で描くか、子どもを主人公のなかに持ってくるか、ということ。
家族を守ろうとする若い父親っていうのは、ハリウッド映画的には全く正しいし、日本からサンフランシスコまでなかなか帰り着けない、家族に再会できない、その途中で別の家族が離ればなれになって再会するエピソードを挿入しつつ、というプロットは、とっても分かりやすいんだけども。
架空兵器が出てこない、とも通じるが、ケレン味がないという話かもしれない。しかし、それだったらおとなしくパシリム見てろよって話でもあり、ないものねだりも甚だしいし、「だからよくない」という点でもないので何とも。
しかし、このフォードパート、後半では米軍の核ミサイルを処理するという話とつながってくるんだけど、この海上で核爆発させて怪獣倒そうと思ったら、ムートーに奪われて市内に持ってかれてしまったから、起爆装置解除しろというミッションのショボさ。
人類の攻撃なんて怪獣には役にたたんのだということを示すためのものなんだと見るか、主人公が最後に怪獣のもとに赴くのが怪獣倒すためじゃなくて米軍の尻ぬぐいってどういうことよ*2と見るか
いやー面白かったけど
空母とゴジラが並んで太平洋東進していくシーンとかもそうだけど、米軍意外と直接攻撃していないというか。まあハワイでやって無駄だったからかもしれないけど。
ミサイル撃ってゴジラを倒しちゃうのはNGだとしても、とりあえずミサイルを撃ち込んで「なにい、ミサイルが効かないだとお」はやってほしいというかw


ハワイは
潜水艦がひっくりかえってジャングルに突き刺さっていて、ねばねばしたムートーの唾液かなんかがが付着しているところとか
電磁波パルスで停電していくのとか、ケーブルカー襲撃されるところとか、ホテルの屋上から小銃あびせるところとか
あと、白人幼女も印象に残る
見どころ結構あるな
イグアナをやけにゆっくり映していたのは、エメリッヒへのオマージュなのかなんなのか……


サンフランシスコは、空飛ぶムートー(オス)と空飛ばないけどでかいムートー(メス)の2体とゴジラが戦う。ムートー結構強い。
ゴジラ、放射火炎結構使う
サンフランシスコは、やっぱ放射火炎使ったーやったーっていうのが大きいな
あー、あと、予告編で見たときは謎だった、落下傘部隊のシーンもあった
それから、バスの運転手の度胸がやばい


最後、ムートーと相撃ちになって死んだかと思われたゴジラが、起き上がって海へと去っていく。やっぱり、ゴジラは海へと去っていかないとw
ゴジラは、地球環境のバランスを保つためにムートーを倒してくれた、人類を救ってくれたのか、みたいなところがちょっとガメラを想起させる。
もっとも、ガメラははっきり人類の味方だけど、こっちではそういうことは明言されていない。芹沢博士が言ってるのは、(人類じゃなくて)地球環境のバランスだし、救世主っていうのはテレビが疑問符付きで述べてるだけだし。


怪獣シーンにしろ、怪獣以外のシーンにしろ、絵的にかっこいい構図が結構あった


そういえば、レジェンダリーゴジラとかいう呼び方を公開前から目にしていて、なんで公開前から「伝説の」なんて形容詞がついてるんだ、と思ったら、制作会社の名前だったw
レジェンダリーってそういえば最近目にするとこだなあと思ったら、ダークナイトインセプションパシフィック・リム作ってるところだった

*1:ロケットパンチでは燃えないのです

*2:しかも解除できないって