科学

ピーター・ウォード、ジョゼフ・カーシュヴィンク『生物はなぜ誕生したのか』

酸素濃度の変化が生物進化の鍵となったと説くウォードと、スノーボールアースの提唱者であり火星パンスペルミア説を支持するカーシュヴィングの共著による、地球と生命の46億年史 ピーター・D・ウォード『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』 - logical cypher s…

井田茂『系外惑星と太陽系』

TRAPPIST-1に7つの系外惑星が発見されたというニュースもあったばかり(TRAPPIST-1関連記事まとめ - logical cypher scape)で、非常にタイムリーな1冊 長沼毅と共著の長沼毅・井田茂『地球外生命 われわれは孤独か』 - logical cypher scapeとセットで読む…

ニック・レーン『生命、エネルギー、進化』

生命の起源とはどのようなものだったか、真核生物はどのように誕生したのか(何故20億年も真核生物は生まれなかったのか)、という大きく分けて2つの問いを、エネルギー代謝という観点から説き明かしていく本。 あらゆる生物にとって共通の要素とは何か。 DN…

『日経サイエンス2017年4月号』

3月号を読みたいなあと思っているうちに4月号が出てしまった。3月号はあとでちゃんと読むとして、4月号をちらっと眺めて面白そうだった記事についてメモ 2017年4月号 | 日経サイエンス J.デュイ 神話の進化 世界各地の神話を系統分析したというもの 集合的無…

TRAPPIST-1関連記事まとめ

NASAから予告されていた発表は、TRAPPIST-1で7つの系外惑星を発見したというものだった。 というわけで、ちょっと関連記事とかをまとめてみる。 自分が過去にブクマした記事を並べているだけなので、過去の系外惑星発見ニュースの完全なリストではない 2015…

橋本毅彦『図説科学史入門』

図とトピックごとにまとめられた科学史。 天文、気象、地質、動植物、人体、生命科学、分子・原子・素粒子の7つのテーマごとに章立てされており、それぞれの章ごとにおおむね時代順にトピックが並べられている。 1つのトピックにつき、おおよそ1つの図・写真…

土屋健『ザ・パーフェクト』

むかわ町ほべつから発見された恐竜化石の発掘を追ったルポルタージュ 新種と思われる恐竜そのものももちろん興味深いが、この本ではむしろ、それを巡る人々の物語に興味が向く。それは、単純に研究者個人の物語というわけではなくて、地方自治体や博物館など…

『日経サイエンス 2017年1月号 特集:時空と量子もつれ』

表紙イラストがどうも、ワームホールがもつれてるイメージイラストっぽいんだけど、「いや、そういうことじゃなくね? あれ? あれ?」ってなるw日経サイエンス2017年1月号出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2016/11/25メディア: 雑誌この商品を…

『別冊日経サイエンス AI 人工知能の軌跡と未来』

別冊日経サイエンスは、特集に沿って、過去同誌に掲載された記事を再録しているムック本なのだが、AI特集として組まれた本書は、サールの中国語論文と対するチャーチランドによる反論論文から始まり、シャノンやミンスキーといった大御所というか既に歴史上…

ジュリオ・トノーニ/マルチェッロ・マッスィミーニ『意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論』

意識を経験科学的に測定するには一体どのようにすればよいのか、という本。 「統合情報量」という新たな物理量を提案し、これを測定することによって、意識の有無を調べることができるとする。 心・意識の科学に関する本を読むの、考えてみると結構久しぶり…

『日経サイエンス2016年12月号』

もうちょっと読んでから、感想記事まとめようと思っていたのだけど、なかなか読めなかったので、とりあえず以前twitterに投げたコメントを拾い集めておく日経サイエンス2016年12月号出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2016/10/25メディア: 雑誌こ…

森元良太・田中泉吏『生物学の哲学入門』

哲学的観点から、主に進化論・進化の総合説を主軸に生物学史を追っていくような形の教科書 普通に生物学の勉強になった。 これ、もちろん明らかに「生物学の哲学」の本だと思うし、読んでいて結構「哲学者っぽい書き方だな」と感じるところはあるんだけれど…

近藤滋『波紋と螺旋とフィボナッチ』

キリンやシマウマ、熱帯魚の皮膚模様、植物の葉のつき方など、動物の形態にかかわることを、チューリングの反応拡散波の原理など、数理的に解明していく。 もともと月刊『細胞工学』の連載コラム「こんどうしげるの生命科学の明日はどっちだ?!」の記事をもと…

『日経サイエンス2016年11月号』『Newton2016年11月号』

今月は1記事ずつちょろっと 日経サイエンス2016年11月号 恐竜時代の哺乳類 中生代の哺乳類の進化史 キノドン類の話から始まって、基盤的哺乳形類が出てきて、獣類が出てくる。 獣類というのは、真獣類と後獣類からなるグループ。真獣類は有胎盤類、後獣類は…

土屋健『古第三紀・新第三紀・第四紀の生物』

生物ミステリーPROシリーズもいよいよ最終章。 哺乳類の時代、新生代である。 古生代・中生代と比較すれば、見慣れた生き物ばかりではあるけれど、案外と哺乳類のことって知らなかったりする。 土屋健『エディアカラ紀・カンブリア紀の生物』 - logical cyph…

アレックス・メスーディ『文化進化論』

サブタイトルは「ダーウィン進化論は文化を説明できるか」 そのタイトル通り、進化論で文化を説明するという新しい学問分野について、一般向けに書かれた、分野全体を見通す本 「統合」がキーワードとして出てくる。日本語版序文では、「自然科学と社会科学…

『現代思想2016年5月号(特集:人類の起源と進化)』

山極・諏訪対談と、赤澤・西秋対談が一番面白かった。現代思想 2016年5月号 特集=人類の起源と進化 -プレ・ヒューマンへの想像力-作者: 養老孟司,山極寿一,赤澤威,長沼毅,大澤真幸,吉川浩満,諏訪元,西秋良宏,篠田謙一,三中信宏,磯崎新出版社/メーカー: 青土…

下村政嗣・高分子学会バイオミメティクス研究会編著『トコトンやさしいバイオミメティクスの本』

生物の仕組みを分析し、それをもとに工学へと応用する研究分野「バイオミメティクス」について、そのもとに行われている様々な研究トピックをカタログ的に紹介している本。 バイオミメティクスという言葉自体は前から知っていたが、今年の頭あたりに国際標準…

「恐竜博2016」&「生き物に学びくらしに活かす」

どちらも上野の科学博物館でやっている企画展 生き物に学びくらしに活かす バイオミメティクスについての企画展 日本館でやっていて30分くらいで回れる程のサイズ チョウやタマムシの構造色とか トンボとかの翅と同じ構造を使った透明フィルムとかは、反射が…

海猫沢めろん『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』

科学者7人へのインタビュー集。もとはcakesで連載していたのをまとめたもの。 人選もよいし、筆者(インタビュアー)側がどういう疑問をもって何故その人のところにいったのか、その人の話を聞いてどのように思ったかなどが書かれており、どうしてこの7人に…

『別冊日経サイエンス アートする科学』

過去、日経サイエンスに掲載された記事の中で、「アート」に関わる記事を再録した別冊 別冊が、過去の日経サイエンス掲載記事の再録で構成されているのは知ってたけど、初出が70年代80年代の記事も入ってて、そんなところからも引っ張ってくるのかとちょっと…

『Newton2016年6月号』

読んだ奴メモ 相対性理論と,そこから生まれた現代物理学 相対性理論特集何度目だって話だけど、応用の話が載ってたのが面白かった 例えば 放射光について 磁石が何故鉄にくっつくのかとスピンについて ブラックホールのジェットの根元に迫る! 見かけの速さ…

『Newton2016年4月号・5月号』『日経サイエンス2016年5月号』

『Newton2016年4月号』 「第9惑星の存在を予測」 第9惑星の話はこれまでにも沢山あったけど、今までで一番ありそうな話ではあるらしい。 もし本当にあったら、軌道移動のこととか説明しなきゃいけないことも増えそうだけど 「重力波の観測に初成功!」 わり…

海部宣男、星元紀、丸山茂徳編著『宇宙生命論』

アストロバイオロジーの教科書的1冊 執筆者として、各分野の代表的研究者が20名以上揃えられている。 第1章・第2章が生物学、第3章・第4章が天文学、第5章は人類学や知的文明探査についてとなっている。 全部内容まとめようと思ったら、ちょっと長すぎるの…

第20回自然科学研究機構シンポジウム

ニコ生で配信されていたので前半だけ見ていた。 テーマ:「生命の起源と進化」 地球から系外水惑星へ シンポジウム詳細 資料(pdf)第20回自然科学研究機構シンポジウム「生命の起源と進化」 ニコ生視聴記録 - Togetter 関連記事 第15回自然科学研究機構シン…

『Newton2016年3月号』

LHCで新たな粒子発見か? 2015年4月に運転再開したLHCで、新たな粒子が発見されたかもしれない。まだ、新粒子だと確証はないが、他の装置でもその可能性が示されている。もし新粒子だとしたら、(1)ヒッグス粒子の新種、(2)複合粒子、そして(3)重力子…

David Fastovsky、David Weishampel『恐竜学入門』

本としては判型も大きく表紙もシンプルなので、専門書かなとちょっと手を出しにくく感じるかもしれないが、内容としてはまさに「入門」で、読みやすい筆致で基礎的なところを広範に解説してくれている。恐竜に関わることなら大半のことを網羅しているのでは…

『日経サイエンス2016年2月号』

読んだ奴だけ ツイートでわかる所得区分 自分の所得について直接話すということは普通ないけど、普段話している話題から、その人の所得が分かるのではないかという研究 話題をクラスタリングしてみたら、高所得者層がよく話している話題と、低所得者層がよく…

『現代思想 2015年12月号』(特集:人工知能)

東ロボくんから見えてきた、社会と人類の未来 / 新井紀子+小島寛之 東ロボくんの話が半分と、AIの発展による社会(労働)への影響の話が半分くらい 東ロボくんプロジェクトを始めた動機として、始めた時はまだ今のようなAIブーム到来前だったので、一つに…

『Newton2016年1月号』(特集:高次元)

「特集 高次元」、途中までは知っていることだったけど、後半は知らないことだったし、簡単な言葉で書かれていて分かりやすかった。 あと、はやぶさ2の地球スウィングバイの記事があってタイムリー あと、兵馬俑の話もあった。 特集 高次元 3次元より大きい…