アストロバイオロジー・生命進化・惑星科学

吉川浩満『理不尽な進化』

進化論についての言説史的な(?)エッセー(?)。どういう本なのか一言で説明するのはちょっと難しいが、「何故非専門家は進化論について誤解するのか」「何故グールドは混乱した議論を展開したのか」という問いをたて、非専門家やグールドがアホだからと…

ピーター・D・ウォード『恐竜はなぜ鳥に進化したのか』

地球史における酸素濃度の変化という観点から、5億4000万年の動物の歴史を辿る本。 既に多くのレビューで指摘されているが、この本は「恐竜がなぜ鳥に進化したのか」についての本ではない。むしろ、サブタイトルにある「絶滅も進化も酸素濃度が決めた」とい…

Origins: Earth & Life

Jack Szostak RNAと細胞膜がそれぞれどう生まれたかということについて 実験室で、細胞膜の成長・分裂を物理・化学的なものだけで実現 RNAの化学的複製も、問題が解決しつつあるが、エネルギー源が謎 Dimitar Sasselov 系外惑星について スーパーアースって…

『Newton8月号』

メタン菌は,火星環境でも生息できる!? 火星の土壌を使ってメタン菌を生息させる実験。火星の環境でもメタン菌は生きていける。というか、酸素なくて二酸化炭素主体だからメタン菌にすれば理想的? ただし、火星でメタンは確認されていない。 全長40mの史…

宮田隆『分子からみた生物進化』

分子進化学の入門 もともと『分子進化学への招待』というタイトルで出ていた本の改訂版 分子進化学とはその名の通り、DNA、RNA、タンパク質といった分子を用いた進化学 この分野では、木村資生の中立説があまりにも有名 この分野の本をほとんど読んでなかっ…

『ビジュアルでわかる地球46億年史 地球創生から生命の進化、文明の誕生、そして現代まで』

洋泉社のムック本 地球誕生から人類誕生までのPart1と人類史のPart2で構成されている。 Part1を担当しているライターが土屋健だったこと、いくつかコラムが挿入されているのだけどその中に小林快次担当のものや『化石の分子生物学』の筆者が担当しているも…

田近英一『凍った地球 スノーボールアースと生命進化の物語』

スノーボールアースの本2冊目 当初は、とりあえずなんか1冊読んでおけばいいかと思ったのだが、川上紳一『全地球凍結』 - logical cypher scapeがわりとわからないところが多かったので2冊目読むことにした。 スノーボールアース仮説が注目を浴びるように…

川上紳一『全地球凍結』

地球科学の本を何か読みたいなーと思って、以前読んだ丸山茂徳・磯崎行雄『生命と地球の歴史』 - logical cypher scape2には、スノーボールアースの話が書いていなかったので、じゃあスノーボールアースの本でも読むかと思って手に取ってみた。 とはいえ、こ…

長沼毅・井田茂『地球外生命 われわれは孤独か』

生物学者長沼毅と惑星物理学者井田茂による共著で、アストロバイオロジー入門的な本。知的生命体の可能性についても触れられている。おおむね、前半を長沼、後半を井田が担当していると思われるが、部分的には必ずしもそうなってないところもある。 地球外生…

松井孝典『生命はどこから来たのか? アストロバイオロジー入門』とアストロバイオロジー系の本の紹介

タイトルにあるとおり、アストロバイオロジーについての入門書。 これまでも、アストロバイオロジー関連の本はいくつか読んで来ているのだけど、アストロバイオロジーの名前を冠して全体を概観する本を読むのは初めてだった*1。 というわけで、この本のまと…

丸山茂徳・磯崎行雄『生命と地球の歴史』

地球内部の活動を主軸に、地球と生命の関わりの歴史について書いた本。98年に出た本なので多少古めかもしれない。ジャンルとしては地質学ということになるが、地球全体のことを考えるとなると学際的な感じがするというか、こういうのが今のアストロバイオ…

第15回自然科学研究機構シンポジウム アストロバイオロジー

ustで配信されていたのを途中まで見ていた 第15回自然科学研究機構シンポジウム アストロバイオロジー ust実況 - Togetter

高井研『生命はなぜ生まれたのか――地球生物の起源の謎に迫る』

この前、しんかい6500のニコ生を見て高井さんが面白かったので、読んでみたw (前から読もうと思っていた本ではあったけど) そこかしこにネタを挟んでくる軽い文体で進むのだが、内容はかなり濃い 非常に面白い本だった 生命の起源についての自説を紹…

【世界初へ挑戦】深海5,00​0メートルへの有人科学探査を​生中継〜JAMSTEC×ニコ​生

【生中継】深海5000メートルへの挑戦 ~世界最深の深海熱水域に挑む「しんかい6500」の科学探査の現場を公開生中継~ 昨日見てました。 何か今でもタイムシフト視聴できるっぽいですね。 夜の8時半から朝の8時までという長丁場の放送だったので、まあちょ…

『ニュートン7月号』『日経サイエンス7月号』

ニュートン7月号 国立天文台が、円偏光を観測したというニュース記事 円偏光は、生物の材料である左手型アミノ酸への偏りを生じさせるもの それから、惑星科学者生駒大洋へのインタビュー 木星の形成メカニズムやスーパーアースの組成の分析をしている。木星…

井田茂『系外惑星』

本書によれば、系外惑星が最初に発見されたのは1995年。それ以降現在に至るまで、多くの系外惑星が次々と発見され続けている。あとでもう一度触れるが、観測技術の発展と、一度発見されたことによってどのように探せば見つかるかということが分かったこ…

福江翼『生命は、宇宙のどこで生まれたのか』

先日、NASAが系外惑星候補を1200個以上も見つけたニュースがあった。 しかもその中には、ハビタブルゾーン(液体の水が存在する範囲)にあると見られる地球サイズの天体も5つ含まれているとか。 NASA Finds Earth-size Planet Candidates in the Habitable …

長沼毅・藤崎慎吾『辺境生物探訪記』

NASAが砒素でDNAな感じのニュースがあったときに、Twitter上でどなたかが薦めていた本。 生物学者の長沼毅とSF作家・サイエンスライター藤崎慎吾の対談。 対談といっても、その場所がユニークで各章ごとに色んな「極限環境」を訪れている(予算の都合で全て…

三中信宏『進化思考の世界』

三中さんの○○思考の世界シリーズ第三弾。 第一弾→三中信宏『系統樹思考の世界』 - logical cypher scape 第二弾→三中信宏『分類思考の世界』 - logical cypher scape 今回も、進化論の話であるけれど、いわゆる普通の進化論の話ではなく、系統樹を巡ってその…

エリオット・ソーバー『進化論の射程』

三中さんの本で紹介されていた本で、ようやく読めた*1。 日本語サブタイトルは「生物学の哲学入門」、原著タイトルはそのものずばり“Philosophy of Biology”である。 では、生物学の哲学とは何か。まあ、何かと問われてはっきりとした答えが出せるものでもな…

三中信宏『分類思考の世界』

生物学哲学の大問題である「種」を巡って、その博覧強記をもって様々なエピソードから描き出した一冊。 というわけで、これは紛うことなき科学哲学の本であり、実際著者も何度も形而上学という言葉を使っているのだけど、哲学という言葉を聞いてこういったも…

内井惣七『ダーウィンの思想』

ダーウィンが如何にして進化論を考えるに至ったのか、ということがまとめられている。 進化論そのものの解説としてもコンパクトにまとまっているけれど、それが実際にダーウィンがどのように考えていったのかがわかる。 まずはビーグル号の話と、地質学者ラ…

5月後半に読んだ本・雑誌

現代思想ダーウィン 「鳥のさえずり行動と四つの質問」岡ノ谷一夫他 「ArtHistoryとNaturalHistory」田中純 思ったほど面白くなかった 「「エボデボ革命」はどの程度革命的なのか」戸田山和久 勉強になった。発生から見る遺伝子。(環境とかによって変わる非…

今日立ち読みした雑誌

立ち読みしつつtwitterしてたのを抜粋。 今月の日経サイエンス。茂木インタビューの相手は、三中信宏。新書に載ってた顔写真と顔が違うw(多分髭) 系統樹コレクションの話、「種」概念の話、ダーウィンの話をしてる 種の話は、分類学はもっと認知心理学とか…

内井惣七『進化論と倫理』

上とあわせて、今日は進化論漬け。 それにしても、ダーウィンはすごいなあと思う。 20世紀の天才はアインシュタインだとして、19世紀の天才は間違いなくダーウィン。 進化論は、ダーウィン以後様々に改訂されてきたし、そもそもダーウィンは分子生物学は…

河田雅圭『はじめての進化論』

タイトルに違わず、初心者のための進化論入門といってうってつきの一冊。 具体例と適度な単純化(?)と平易な語り口で非常に分かりやすく、また誤解されそうなところへの注意が行き届いている感じがした。 今までいくつか進化についての入門書的なものは読…

内田亮子『生命をつなぐ進化のふしぎ』

サブタイトルに、生物人類学への招待 書評 「生命をつなぐ進化のふしぎ」 - shorebird 進化心理学中心の書評などで紹介されいてたのを見て、読んでみた。 内容に関しては、そちらでしっかりとまとめられているので参考までに。 平易な語り口ながら、最新の専…

木村資生『生物進化を考える』

中立説を提唱した、木村資生による、進化論の入門書。88年に書かれた本なので、データ的には古いのかもしれない(例えば、このことは今後の研究を待ちたいという記述が何カ所かある。これは今ではもう立証されていたりするのだろうか)。 進化論とか遺伝と…

『ドーキンスvsグールド』キム・ステルレニー

薄いのだけれど、とても密度の濃い、科学啓蒙書。 これまた作者は哲学者。 『自由は進化する』について書いたときも書いたけれど*1、現在の哲学者の仕事というのは、何らかの思索というよりは、様々な科学の学説の整理という面が強くなってきているように思…

三中信宏『系統樹思考の世界』

久しぶりに新書を買って読んだ気がする。 06年の本で、既にある程度話題の本になっていたっぽいが、なかなかいいタイミングで読むことができたなあと思った。 著者は、進化生物学を専門にしている*1ので、この本はまずは進化論の本といえる。 だが、いわゆ…