洋泉社のムック本
地球誕生から人類誕生までのPart1と人類史のPart2で構成されている。
Part1を担当しているライターが土屋健だったこと、いくつかコラムが挿入されているのだけどその中に小林快次担当のものや『化石の分子生物学』の筆者が担当しているものがあったことなどがあったので、手に取ってみた
基本的には、復習って感じ
個々の項目に関して言えば、やはり分量不足で物足りなさを感じるが、一気にばーっと見渡せていけるのはよい。
地球史の方は、地球誕生・生命誕生・恐竜時代・人類誕生あたりはある程度知っているけれど、古生代や新生代のあたりはあんまり知らないので勉強になる
Part1 生命の進化でたどる地球史
プロローグ 地球誕生前夜
エピソード1 地球創世記
- 太陽系の誕生
- 地球と月の誕生
- 海洋と大陸の誕生
エピソード2 原始生命と全球凍結
- 生命の誕生
- 大酸化事件の勃発
- 全球凍結と最初の動物
- コラム 深海に今も生息する地球最古の生態系 渋谷岳造
エピソード3 カンブリア爆発と生物の多様化
エピソード4 海から陸へ 脊椎動物の大躍進
- 大魚類時代のはじまり
- 陸上への進出
- 大森林の形成
- 史上最大の大量絶滅事件
エピソード5 恐竜時代の到来
- 三つ巴の覇権争い
- コラム 地層に残された「時代の証人」アンモナイトの謎 栗原憲一
- 恐竜の台頭と繁栄
- 爬虫類の大躍進
- 鳥類の登場
- 恐竜の絶滅
- コラム 恐竜研究。最前線 小林快次
エピソード5 哺乳類の台頭
エピソード7 人類の時代へ
- 人類の誕生
- 人類の「出アフリカ」
コラム 古代DNA研究最前線 更科功
Part2 革命とネットワークの人類史
エピソード8 文明の萌芽
- 農業革命・都市革命
- 四大文明の誕生
- 人類の基軸時代
エピソード9 古代帝国の時代
エピソード10 ラクダと馬が歴史をつくる
エピソード11 大航海時代の幕開け
- 地中海諸都市の勃興
- 海で結びつく5大陸
- 新大陸の征服
- 商業革命と奴隷貿易
エピソード12 拡大するヨーロッパ
エピソード13 二つの世界大戦
コラム 帝国興亡4000年史 佐藤優
エピソード14 戦後、そして現代へエピローグ 人類5000年の繁栄と憂い
- コラム 地球と生命の未来 長沼毅
- エピソード3
エディアカラの生物群は、左右対称じゃない奴とか三回転対称の奴とか、現生の生物にはいない構造の生物がいたとか
カンブリア爆発以降、まず繁栄したのは節足動物。魚類は誕生していたけど、最初の頃は弱かった。節足動物は「殻」があったから強かった。2mをこえるウミサソリとか。
- エピソード4
甲冑魚の誕生や、顎の獲得で、魚類ひいては脊椎動物が主役に
昆虫が巨大化したのは鳥がまだいなかったから
- エピソード5
小林快次コラム
ホットな恐竜研究は、系統樹を使った恐竜の復元。例えば、気囊は鳥にもワニにもいる。だから、そのあいだの恐竜も持っていたはずとか
最新研究手法として「CTスキャン」「安定同位体」「組織学」。CTスキャン→ティラノサウルスの嗅覚の研究、安定同位体→渡りや体温の研究、組織学→年齢の研究
フィールド調査→アラスカ推し
- エピソード6
中生代で滅んだ哺乳類と新生代に生き延びた哺乳類の差=臼歯
暁新世の第一次適応拡散と始新世の第二次適応拡散。第一次適応拡散と第二次適応拡散で哺乳類のグループが結構入れかわってる。食肉類、霊長類、食虫類は第一次適応拡散の時に生まれてる。
5000万年前くらいにアジアでメガリス崩落してるらしい
ヒマラヤ山脈ができたときに、大規模な岩石の崩落がおきて、二酸化炭素が取り込まれて、寒冷化した、とか。
- エピソード7
更科功コラム
出アフリカしたホモ・サピエンスの一部は、ヨーロッパでネアンデルタール人と交配していたらしくて、今のアジア人・ヨーロッパ人にはネアンデルタール人のDNAが混ざってるらしい(アフリカ人には混ざってない)
- エピソード9
竹田いさみコラム
海賊ドレークとエリザベス女王。東インド会社も海賊が提案したもの
- エピソード10
イスラム商人推し
モンゴル帝国の背景にイスラム商人ネットワークがあり、さらにヨーロッパのハンザ同盟とかでヨーロッパ都市が成長したのは、モンゴルのネットワークと繋がったから
- エピローグ
長沼毅コラム
人類文明が絶滅するかもしれない未来の危機について
「太陽フレア」「バーナード星の接近」「氷期」「海の消滅」「ハイパーノヴァ」「地球外知的生命体」
バーナード星の接近は、長沼毅・井田茂『地球外生命 われわれは孤独か』 - logical cypher scapeでも載ってたけど、そっちでは他の恒星系に探査機を送り込めるチャンスみたいな感じで紹介されてたけど、こっちでは彗星接近の可能性が上がるやばいイベントとして紹介されてる
フレアと氷期は、人類史の中で既に何回か経験してるけど、近代文明以降は遭遇していないのでそれを乗り切れるかどうか問題
海は10億年後に消滅するらしい
宇宙人の襲来も警戒すべきだとかも書いていて、長沼さんやっぱり面白い。
- 作者: 洋泉社編集部編
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2014/04/11
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