真鍋真監修『新版 恐竜の世界(学研の図鑑)』

フルカラー、DVD付きで、内容的にも充実していて、1000円しないという非常にお買い得な一冊
最新の内容まで盛り込みつつ、個人的によかったところは、系統図が要所要所に掲載されていたところ。骨格標本の写真も多め
テーマごとに章分けされていて読み物として読んでいける本だが、図鑑として読めるページも用意されている。図鑑部分は、学名の意味が書いてあるところがよい。
下記のツイートでこの本を知ったのだが、このツイートに書かれているとおり、「この標本は○○だと思われていたが、実は違っていた」とかそういった注釈があちこちにある。


DVDはまだ最初の10分か20分か見ただけ

プロローグ 恐竜超入門
第1章 最古の恐竜たち
特別コラム1 恐竜学の歴史
第2章 恐竜巨大化の謎
特別コラム2 琥珀の中の恐竜
第3章 鳥類は恐竜だった!
特別コラム3 空の支配者たち
第4章 ティラノサウルス大研究!
特別コラム4 海の支配者たち
第5章 恐竜の進化と絶滅
特別コラム5 恐竜絶滅の謎
博物館紹介
参考文献
属名索引

新版 恐竜の世界 DVD付 (学研の図鑑)

新版 恐竜の世界 DVD付 (学研の図鑑)


プロローグ 恐竜超入門

オルニトスケリダ類についても結構書かれてるー
あと、分類を書くのに、目や亜目じゃなくて全部類で書くよーという話も少し書かれている。
ティラノサウルス上科をティラノサウロイデア類、ティラノサウルス科をティラノサウリダエ類って書いたりもするけど、この本では分かりやすさ重視で、前者を「ティラノサウルス類」って書くよー、とも。

第1章 最古の恐竜たち

ペルム紀の単弓類、三畳紀の偽鰐類から始まる
っていうか偽鰐類って何? 小林快次『恐竜時代1 起源から巨大化へ』 - logical cypher scape2でも土屋健『三畳紀の生物』 - logical cypher scape2でも、出てきたのはクロロタルシ類だったんだけどー
と思って、ググって、といってもWikipediaしか見てないので、結局よくは分かっていないので、クロロタルシ類の下位に偽鰐類がいるっぽい。偽鰐類は絶滅爬虫類だけど、クロロタルシ自体は、現生のワニ類も含むグループのようだ
初期の恐竜についても、図鑑としてカタログされていてよい

特別コラム1 恐竜学の歴史

第2章 恐竜巨大化の謎

章の扉イラストが、偽鰐類のファソラスクスが竜脚形類のレッセムサウルスに襲い掛かるシーンなのが、なかなかよい
バーナー曲線と植物の進化を示した分岐図が突然掲載されてたりする
タンバティタヌスの骨格標本を正面から撮った写真かっこいい

特別コラム2 琥珀の中の恐竜

琥珀に閉じ込められた羽毛恐竜化石の写真は、本書背表紙にも使われている

第3章 鳥類は恐竜だった!

羽毛恐竜研究史

特別コラム3 空の支配者たち

翼竜について

第4章 ティラノサウルス大研究!

一つの見開きの中に、バッキー、トリスタン・オットー、スタン、ブラックビューティ、トリックスとティラノサウルス骨格標本がばんばんばんと掲載されているページが圧巻

特別コラム4 海の支配者たち

魚竜、首長竜、モササウルスについて

第5章 恐竜の進化と絶滅

ここが、いわゆる図鑑的な章になっていて、恐竜の各分類群ごとに、そのグループの特徴を一見開きでまとめ、各種の図鑑が続くという構成
剣竜類、鎧竜類、堅頭竜類、角竜類、鳥脚類、竜脚形類、獣脚類の順
学名の意味が書いてあるので、ペルタが盾、ファレが頭って意味だと分かった
鎧竜類が充実している感じ
ミンミの7つの標本のうち、2番目は1989年に別種のクンバラサウルスであることがわかったとか
イカニアの全身骨格と思われていたが、首から後ろは別種だとわかった標本とか
エウオプロケファルスとされていたが、のちにスコロサウルスに再分類されることになった標本とか
ボレアロペルタも載ってる
角竜類の、鳥脚類とは違うタイプのデンタルバッテリー
獣脚類の分類も細かくて全然覚えられる気がしないけど、竜脚形類もめっちゃ細かいのな
ピノサウルスについては、水中生活説に対して消極的な説も2018年に発表されているという記載が。

特別コラム5 恐竜絶滅の謎

アルバレス親子の写真載ってるの珍しいのでは、と思った