2016-01-01から1年間の記事一覧

fu_mou『with open』

ナナシスやアップアップガールズ(仮)への楽曲提供でも知られるfu_mouの1stアルバムがリリースされた。 とにかくエモい!with openアーティスト: fu_mou出版社/メーカー: TOWER RECORDS発売日: 2016/08/03メディア: CDこの商品を含むブログ (1件) を見る M0…

大森望・日下三蔵編『年刊日本SF傑作選 アステロイド・ツリーの彼方へ』

2015年に発表されたSF短編のなから19作品+新人賞1作品 SFマガジンの隔月刊化に伴い、短編発表の機会は減るも、同人誌や企業PRあるいはtwitterなど様々な媒体での発表作品から広く集められている。 既読作品は1作のみで、去年は確かにSF短編全然読んでなか…

『ナラティヴ・メディア研究』第5号

2015年11月に行われたマンガ研究フォーラム「マンガのナラトロジー ―マンガ研究における〈物語論(ナラトロジー)〉の意義と可能性」での発表論文が収録されたもの。 森本浩一が発表を行い、野田謙介、中田健太郎、三浦知志、三輪健太朗がコメンテーターとし…

ポンピドゥー・センター傑作展

東京都美術館 ポンピドゥー・センターは実は去年行ったのだが、一部改装中で、常設展のうち20世紀前半の方は全く見れなかったのだった。 この展覧会は、すでに広く宣伝されているように「1年1作家1作品」という形式で展示がなされている。 普通の展覧会とい…

『帰ってきたヒトラー』

アドルフ・ヒトラーが現代のドイツに突如タイムスリップしてきたら、という話 コメディだと思って笑って見ていたら後半になるにつれて笑えなくなってくる、という感じで話題になっていた作品だが、そういう評判を最初から知って見ていたせいか、最初からシリ…

小川哲『ユートロニカのこちら側』

企業による個人情報収集が著しく進んだ結果、少しずつ自由の概念が変わっていった世界を舞台にした連作短編集 第3回ハヤカワSFコンテスト大賞作品 アメリカを主な舞台にしているからなのか、どこか翻訳小説のような文体で書かれている。 SFではあるのだが、…

アレックス・メスーディ『文化進化論』

サブタイトルは「ダーウィン進化論は文化を説明できるか」 そのタイトル通り、進化論で文化を説明するという新しい学問分野について、一般向けに書かれた、分野全体を見通す本 「統合」がキーワードとして出てくる。日本語版序文では、「自然科学と社会科学…

冲方丁『マルドゥック・アノニマス1』

マルドゥック・アノニマス 1 (ハヤカワ文庫JA)作者: 冲方丁,寺田克也出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/03/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見るとりあえず、読んだという記録

ジョン・ヴァーリィ『へびつかい座ホットライン』

未来の太陽系を描く「八世界」シリーズの長編作品 同シリーズの短編集は読んだので、満を持して長編を手に取った。 発表順はよく知らないが、作品世界内の時間順序でいうと、この作品がシリーズ内では一番後の時代にあたる。 短編集とは雰囲気が違う感じなの…

『現代思想2016年5月号(特集:人類の起源と進化)』

山極・諏訪対談と、赤澤・西秋対談が一番面白かった。現代思想 2016年5月号 特集=人類の起源と進化 -プレ・ヒューマンへの想像力-作者: 養老孟司,山極寿一,赤澤威,長沼毅,大澤真幸,吉川浩満,諏訪元,西秋良宏,篠田謙一,三中信宏,磯崎新出版社/メーカー: 青土…

ウィリアム・H・マクニール『戦争の世界史』(下)

下巻は、「戦争の産業化」「産業の戦争化」が中心的なになっていく。 指令原理と市場的行動様式という、2つの行動原理から、世界史の動きを見ていくマクニール史観 上巻では、1000年ころ、中国・宋において市場的行動様式がより強くなっていき、それが世界に…

ウィリアム・H・マクニール『戦争の世界史』(上)

戦争にまつわる技術や産業の観点からマクロ的に世界史の流れ(特に西欧史)を見ていく本。具体的な国名、人名、出来事名を追い掛けていくタイプの叙述ではなく、技術の発展などがどのようにその時代・地域の趨勢を変えていったかという叙述がなされる。 「戦…

オキシタケヒコ『筺底のエルピス4―廃棄未来―』

本来は3巻だったのだけどあまりにも長くなりすぎて4巻になってしまった「廃棄未来」 2冊に分かれた上に分厚い 分厚いのだけど、1冊でここまでやるのかーっていうくらい展開していく。 そして、見事に一区切りつく。 2巻から始まった門部とジ・アイとの抗争…

下村政嗣・高分子学会バイオミメティクス研究会編著『トコトンやさしいバイオミメティクスの本』

生物の仕組みを分析し、それをもとに工学へと応用する研究分野「バイオミメティクス」について、そのもとに行われている様々な研究トピックをカタログ的に紹介している本。 バイオミメティクスという言葉自体は前から知っていたが、今年の頭あたりに国際標準…

『ガルム・ウォーズ』

押井守最新作 最近、押井作品、というか映画そのものを全然見れてなかったのだけど*1、これは見れてよかった サイバーでミリタリーなファンタジー作品 押井版ナウシカという感じでもある 戦闘シーンも多く、その一方で思弁は少な目 物語はシンプルすぎるほど…

「恐竜博2016」&「生き物に学びくらしに活かす」

どちらも上野の科学博物館でやっている企画展 生き物に学びくらしに活かす バイオミメティクスについての企画展 日本館でやっていて30分くらいで回れる程のサイズ チョウやタマムシの構造色とか トンボとかの翅と同じ構造を使った透明フィルムとかは、反射が…

海猫沢めろん『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』

科学者7人へのインタビュー集。もとはcakesで連載していたのをまとめたもの。 人選もよいし、筆者(インタビュアー)側がどういう疑問をもって何故その人のところにいったのか、その人の話を聞いてどのように思ったかなどが書かれており、どうしてこの7人に…

カロル・タロン=ユゴン『美学への手引き』(上村博・訳)

古代から現代に至る美学史をコンパクトにまとめた1冊 文章も読みやすく丁寧で、西洋哲学史の中での美学の変遷を掴むのにはよいのではないのかと思う。あまり類書を読んでいないので比較はできないが。 それぞれ時代ごと、人ごとの美学の紹介なのだが、その際…

瀬川拓郎『アイヌと縄文』

瀬川卓郎『アイヌ学入門』 - logical cypher scapeに続き、同じ著者によるアイヌ入門 先ほどの本はテーマ別の構成だったが、こちらの本は時代別の構成となっている。 縄文人の末裔であるアイヌの文化の中にどのように縄文文化が残っていったのかということと…

「宇宙倫理学研究会: 宇宙倫理学の現状と展望」

JAXA Repository / AIREX: 宇宙倫理学研究会: 宇宙倫理学の現状と展望 筆者は、呉羽真、伊勢田哲治、磯部洋明、稲葉振一郎、岡本慎平、神崎宣次、清水雄也、水谷雅彦、吉沢文武、 海外の研究と国内の研究がざっとまとめられていてよかった。宇宙倫理学と一言…

『思想2016年4月号』(特集:神経系人文学――イメージ研究の挑戦)

神経美学に対して、ドイツを中心に、神経科学を取り込んだ美術史研究、文学研究等が生まれ、実験美学、経験美学として研究が進められているという動向について 一応、「神経系人文学」と銘打たれているが、他にも色々名前があって、そこらへんはまだあまり整…

「ロボット法研究会」設立記念シンポジウム

5月21日に、情報ネットワーク法学会の特別講演会として開かれたシンポジウム 場所は慶應の三田キャンパス 時間は10時〜18時だったけど、自分は13時過ぎ〜17時くらいまでいたので、そのあたりのレポ 主に、パネル1の「ドローンは日本で飛躍できるか?」につい…

『別冊日経サイエンス アートする科学』

過去、日経サイエンスに掲載された記事の中で、「アート」に関わる記事を再録した別冊 別冊が、過去の日経サイエンス掲載記事の再録で構成されているのは知ってたけど、初出が70年代80年代の記事も入ってて、そんなところからも引っ張ってくるのかとちょっと…

「小説」『文學界』2016年6月号(佐藤友哉「離昇」ほか)

佐藤友哉「離昇」 ひさびさにユヤタン ユヤタン文体みたいなのは、だいぶおとなしくなったなって感じ 話的にも、かつてのユヤタン的なものの残滓はなんとなくあるけれど、だいぶ大人になってしまったなあというか ただ、読みながら、これ最初の数ページ読ん…

古川日出男「ミライミライ」(『新潮』2016年6月号・連載第1回)

かつてソ連に占領統治されていたという架空の歴史を歩む北海道を舞台に、北海道発のヒップホップ=ニップノップを駆使するミュージシャン野狐を中心に、架空の戦後北海道を描く物語 題材に引きつけられて、久しぶりに古川日出男を読んだ。 1972年の札幌から…

第22回文学フリマ感想その2

銅のケトル社『斜陽の国のルスダン』 モンゴルと初めて戦ったキリスト教国グルジア、歴史書には淫蕩な女王、無能な女王とされているルスダンを、時代に翻弄されながらも大切なものを守ろうとした女王として描いた物語。http://www.amazon.co.jp/dp/B01DW24XF…

『Newton2016年6月号』

読んだ奴メモ 相対性理論と,そこから生まれた現代物理学 相対性理論特集何度目だって話だけど、応用の話が載ってたのが面白かった 例えば 放射光について 磁石が何故鉄にくっつくのかとスピンについて ブラックホールのジェットの根元に迫る! 見かけの速さ…

『フィルカルVol.1No.1』

「分析哲学と文化をつなぐ」雑誌として創刊されたもの 掲載論文、大体どれも面白くて、満足度高い。 フィルカル Vol. 1, No. 1 | philcul 哲学への入門 「自由論入門」(高崎 将平) 文化としての分析哲学 ●特集シリーズ 論考「分析哲学とモダニズム」(長田 怜…

『モンテ・クリスト伯爵』

モンテ・クリスト伯爵 (ジェッツコミックス)作者: 森山絵凪,アレクサンドル・デュマ出版社/メーカー: 白泉社発売日: 2015/11/27メディア: コミックこの商品を含むブログ (2件) を見るまあ、古典というものを読まずに生きてきたので、名前と何となくどういう…

文フリ以前に読んでた同人誌

伊丹空互『系譜のつながりかた: テン年代アイドルのありかたとしての佐々木優佳里』 invert vol.2 甘粕試金『CHECK! CHECK! CHECK! アイカツ!音楽試論集』 すぱんくtheはにー『あのすぱらしい愛はもう二度と』 アーカイブ騎士団『ユートピア小説集』 渡辺書…