2016-01-01から1年間の記事一覧

オキシタケヒコ『筺底のエルピス3―狩人のサーカス―』

ライトノベルの皮を被ったハードSFシリーズ第3弾 二分冊になってしまったうちの前半 1巻の時から絶望的な展開を見せる同シリーズだが、その傾向は益々加速している。というか、容赦なく死ぬ。 別に愛着あるキャラってわけじゃないんだけど、ちょ、お前ここで…

『1789 バスティーユの恋人たち』

帝劇でやっている東宝ミュージカル タイトルで分かるとおり、フランス革命を描いた物語 ロックテイストの音楽やインスト曲を用いた群舞などが迫力のある作品だった。 (ちなみに、元テニミュ、元宝塚のキャストが多い舞台でもあった)農民であるロナンは、父…

宮内悠介『アメリカ最後の実験』

グレッグ音楽院の入学試験を受験するためアメリカ西海岸を訪れた脩が、音楽と実験国家アメリカを巡る事件に巻き込まれながら、失踪した父親の謎と自分にとって音楽とは何かを探求する物語 yom yom誌上で連載された作品で、狭義のSFではないが、読んでいて受…

第22回文学フリマ東京感想

twitterに書いたもののまとめ twitter(140字)で書いてるので、ところどころ文が中途半端になってるけどそのまま(一部、書き足してる箇所もあり) 文フリの小説が、ちょっと見ないうちに製本のレベルがあがってるなー、というか文庫サイズの本増えたナなー…

5/1文学フリマ東京にて『フィクションは重なり合う』発行

3年ぶりに文学フリマに参加します! 今回は、筑波批評ではなくシノハラユウキの個人誌で *1 『フィクションは重なり合う――分析美学からアニメ評論へ――』 シノハラユウキ A5・188ページ、700円 文学フリマ開催概要 開催日 2016年5月1日(日) 開催時間 11:00…

フィクションのパラドクスについて(文フリ東京ボツネタ)

5月1日に東京流通センターで行われる文学フリマ東京にて、 シノハラユウキ『フィクションは重なり合う――分析美学からアニメ評論へ』を発行します。 詳細は→5/1文学フリマ東京にて『フィクションは重なり合う』発行 - logical cypher scape *1 『フィクション…

『フィクションは重なり合う』試し読み

目次及び冒頭部分の試し読みpdfを公開します 「フィクションは重なり合う――分離された虚構世界とは何か」(試し読みpdf) 「二次元アイドル比較」(試し読みpdf) 「グッドマン『芸術の諸言語』Languages of Art を読む」『筑波批評2013春』(試し読みpdf) …

『アートオブコミックス:哲学的アプローチ』序文(文フリ東京ボツネタ)

5月1日に東京流通センターで行われる文学フリマ東京にて、 シノハラユウキ『フィクションは重なり合う――分析美学からアニメ評論へ』を発行します。 詳細は→5/1文学フリマ東京にて『フィクションは重なり合う』発行 - logical cypher scape *1 『フィクション…

『Newton2016年4月号・5月号』『日経サイエンス2016年5月号』

『Newton2016年4月号』 「第9惑星の存在を予測」 第9惑星の話はこれまでにも沢山あったけど、今までで一番ありそうな話ではあるらしい。 もし本当にあったら、軌道移動のこととか説明しなきゃいけないことも増えそうだけど 「重力波の観測に初成功!」 わり…

海部宣男、星元紀、丸山茂徳編著『宇宙生命論』

アストロバイオロジーの教科書的1冊 執筆者として、各分野の代表的研究者が20名以上揃えられている。 第1章・第2章が生物学、第3章・第4章が天文学、第5章は人類学や知的文明探査についてとなっている。 全部内容まとめようと思ったら、ちょっと長すぎるの…

野家啓一・門脇俊介編著『現代哲学キーワード』

全10章に分かれて、キーワードごとに解説されているガイドブック。 一つのキーワードあたり、基本的に1見開き2ページで書かれているのだが、内容はその2ページにぎゅっと濃縮されている感じ。 第1章 現代哲学の座標軸(野家啓一・門脇俊介) 第2章 論理…

第20回自然科学研究機構シンポジウム

ニコ生で配信されていたので前半だけ見ていた。 テーマ:「生命の起源と進化」 地球から系外水惑星へ シンポジウム詳細 資料(pdf)第20回自然科学研究機構シンポジウム「生命の起源と進化」 ニコ生視聴記録 - Togetter 関連記事 第15回自然科学研究機構シン…

ジョン・ヴァーリィ『さようなら、ロビンソン・クルーソー(〈八世界〉全短編2)

ジョン・ヴァーリィ『汝、コンピュータの夢(〈八世界〉全短編1)』 - logical cypher scapeに続く第2巻 第1巻は、1974年から1976年までに発表された7編、第2巻は、1976年から1980年までに発表された6編を収録。 全体的には、1巻の方が好きだったかも。…

モーグルW杯モスクワ大会

たざわ湖大会 前回のたざわ湖大会についての記事 【男女モーグル】原大智、表彰台目前。 新たな流れ、ドラマのあったW杯秋田たざわ湖大会(ブラボー!!モーグル) ラフォンの初優勝とウィルソンの復帰 男子の優勝は、絶対王者ミックことミカエル・キングス…

モーグルW杯たざわ湖大会/ビッグエアW杯ボストン大会

モーグルW杯ディアバレー大会 ブラボースキーの、ディアバレー大会についての記事があがっていた。 【男女モーグル】いよいよW杯たざわ湖大会へ 地元での日本チームは表彰台確率が高い! : コラム | J SPORTS シングルについては、「超完璧なターンを披露し…

ステイシー・フレンド「事実とフィクションを想像すること」

ウォルトンやカリー、デイヴィス、ラマルク&オルセンなど、フィクションと想像とを結びつけることに対する批判 ちょっと、内容は省略。 フレンドの提案 ・想像を、定義的特徴として使うのではなく、ウォルトンが「芸術のカテゴリー」で述べた標準的特徴とし…

ジョン・パスモア『分析哲学を知るための哲学の小さな学校』

分析哲学の入門書ではあるが、タイトルや装丁からイメージされるような初心者向けの本ではなくて、3冊目以降くらいに読むのがちょうどよさそうな本。 分析哲学について全く知らなくて、一から始めたいというのであれば、 八木沢敬『分析哲学入門』 - logical…

モーグルW杯ディアバレー大会

2月4日にシングル、6日にデュアルが行われた。 女子はジャスティン・デュフォーラポイントがどちらも優勝したが、男子はマット・グラハム、アンソニー・ベナがそれぞれ優勝して、ミカエル・キングスベリーを破った。アメリカ勢の復活とはならなかったが、…

『Newton2016年3月号』

LHCで新たな粒子発見か? 2015年4月に運転再開したLHCで、新たな粒子が発見されたかもしれない。まだ、新粒子だと確証はないが、他の装置でもその可能性が示されている。もし新粒子だとしたら、(1)ヒッグス粒子の新種、(2)複合粒子、そして(3)重力子…

宮内悠介「半地下」(『文學界』2016年2月号)

すごく久しぶりに文芸誌を読んだ。 っていうか、自分のブログをざっとチェックしたら、本当に久しぶりで、2011年ぶりっぽいんですけど、まじっすか 文芸誌自体は、まあ時々目次見たり、さらっと眺めたりはしているのだけれど、誌面で小説作品を読むのは本当…

モーグルW杯カルガリー大会遠藤3位

2週連続のモーグルW杯、開催地も2週連続でカナダ そして、表彰台もやはりカナダ勢が5/6を占める圧倒的優勢だったわけだが、男子では、遠藤尚が3位に食い込んだ 遠藤は昨シーズンのカルガリー大会以来の表彰台 昨季のディアバレーでのクラッシュ*1からの復帰…

モーグルW杯ヴァルサンコム大会/ハーフパイプ・スロープスタイルW杯マンモス大会

モーグルW杯ヴァルサンコム大会 1月23日開催 1月最初のレイクプラシッド大会がキャンセルだったので、6週間ぶりのモーグルW杯 ちなみに、こちら開催直前の記事→W杯は最強ケベック軍団のホームへ 次の黄金チームは日本が担う!? : コラム | J SPORTS 男女あわ…

David Fastovsky、David Weishampel『恐竜学入門』

本としては判型も大きく表紙もシンプルなので、専門書かなとちょっと手を出しにくく感じるかもしれないが、内容としてはまさに「入門」で、読みやすい筆致で基礎的なところを広範に解説してくれている。恐竜に関わることなら大半のことを網羅しているのでは…

『日経サイエンス2016年2月号』

読んだ奴だけ ツイートでわかる所得区分 自分の所得について直接話すということは普通ないけど、普段話している話題から、その人の所得が分かるのではないかという研究 話題をクラスタリングしてみたら、高所得者層がよく話している話題と、低所得者層がよく…

大森望編『NOVA+ 屍者たちの帝国』

伊藤計劃の遺した『屍者の帝国』の設定をもとに、いわゆるシェアード・ワールドものとして編まれたアンソロジー。 ここまでこういう作品ばかりが集まってると知らなかったので、「みんな好き勝手やりすぎww」と思いながら読んでた。 まあ、元々の伊藤計劃…