アート

「現前性」について

「リアリズムとリアリティ」のつづき。 リアリティという言葉を、伊藤剛にならって、「現前性」と「もっともらしさ」に分類した。 大抵、リアリティという語が使われるときは、「もっともらしさ」についてのことが多いが、フィクションについて考察するので…

現代アートの表現するもの/表象について

現代美術についての授業をとっていて、その中で現代アートの入門書を読んでいる*1。 それで考えたことなど。 現代アートはよくわからない、というのはよく言われることである。 僕はむしろ、そのよくわからなさを面白がっていたりしているのだが、多くの人に…

コルビジェ展

わりと思いつきで、コルビジェ展に行ってきた。 六本木ヒルズの森美術館 初めての六本木ヒルズに、何というか自分は場違いだなあという感覚ばかり。 52階までの直行エレベータ。 天井の灯りの色が少しずつ変わっていく、という趣向。 上りは、東京観光して…

OpenSky2.0

ICCに行ってきた。 OpenSky2.0が目当てだったけど、初ICCなので常設展示の方も。 それほど広くないミュージアムだけど、かなり楽しめた*1。 OpenSky2.0 ネット上で公開されていた動画は見ていたけど、ムービーを見て「へぇこういうことやってるんだー」と改…

藤田嗣治−新日曜美術館

元々、あんまり見てないんだけど、久しぶりに見た、新日曜美術館。 藤田嗣治って最近よく耳にする。生誕120周年とからしいので、そのせいか。 なんか、色がきれい、というか不思議。 とにかくあの色が印象的だった。 乳白色とか言ってたけど、独特の質感があ…

視点・視線

上のエントリでは「芸術とは驚き(新奇性)を生産すること」と言われていた。 ところで、去年、感性についての授業をとっていたことがあるのだが、その授業の大雑把な自分の理解は、感性とは「気付く能力」である、ということ。何に気付くのか、新しいもの、…

システム論から見た芸術

「芸術システム」 慶應SFCが配信している、井庭崇の授業「現代と社会システム」の第10回 ルーマンの「システム論」から、芸術を「芸術システム」として捉える。 以下、ざっと要約。 芸術システムとは、芸術作品を生産し受容している過程のこと。 もう一点…

「ネットワーク社会の文化と創造─開かれたコミュニケーションのために」

ICCのリニューアルオープン記念のシンポジウム 斎藤環、宮台真司、藤幡正樹、浅田彰。 ネットで中継されていたのを見た。 ICCは一度実際に行ってみたいところだが、実際に行かなくても見れるというのは実に便利w さっきから、レビューを書いていて2回も消…

瞬間と記憶と『サン・ラザール駅裏』とベルクソンと『ダブルブリッド』

テレビ東京の『美の巨人たち』で、『サン・ラザール駅裏』という写真が取り上げられた。 その写真を撮ったのは、アンリ・カルティエ=ブレッソンという。 彼は、決定的瞬間の巨匠と呼ばれた。 しかし彼の撮る写真の、何が決定的瞬間なのか。 彼の写真に写っ…