藤田嗣治−新日曜美術館

元々、あんまり見てないんだけど、久しぶりに見た、新日曜美術館
藤田嗣治って最近よく耳にする。生誕120周年とからしいので、そのせいか。
なんか、色がきれい、というか不思議。
とにかくあの色が印象的だった。
乳白色とか言ってたけど、独特の質感がある。
あとは生涯最後の絵。
教会の壁画で、キリストが磔にされている時に周囲で見守っている人々の中に藤田本人も描かれている。その表情の厳しさもなんか気になった。
彼の晩年は、フランスの片田舎で絵を描いたりして暮らし、学校帰りの子供にお菓子をあげたりする程度で人にも会わず、だったらしい。穏やかな生活ともいえるが、寂しい晩年だった感じである。
もう70近くになって描いた絵で、地獄を描いたものがある。そんな年であれだけぐちゃぐちゃしたものが描けるのが凄い。
そういう情念のようなものを抱えた状態で、寂しい生活を送っていて、最後の自画像の表情のことを考えると、気になる、と。
<メモ>
パリ時代、日本では宣伝師と批判されたが、8000枚とか絵を書く努力家だった。
個々の技術は優れているが絵全体としての完成度は低かったが、戦争画において絵全体としても完成度が優れたものとなった。
GHQからの責任追及を恐れた戦後の画壇は、藤田に責任を1人で負ってくれるよう頼んだ(実際にはGHQに責任を問われることは無かった)。
その後、再び渡仏。日本国籍を捨てフランスへ帰化。フランス名はレオナール・フジタ