オルセー美術館展 印象派の誕生――描くことの自由――

まあ、案の定混んでた
混雑に気を取られて、あんまりちゃんと見れてない
が、とりあえずメモってきたものを記録しておく
マネから始まってマネに終わる構成
モチーフごとに並べられている

1章 マネ、新しい絵画

1860年代のマネ
あと、当時の印象派の画家たちを描いたバジールの絵
目玉は「笛を吹く少年」だったわけだが、混雑でちゃんと見れなかったせいもあるが、あまりピンとこない
説明によると、背景の何も描いてない感じはベラスケスの影響、あと平面的な感じ、らしい。
どちらかといえば「読書」の方がよかった。服の透け感とか
1864年に描かれてる静物画2つは、絵の具をべたっと置いた感じがあった。

2章 レアリスムの諸相

クールベとかミレーとかコローとか
ここらへんの絵を面白く感じるには、これ以前の絵と、描かれているモチーフやテーマがいかに変わったかを知らないとだめなんじゃないかなと思った。自分にはよくわからず。農村ばっかりだし。
ミレーの「晩鐘」は、そんな中で確かによい絵だったと思うが、やっぱり混んでいてちゃんと見れなかったし、他と比べればよいかなと思ったくらいで、そこまでピンとくるものはなかった。あと、意外と小さかった。
カイユボットの「床に鉋をかける人々」
この中では一番よかったような。多分、農村よりも、見てなんとなく分かる感じがするんだろう。
この絵がサロンに落選して、印象派に参加するきっかけになったらしい。

3章 歴史画

聖書とか神話とか歴史とかから題材をとった絵
バビロン神話からナポレオンまで*1
中東の荒れ地みたいな風景とかも描いてるんだけど、ああいうのって当時の画家は取材にいったんだろうか、想像で描いてたんだろうか
わりとどうでもいい話として、画家のサインが、右下とかじゃなくて、絵に描かれている石だか岩だかに書いてるのがあった


4章 裸体

ここのセクションの一番最初にあったのが、セザンヌ「牧歌」だった
歴史画を見た後に、ぽんっとセザンヌがくると、「おおっ」とならないこともない。
モロー「イアソン」
ギリシア神話の英雄イアソンとメディアを描いた絵で、エロティックな男性の裸体。あと、まわりをハチドリみたいな鳥がやたら沢山飛んでる。あと、柱の部分に文字の書かれたものが巻き付けられていた。
クールベとかも裸婦描いてんだねー
ルフェーブル「真理」はなんか自由の女神みたいなポーズの
ブグロー「ダンテとウェルギリウス
すげーw 筋肉質の肉体がおもいきりねじれた構図、膝蹴りが腰に入っている。片手で腹をひっかくようにえぐっているところとかもすごい。それを、ダンテとか悪魔とかが後ろから眺めている、という変な(?)絵
カバネルの「ウィーナスの誕生」は、サロンが絶賛したという絵。エロいと絶賛されるんかな、というかなんというか

5章 印象派の風景 田園にて/水辺にて

セザンヌの1870年代の絵
セザンヌっていうと、1880年代の静物画とかサント・ヴィクトワールとかのイメージが強くて、線状の筆触で描いている作品に馴れないw
ピサロルノワールの田園風景の絵が並んでいると、筆触分割っぽいピサロとぼやーっとした感じのルノワールの違いがよくわかる
ルノワールっていうと、あのぼやーっとした(?)感じがあるんだけど、「シャンロゼーのセーヌ川」は筆触分割で描かれていて、川と河辺の輪郭がはっきりしなくて混ざっていくような、次第に抽象化していく風景画みたいな
シスレーが結構あったんだけど、あれは全然分からないな
モネはモネだったなあw
水面のきらきら感とか
「かささぎ」は、雪っていうより雪に映る影とかそういう空気感だよなー

6章 静物

フィリップ・ルソー「シャルダンとそのモデル」
静物画の巨匠とされるシャルダンをモチーフにした作品。シャルダン肖像画が絵の真ん中にでんと配置されている。画中画。ものが沢山あって情報量多い。絵の前に透明なグラスが置かれていたり、絵の脇にパレットがあったり、背景の布の皺とか
ラファエリ「狩りの食事の準備」は、狩られた動物とか釣られた魚とかが描かれている絵だけど、構図がきれい。黒い背景の真ん中に、鹿がぶらさげられていて画面を縦にわけている、その下に白いテーブルクロスがだらんと垂れている。

7章 肖像

デュラン「手袋の婦人」
黒いドレスを着た清楚な女性の立ち姿なのだが、手袋の片方が床に落ちている。というのがなんかドラマ性を感じさせるエロスで、説明見たらサロンで人気、とあって、やっぱりサロンという奴はエロい絵が好きなんだな、とw
ジール「家族の集い」
画家の家族の集合写真で、10人くらいいたなかで、父親と真ん中後方に立っている夫婦以外はみんなカメラ目線だった。肖像画はわりとカメラ目線かもしれないけど、中庭みたいなとこに思い思いの位置に座ったり立ったりしている人たちがみんなカメラ目線なのはなかなか。逆に、カメラ目線じゃない人がなんでカメラ目線じゃないか気になる
ホイッスラー「灰色と黒のアレンジメント第1番」は、死期の母親を描いた作品だけど、黒いワンピースを着てイスに腰掛けた女性を真横から描いてて、後ろの壁には絵が掛けられていて、とてもモノクロームな感じで、なかなか
モネの「死の床のカミーユ
これ最初、絵の近くから見ていたせいでよく分からなかったんだけど、やはりこれもモネの絵で、距離をとって見ると見えてくる絵だった。何ともいえない表情をしている
あとは、セザンヌの自画像とか

8章 近代生活

ドガの「バレエの舞台稽古」は、舞台の照明っぽい感じがあったような。ダンサーの描き込みの細かさとステージの描き込みの粗さ(?)というかなんというか。わりと好き。あと、ドガは走ってる馬を描いてる絵もあった。
モネが3作品ほどあって、一番よかったのは「アパルトマンの一隅」だった。画面の左右が、カラフルなカーテンと観葉植物で囲われていて、真ん中が薄暗い部屋になっていてその真ん中の少年がぼおっと立っているという絵
「サン=ラザール駅」は思ったより小さかった。背景がピンクっぽくて、汽車の煙が青っぽい。
ファンタン=ラトゥールの「テーブルの片隅」は、ウェルレーヌやランボーなど当時の詩人たちを描いたもの、こちらはカメラ目線いないし、そもそも視線がばらばらだった

9章 円熟期のマネ

マネは、印象派の人たちと交流はずっとあったけど、サロン展に出すのが目標で印象派展には出展しなかったらしい
丸いカンバスの絵とかあった
白い「アスパラガス」
ロシュフォールの逃亡」は、手前の方の波頭がよかった。水平線がだいぶ上の方に描かれていて、画面がほとんど海
「婦人と団扇」は日本の団扇が背景にある奴。筆のタッチがべったべたと


このあと、チューリヒ美術館展――印象派からシュルレアリスムまで - logical cypher scapeにも行った