『精神と物質』

物理学者シュレディンガーが考える、科学と宗教の関係
シュレディンガーというと量子力学のあの猫しか知らないので、物理学の話がメインの本だと思ったら全然違った
進化論の話から始まるのだが、解説によるともともとシュレディンガーは大学に入る頃は生物学や進化論のほうに興味があったらしい
さらに、科学についてが述べられ、次第に観測について話が進むのは、やはり量子力学シュレディンガーだからだろうか
世界と、世界を成り立たしめるものとしての観測者――精神について話が進む
シュレディンガーは、ショーペンハウアやインド哲学にも興味を持っていたらしく、精神の話をするあたりはおそらくその影響が出ているのだろう。精神の統一性とかそんな話は面白かったが、よく分からない感じもした
精神が単一というのは、瀬名が『デカルトの密室』で問題にしていたことと同じことなのかな
最後には、感覚の話となる。精神を脳や神経系などの物質面から説明することはできても、感覚については説明することが出来ないのではないか、という問題提起で、おそらくクオリアについて考えていたのだと思う。

精神と物質―意識と科学的世界像をめぐる考察

精神と物質―意識と科学的世界像をめぐる考察