話題の天王星探査について。
— やまごん🛰 (@sado_kouta) 2022年4月20日
まずこの天王星探査は、全米アカデミーズ(NASEM)が「NASAが今後10年で大規模ミッションとして取り組むべきである」と報告書に記したもの。
10年前の報告書では「火星サンプルリターンを優先して取り組むべき」と書かれ、現在NASAが実施中であるので、割と重要な見解で→ https://t.co/rUbq39j06g
このツイートツリーで紹介されている報告書
nap.nationalacademies.org
全米アカデミーズが出した報告書で、サブタイトルは「惑星科学とアストロバイオロジーのための10ヵ年戦略2023-2032」
全部で760ページもあるものなので、読んではないし、今後詳しく読む気もないが、目次等をちょっとだけ拾ってみた。
目次
サマリー
1 惑星科学、アストロバイオロジーと惑星防衛のイントロダクション
2 太陽系ツアー
3 優先すべき科学の問い(Priority Science Question)
4~15 Question1~Question12
16 State of The Profession
17 Research and Analysis
18 惑星防衛
20 インフラ
21 テクノロジー
22 リコメンテッドプログラム2023-2032
23 未来
付録A~G
サマリー
全体のサマリーが冒頭についているが、そこにまず、12の優先すべき問いというのが、表1としてまとめられている。
それらの問いは3つ+1つに分類されていて、本報告書のタイトルにもなっている
A)起源Origin
- Q1 原始惑星系円盤の進化
- Q2 外太陽系の成長
- Q3 地球と内太陽系天体の起源
B)諸世界と過程Worlds and Processes
- Q4 衝突とダイナミクス
- Q5 固体天体の内部と表現
- Q6 固体天体の大気圏、熱圏、磁気圏、気候進化
- Q7 巨大惑星の構造と進化
- Q8 周惑星系(衛星やリング)
C)生命とハビタビリティLife and Habitability
- Q9 地球生命からの見識
- Q10 動的なハビタビリティ
- Q11 生命探査
AからCの横断
- Q12 系外惑星
ミッションについて、ラージ、ミディアム、スモールの3つのサイズに分けていて、
それぞれフラッグシップ、ニューフロンティア計画、ディスカバリー計画
で、新たなフラッグシップミッションとして、この報告書が優先度が高いとしたのが
(1)天王星の周回機と探査機
(2)エンケラドゥスの周回着陸機
ニューフロンティア計画については、ニューフロンティア6(NF-6)として8つのミッションを推薦している
・ケンタウロス族小惑星への周回機・着陸機
・セレスのサンプルリターン
・彗星表面サンプルリターン
・エンケラドゥスマルチプルフライバイ
・月地質ネットワークLunar Geophysical Network
・土星探査機
・タイタン周回機
・金星探査Venus In Situ Explorer
また、ニューフロンティア7(NF-7)として
・トリトンの海の探査機
1 惑星科学、アストロバイオロジーと惑星防衛のイントロダクション
この章にもいろいろ書いているのだが、10年前の報告書で推薦したミッションについて表にまとめられている
火星アストロバイオロジー探査 | 優先度1位・ラージ | パーサヴィアランスとして実装 | サンプル収集中 |
木星のエウロパ周回機 | 優先度2位・ラージ | エウロパクリッパーとして実装 | 2024年打ち上げに向け建設中 |
天王星周回機・探査機 | 優先度3位・ラージ | 天王星海王星周回機を調べるチームを発足 | |
エンケラドゥス周回機 | 優先度4位・ラージ | 未実装 | |
金星気候周回機 | 優先度4位・ラージ | 未実装 | |
ニューフロンティア計画 | 10年ごとに少なくとも2つ採択・ミディアム | NF-4ドラゴンフライが2019年に採択 | ドランゴンフライが2027年打ち上げ。NF-5は2024年発表、2030年代打ち上げ |
ディスカバリー計画 | 10年ごとに少なくとも5つ採択・スモール | ルーシーとサイキが2017年に、DAVINCIとVERITASが2021年に採択 | ルーシーは2021年打ち上げ、サイキは2022年打ち上げ、DAVINCIとVERITASは2020年代後半打ち上げにむけ開発中 |
2 太陽系ツアー
水星、月、金星、地球、火星、小天体、巨大惑星、海のある衛星や準惑星と章分けがされていて、これまでの研究成果がまとめられている