グレアム・プリースト『論理学』

岩波の「1冊でわかる」シリーズの奴。再読。一冊丸々じゃなくて、8割くらいの再読。
前半演繹、後半帰納
神の存在証明の話とかちょくちょく出てくる

1 妥当性
2 真理関数
3 名前と量化表現
4 記述と存在
5 自己言及
6 必然性と可能性
7 条件文
8 未来と過去
9 同一性と変化
10 曖昧さ
11 確率
12 逆確率
13 意志決定理論
14 小史と読書案内


名前と量化表現の違い
(名前は指示対象があるけど、量化表現にはない)
あらゆるものには原因が何か存在することから神の存在を引き出そうとする論証は、この違いにひっかかってる


神の存在論的証明と特徴付け原理の話とかも載ってる
特徴付け原理を単純に使うと、何でも存在することになってしまう
これに対する反論というか応答の話の進め方は、八木沢敬『神から可能世界へ 分析哲学入門上級編』 - logical cypher scapeで紹介されていたサルモンの奴とたぶん同じな気がする。そういう性質をもった対象が、存在するのであれば、その対象は存在する。
ところで、この章の最後で「存在しないものについての真理が存在するのである」とか書いてて、プリーストっぽい


条件文
条件文が真になるのは、状況(ここでは可能世界を使って説明していた)と結びつけて考えないといけないとか
グライスの、会話の含意が入ってくることも考えないといけないとか


ベイズの定理についても載ってた
デザイン論証は、神が存在するという仮説の事前確率が高くないと、成り立たないとか
無差別の原理にかかわるパラドクスとか


パスカルの賭けに対して、キリスト教の神以外にも色々な神がいるかもしれない可能性もあわせて期待値計算してみると実は、とか
あと、地獄を抜けるかどうか(コイン投げして表が出たら地獄を出れる。しかし、表の出やすさは悪魔がコントロールしている。今日より明日、明日より明後日の方が表の出る確率が高くなっていく。今日コイン投げやるより明日コイン投げした方が、期待値は高くなる。でも、そういう判断を毎日していると永遠に地獄から出られないパラドクス)

論理学 (〈一冊でわかる〉シリーズ)

論理学 (〈一冊でわかる〉シリーズ)