実はサイバーパンク小説はあまり読んだことがないのだけれど、わりとすらすら読める、というかイメージがわきやすい
懐かしいというと語弊があるが、古いとは思うけれど馴染みのあるイメージのような気がする。これより古いSFになると、イメージしにくいということは必ずしもないけれど、やはり昔のものだなあという感じを受ける。
あと、SFアイデア勝負じゃないところが、ガジェットが古くなってしまったとしても、読んでいて心惹かれる点なのかもしれない。それでいて、SF的要素が背景に沈んでしまわない。
記憶屋ジョニイ
これをちょうど1年前にSFマガジンで読んだ。
それがきっかけで(というのには間が空きすぎだけど)、この本を手に取ることになった。
『SFマガジン2010年1月号』 - logical cypher scape
イルカとかルビとか
ガーンズバック連続体
建築カメラマンの主人公が、ありえたかもしれない未来というテーマの仕事を依頼されて、カリフォルニアとかで写真をとっているうちに
そのありえたかもしれない未来に迷い込んで、架空の飛行機とかを見てしまう話。
ホログラム薔薇のかけら
ふさわしい連中
これは、サイバーSFというよりは、奇想って感じ。奇想というのが何かよくわからないけどw
飲み屋で謎の女性に出会ってしまうことから話が始まる。彼女とその仲間は、何軒もはしごして、その度に姿を変えてその店に「ふさわしい」姿となる。
人間ではない何者か
辺境
地球外知性体とつながるルートが手に入るんだけれど、そこのルートを通るとオーバーテクノロジーが手に入る代わりにそれを通っていた奴は死ぬ
赤い星、冬の軌道
ソ連の宇宙ステーションの話。
この世界だとアメリカは宇宙開発を諦めている。他の作品でもソ連が出てきたりして、アメリカはちょっと陰りがでているんだけど、日本とソ連が技術力みたいな世界観がわりと多いのかなあと。
で、ソ連も宇宙ステーションを維持できなくなったので放棄することになったのだけど、長いこと宇宙ステーションで働いてる者としてはたまったものじゃない、ということで、中国に亡命して訴えるかみたいな。
最後に、逆にアメリカから宇宙にあがってきたアウトローみたいなのに乗っ取られる
ニュー・ローズ・ホテル
ハードボイルドな感じ。
ある企業の優秀な研究者を半ば無理矢理別の企業へと連れて行って、でかいヤマいただきだーと思ったら、結局その企業から命を狙われてしまってやばいって話。
冬のマーケット
これが一番好きかなあ
外骨格つけないと生きていけない女の子と出会って、その女の子が実は天才的な芸術の才能をもっていて、主人公はその子を世に送り出すのだけど、みたいな話
ドッグ・ファイト
3D戦闘機ゲームみたいなのの話
出会った女の子からもらったデバイスで強くなって勝ち上がっていく。最後に女の子を裏切る
クローム襲撃
相棒がある女の子と出会って、ヤバい仕事を始めるとか言い始めたんで、おいおいどうするよとか思ったんだけど、結局成り行きでそれをやることになっちゃうんだけど
女の子の方は女の子の方で思惑があって、最終的には逃げられちゃうんだけどね、みたいな話。
後半、「ニュー・ローズ・ホテル」から「クローム襲撃」までは、こうやってまとめてみると全部似たような話だなあw
しかし、この4編は面白かった。
ハードボイルドで叙情的な感じがあって。
- 作者: ウィリアム・ギブスン,浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1987/05/15
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