『SFマガジン11月号』

買った直後に撮った

早川の信号機
連載小説と雪風以外は大体読んだ。
雪風もいつか読む。
SFマガジンだけど全然SFじゃない。まあ集まった作家のラインナップとして、今月がたまたまということかもしれない。あと、SFかどうかを判断するのは難しいし。
SFかどうかということと、面白いかどうかということは、もちろん関係なくて、面白い小説が読めるならば、SFだろうと何だろうと構わない。


円城塔「YourHeadsOnly」
「Boy'sSurface」に引き続き、よくわからなかった。
でも、この人は間違いなく天才だと思うし、この人の作品は見事にジャンルを超越している。
SFでもあるが、SFではない。恋愛小説でもあるが、恋愛小説ではない。
数学小説? 複雑系SF?
円城塔作品はもはや円城塔作品としか言いようがない。
読んでいてその文体を味わうくらいしかできないのが悔しいなあ。
もっと内容に踏み込んで楽しみたいんだけど。
2008年には、「Boy'sSurface」「YourHeadsOnly」を収録した恋愛小説集が出るらしい。ものすごく大々的に売り出して、読者層を撹乱してほしい。


伊藤計劃「TheIndifferenceEngine」
これはまあ、SFっちゃあSFなんだろうけど、SFな部分がメインっていうわけではないと思う。
あとポリティカルであるけれど、ポリティカルな部分がメインというわけでもない。
そういう意味で、正当な『虐殺器官』からのスピンオフ。
テーマというかオチの部分も、『虐殺器官』と似ている。
ただ、短編なので、『虐殺器官』よりスケールダウンしている。


平山瑞穂「棕櫚の名を」
これまた、全くSFではない。
でも、短編としては気の利いている作品だと思う。


ニール・バレット・ジュニア「銀河ホテルマンは眠れない」(浅倉久志セレクション)
60年代の作品。
異星人がたくさん出てくるドタバタ。


宇野常寛ゼロ年代の想像力
これもやっぱり、SFとは全然関係ないよね。


SFマガジンなのにSFじゃない、ということが、SFマガジンの主要な読者にとってどう思われているのかは知らないけれど、偶々SFマガジンを手に取った僕としては、なかなかよかった。
文学とエンターテイメントとオタクとサブカルの程よい交流地点なのか、とか思ったり思わなかったり。

S-Fマガジン 2007年 11月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2007年 11月号 [雑誌]