サール『志向性』

サールの心身問題の解決方法にはすごく納得する。
一方で、志向性という概念の有効性はどれくらいあるのか。
なんだかあまりにも万能に見えて、逆に不思議だった。
前半と最終章は、志向性の説明に当てられていて、それなりに読みやすい。
後半からは、言語哲学の専門的な話題になってきて、ほとんど理解できなかった。
論争の流れが分かっていないと、難しい。
関係ないけど、サールは、スキーが好きみたいだ。具体例に何度か出てきた。


わりと、素朴な実在論を展開する。
あと、日常的な感覚、日常的な言葉の言い回しを重視する。
だから、何というか、実に当たり前のことを主張する、というか、当たり前のことを論拠にする。
言語を理論化しようとしたら、当たり前のことが説明つかなくなってしまっていくことへの批判なんだろうかた、多分それでいいんだけど。
それから、内在主義的な考え方をする。
多分、アフォーダンスみたいな考え方には反対なんだろう、と思う。


志向性―心の哲学

志向性―心の哲学