InterCommunication No.59

特集タイトルが「WebX」という、なんか結構恥ずかしいものなんだけども。


情報化によって、世界はどう変わるか
というと、あんまり変わらないんじゃないかという感じが最近していた。
勿論色々なインパクトはあるのだけど、それらはみな、先進国の近代社会を更新させる程度なのではないか、という思いがある。
つまり、第三世界への視点がほとんど含まれていない、ということ。
まあそれはそれで仕方がないところもあるし、ちょっと自分には手に負えないことだと思っているので、あまり口出しできない。
今回これを読んで、そういう視点を持っている人たちがいることを知った(というか、正確に言えば、そういう人たちの存在を知ることで、今までの情報化論に第三世界への視点が欠けていたのではないか、という疑問を持つに到った)。
チープ革命がこのまま進行していけば、あるいは、マイクロファイナンスのような仕組みが整っていくことで、第三世界の人たちもインターネットにアクセスする環境が整っていく。
今、インターネットの利用人口がどれくらいなのか分からないのだけど、仮に10億人くらいだとしておくと、第三世界にインターネットが普及すると、残りの50億人もネットへと参入してくることになる。
そうなると、今までとはちょっと比べものにならないくらいのインパクトになるかもしれない。
RMTなんかが、小遣い稼ぎ程度の規模ではなくなる。つまり、第三世界では基本的なコストが安いから、RMTとかアドセンスで十分暮らしていける稼ぎになる、ということ。


コンピュータの情報処理と生物の情報処理を比較するような記事が二つ。
その中で、ドミニク・チェンが紹介する、プロクロニズムが気になった。
履歴が形態によって表現されていること。
見ただけで、それがどのような来歴を辿って成立してきたかが分かる。
生物で言えば、樹木の年輪とか、貝殻みたいなもの。
ネットで言えば、wikipediaが議論を全てログとして残していること。


webxキーワード事典は、キーワード事典というより、かなり読み物に近い。
面白い。
面白いといえば、未来の考古学も。


未来っていうのは、もう既にやってきているんじゃないだろうか、とか思ったり。
現在進行中の未来。

ihr HertZ(イァハーツ) 2017年 01 月号

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