『無限の住人』

いやあ、なかなか面白かった
チャンバラにステータスをがっつり振ってる作品で、日本版『300』なんだと思う。『300』見てないけど。
キムタクの万次は予告見たときから、意外とありなんじゃないかなーと思ってたけど、実際ありだった。万次のぶっきらぼうでありつつチャーミングなところが出てるというか。
伊羽研水まで出てくるけど、2時間におさまんのかと思ったら、そもそも尺事態が2時間越えというボリュームだったが、設定やストーリーも結構変わっていた。
その点、脚本については無理しているところもあるし、説明をセリフに詰めすぎではみたいなところもあるのだけど、上に書いた通り、その分、チャンバラに振っているというか、そこそこ緩急はありつつも、次から次へとバシバシやってくれるので、楽しいw
原作ファンとして、思うところがないわけではないのだけれど、実写化としてはかなり満足な出来かと。


冒頭、白黒での司戸菱安戦。早速、1対多数の大バトル!
白黒で、キムタクの顔を中心に据えて画面が動いてくとこの存在感!
黒衣鯖人は、あの謎の詩みたいな奴が字幕で出てきて爆笑してた、最高!
凶は出番少なかったなー
「俺の蟲が囁くんだよ」「なんじゃこりゃ」などの、雑なパロディセリフがあるw
閃馬永空が、海老蔵だったのには賛否両論があった(というか原作ファンの間では、海老蔵は鯖人だろうという声が多くw)が、結果的にはよかったのでは。やっぱり、セリフでやり取りするシーンでちゃんと空気出せてたのは、圧倒的に永空だったかなという気がするので。
血仙殺の影響がずっと残り続けるという形にしたのも、2時間強の尺に話を組み替えるということを考えるとなかなかうまかった気がする。
槇絵!
いやー障害物多い空間や屋内戦で、あの長物のような飛び道具のような武器振り回す殺陣よかった。ほんというと、乱戦での槇絵のシーンをもうちょっと増やしてほしかった気はするけれど、しかし十分すぎるほど、槇絵はよかったのでは。
戸田恵梨香で大丈夫かと当初は言われてたけど、全然そんなことなかった。
ただな、ただ、百姐さんの出番が非常に少なくなっていて、百姐さんの出番がそれしかないのであれば、栗山千明の槇絵が見たかった感はある。ヴィジュアル的に、栗山千明を百姐さんに回したのかなというのはわかる気がするけれど。
槇絵に向かって凛が話す内容って、むしろ槇絵の心情なんだろうなあと思うと、あそこはそのまま聞くと、大したシーンじゃないんだけど、いいシーンになっていたなあと思う。
話の改変としては、心形唐流は出てくるけど、加賀じゃなくて高尾にあるってことにして、関所のエピソードをごっそり削ったというところ。
個人的に、凛の関所越えはむげにん屈指の名エピソードだとは思っているのだけれど、2時間ちょっとの映画の中でエピソードの一つとして織り込むのは難しいし、チャンバラものにならなくなってしまうので、まあ削って正解だとは思う。あと、さすがにあの凛には無理だろうなとも。
原作の後半の凛ってだいぶしっかりしているので、映画の凛を見たときに、「凛ってこんなに幼かったか?!」と思ったんだけど、見ているうちに「あーそういえば、凛はこんな奴だったな」と納得していった。
凛の黄金蟲が派手なわりに技としては微妙って感じもちゃんと出ていたw
無骸流がどうしても出番少なくなってしまって、偽一と百淋はほとんど出てきただけ、になってしまったが、尸良はいい具合に尸良でしたなw
いやもちろん、原作と比べて大幅に出番は減ってしまってはいるし、あの骨のギミックも原作読んでない人にはわからなかったのでは、とか思うし、司戸なんて雑魚を引き合いにだすなよ、とも思うんですが、尸良は尸良だった
万次のとにかくひたすら得物がたくさん出てくるってとこもちゃんとやってて
一体どこにしまってるのかわからないけど、ごそっと袖から変な刃物が出てくるのが、ちゃんとできてる
ガンアクションもので、マガジン交換するんじゃなくて銃ごと新しいのに変えちゃうっていうのが好きなんだけど、乱戦シーンでそれと同じことを刃物でやってる
万字が、2本の刀を柄のところであわせて、両刀の薙刀みたくしてぶん回しているシーンが2箇所くらいあった気がする。1つは、対槇絵戦だった。あれ、原作にはなかったと思うけど、実写でのアクションだと絵面的によかった
乱戦の際に、ひたすら握り飯食ってる吐鉤群って、原作にああいうシーンがあったかどうかは覚えていないのだけど、すごく吐鉤群だったなーとか