『別冊日経サイエンス実在とは何か』

主に、相対論、量子論、その2つを統合する万物理論あたりの宇宙論、宇宙物理学について。冒頭は、マルチバース関連の記事が続く。
2003年以降の日経サイエンスに載っていた記事の再録だが、2011年前後の記事が中心なので、新しい! こんなん知らなかった。わけわかんねーけどすげー、みたいなのが色々とあって楽しかった。後半で力尽きたけどw
量子の重ねあわせ状態を重ねあわせたまま測定するというのとか、特に驚き。
あと、光速不変の法則を地味にいじろうとしている人がいるようだ、とか。
それから、最後にある数学と宇宙論の話も、なんかすごい壮大なSFを読んでいるような気分になる。
まあ、実際の内容については全然分からないわけで、下のまとめとかも字面を追っかけているだけといえばそうなのだけど、わくわくするような話は色々あった。

 

並行宇宙は実在する  M. テグマーク(03年8月号)

並行宇宙を4つに分類して紹介する。

  • レベル1:観測可能範囲外の宇宙

宇宙空間というのは無限に広がっているが、一方観測できる範囲には限りがある。その範囲外には、この宇宙とは異なる物質配置をした宇宙が無数にあるという考え。これによれば、この宇宙とそっくりな宇宙もありうる。ちなみに、宇宙空間が無限であるというのは、マイクロ波背景放射のゆらぎ(曲率)を測定したところ、空間が閉じていると考えるには小さいというのが根拠となっている。ただし、異論もある。

  • レベル2:永久インフレーションによって生まれる宇宙

インフレーション理論の拡張であるカオス的永久インフレーション理論によれば、何もない空間の中に、レベル1マルチバースの泡がいくつもできることになる。
レベル1マルチバースは、物質の初期配置が違うだけだが、レベル2となると、物理定数や素粒子の性質が異なっている。
ブレーン宇宙論も、レベル2マルチバースに相当する。
マルチバースの存在を直接的に確かめる術はないが、筆者は、人間原理(選択原理)を用いてその存在を説明するのがよいと考えている。つまり、人間のような知的生命体が生まれるようなパラメータでこの宇宙が誕生したのは、まるで奇跡のようでありありえそうもないことに思えるが、しかしあらゆるパラメータの宇宙があって、たまたまその中の1つに人類が生まれた、と考えればそれほど不思議なことではない、ということである。
この理屈は、三浦俊彦の可能世界−人間原理論とも通じるところがあるなあと思った。
ところで、三浦俊彦は『可能世界の哲学』で可能世界と量子論における多世界解釈を結びつけていた。実際、最近のSFとかその周辺で、多世界とか並行世界というと、量子論多世界解釈が出てくることが多いけれど、そうではない形の並行世界もこのようにありうるというのは、いい話だと思ったw
というか、レベル1なんかは、観測範囲外にあるっていう、え、そんなんでいいのってくらい単純な話で、しかも双子地球もありうるかもみたいな話で楽しいw

と、上のような感想を書いたけれど、ちゃんと量子論多世界解釈の話も出てくる。
鳥の視点(外部からの眺め)と蛙の視点(内部からの眺め)を区別する。鳥の視点から見れば、1つの波動関数があるだけである。一方、蛙の視点から見ると、自分のいるレベル1宇宙が見えるだけ。
ユニタリー性があってエルゴート性があるから、レベル3もレベル1やレベル2のマルチバースと同じようなのかもしれない(と書いてあるが、ユニタリー性やエルゴート性の意味が分からないので分からないw)
それから、時間的変化というのは、宇宙Aから宇宙Bへの移動なのではないかという話が、『順列都市』を例えと出しながら、されている。時間の流れは幻想なのだ、という説。でも、これだと観測者が宇宙を移動するっていうのは一体何なのって問題が出てくると思うけど。

  • レベル4:数理的構造そのものが宇宙

レベル1〜レベル3は、物質の配置や物理定数は異なるが、自然法則は同じ。自然法則そのものも違うのがレベル4。
これは筆者が唱えている話で、かなり思弁的になっている。数学的プラトニズムを究極まで押し進めたものだと言っている。また、バローの「天空のπ」、ノージックの「多産性の原理、ルイスの「様式的実在主義」*1と似ているとも言っている。
ここでも選択原理を持ち出して正当化している。

  • 測度問題

測度とは統計的な重み付けのこと。確率をだすためには、これが分からないといけないが、そもそもマルチバースにおいて、どういう宇宙にどう重み付けをするかというのは、どう決めればいいのか分からないので、問題

別の宇宙にも生命は存在する!?  A. ジェンキンス/ G. ペレス(2010年4月号)

この宇宙の宇宙定数などのパラメータをちょっといじると、全然違う宇宙になってしまって、生命が誕生しなくなってしまう。悪ければ、何もないまま崩壊してしまったりする。だというのに、現にこの宇宙は存在し、生命も人類も誕生した。これは、そのように宇宙のパラメータがファイン・チューニング(微調整)されたのだという考えがある。
それに対して、実はそんなことはないというのがこの論文。
1つの定数だけをいじるからいけないのであって、例えば2つの定数を同時に動かしてやって、探索する範囲を広げれば、他にも生命が存在しうる宇宙はありうるのだという。
例えば、弱い力が存在しない宇宙を考えてみる。このような宇宙では、鉄より重い元素が存在しないため、恒星の温度は低く、プレートテクトニクスのエネルギーも供給されない。しかし、水星よりも近い軌道で回る惑星ならば、生命の存在は妨げられないという。
さらに、クォークの質量が異なる宇宙を考えている。
我々の宇宙→安定なバリオン:陽子と中性子→最小質量の安定な元素:水素→有機化学に必要な元素:炭素12→生命可能
ダウンクォークが小さい宇宙→陽子と中性子重水素→炭素14→生命可能
ストレンジクォークと超軽量のダウンクォーク→シグマ粒子と中性子→シグマでできた水素→シグマでできた炭素→生命可能
アップクォークのみ→デルタ粒子→デルタでできたヘリウム→なし→生命不可能
超軽量クォーク3種→8種類が存在→シグマでできた水素と水素→なし→生命不可能
別の宇宙では、何故アップクォークとストレンジクォークの質量はほぼ同じなのだろうか、という疑問をもった知的生命体がいるかもしれない。
SFではケイ素生物というのがよく出てくるが、筆者はそのようなものがいる可能性は少ないと考えているが、一方で重水素三重水素が安定で重水がある世界での生命の可能性とか考えていて、超SFっててやばいw

マルチバースは実在するのか?  G. F. R. エリス(2011年12月号)

宇宙論者は、多宇宙がどのような宇宙かということを色々と語るが、実際、存在するかどうかということについては、そもそもそれを前提にしてしまっているか、とてつもない外挿を行っていて、証拠が不十分として、その論証を行っている。
ところで、ここで矢面にたっているのは、いわゆるレベル2マルチバースで、レベル1マルチバースについては筆者を含む多くの研究者が妥当だと認めているとのこと。
いくつかの論点にわけて批判しているのだけど、物的証拠、観測データがないということと、論点先取というのが主な批判点かな。
例えば、選択原理による説明については、そもそもマルチバースが存在しないと確率の議論が出来ないのだから論点先取、というような感じ。
存在するかどうかっていうのは哲学、形而上学の問題であって、科学、物理学の問題じゃないんじゃないかという立場っぽい。「科学に基づいて哲学的な推論を行うこと自体は悪いことではない。ただ、私たちはその営みを、もっとふさわしい名前で呼ぶべきなのだ。」

数学が世界を説明する理由  M. リビオ(2011年12月号)

数学は発明されたものか発見されたものか→発明と発見が複雑にまじったもの。また、人間が世界の中から問題にあわせて選択したもの。知覚能力などによる部分もあるだろう。例えば、人間には人間の数学が、クラゲにはクラゲの数学がありうるのではないか。
数学に説明力と予測力を与えるのは何か→何故自然法則があるのか→宇宙が対称性と局所性に支配されているのは何故か→わからない

存在確率マイナス1 天才アハラノフの予言  古田彩

宇宙の未来が決める現在  Y. アハラノフ/日経サイエンス編集部

量子の“開かずの間”をのぞき見る  井元信之横田一

以上、3つの記事は、全て同じ話題について扱っていて、初出もおなじ2009年10月号。
量子の重ね合わせ状態を、重ねあわせを壊さずに測定する「弱い測定」についてと、マイナス1という確率について。提唱したのが、アハラノフ。実際に観測したのが井元・横田(阪大の教授と院生)

  • 弱い測定

重ねあわせ状態を観測すると、収束してしまい重ねあわせ状態は壊れてしまう。そのため、重ねあわせ状態そのものは観測できない。ところが、アハラノフは情報量を非常に少なくした状態で観測すれば重ね合わせ状態が壊れないまま観測できるよという「弱い測定」という方法を主張した。一回では十分な情報が得られないが、何度も繰り返すことで重ね合わせを壊さずに測定できるという。

電子と陽電子を、交差するルートと交差しないルートのある経路に入れる。両方が交差するルートに入ると消滅するし、そうでなければ両方とも出てくる。で、その中に干渉計があって、その中で何が起こったのかということを考えると、確率マイナス1という状態があることになる。
で、実際にこのマイナス1の確率が測定された、ということらしい。
アハラノフによるとこのマイナスの確率というのは、物理的な特性が逆になっている粒子が存在していることだという。
一方、井元/横田は、量子的なゆらぎが測定に影響を及ぼしたのだと考えている。しかし、これは単に誤差だったというわけではないという。事後の選択によって、過去の状態が決まるということを示しているのが、このマイナス1の確率だという。
また、アハラノフも、過去の状態によって現在が決まるだけでなく、未来の状態によっても現在は決められているのだという考えをしている。彼によれば、多世界解釈は誤りで、過去の状態と未来の状態によって宇宙は1つに定まっているという。ヒストリー・ベクトルとディスティニー・ベクトル!


反逆児サスキンドに聞く 物理で実在は語れるか?   P. バーン(2008年4月号)

ひも理論やマルチバースを考えた物理学者へのインタビュー

好きな科学哲学者はトマス・クーンであるとか、「実在の」という言葉ではなく、「再現性のある」という言葉を使った方がいいのではないか、とか。ブラックホールの相補性原理、ホログラフィック原理、量子色力学マルチバースの話

ホーキングが語る 究極理論の見果てぬ夢  S. ホーキング/ L. ムロディナウ(2011年11月号)

理論・モデルと実在論の関係について。
究極理論とされるM理論が、1つの理論ではなく複数の理論からなっていることにふれて「宇宙を記述するには、状況によって異なる理論を適用しなければならないのかもしれない。各理論はそれぞれのリアリティを持っているが、モデル依存リアリズムの考え方に立てば、そうした多様性は許容でき、どのバージョンの理論が他よりもリアルであるとはいえない。」

究極の真実を求めて アインシュタイン 自ら記した統一理論の夢  G.マッサー(2004年12月号)

相対性理論量子論を統合した「万物理論」は、現在の物理学者が目指しているものだが、アインシュタインもその道に進もうとしていた。
もっとも、当時は強い力も弱い力も発見されておらず、アインシュタインの考えは結果的には誤りであった。
ところで、以下に続く論文は、おおむねそのような「万物理論」に関わるものとなる。「万物理論」の候補として、ひも理論、量子重力理論、E8理論などがあり、競合しているようだ。

統一理論の父 ワインバーグに聞く  A. D. アクゼル(2011年2月号)

ひも理論登場初期の研究者であるワインバーグに対する、科学哲学・哲学史家のアクゼルによるインタビュー。
まだヒッグス粒子が発見されていなかった頃で、LHCでヒッグス粒子が発見されたら、あるいはされなかったらどうなるかとか、超対称性理論についてのとかの話から始まる。
それから人間原理について。ワインバーグは1987年に人間原理の論文を書いたらしい。
そして究極理論について。ひも理論は暗礁に乗り上げていて、90年代末から量子重力理論の方でその問題についての検証が進んでいる。ひも理論は、全く新しい量子場の理論を作る必要があり、量子重力理論は今までの理論を使える。とはいえ、どちらも決定打はなく、ひも理論が正しい可能性もまだある、としている。

平面国の量子重力  S. カーリップ(2012年7月号)

量子重力理論について、まず2次元の世界から考えてみるというアプローチ。
2次元の世界には重力が働かないと考えられていたのだが、80年代後半から実は働くことがわかった。

  • 量子重力理論を考える上での問題

量子重力理論は、時空間の量子化を行わなければならない。
(1)時間の問題:量子論は絶対時間を前提にしているが、相対論はそうではない
(2)観測量の問題:量子重力理論では非局所的(多数の点に同時に依存する)な観測量を扱う。で、それが何かよく分からない。
(3)宇宙がどのように生まれたか

  • 二次元世界でどのように重力について考えるか

二次元世界で重力は伝わらないが、トポロジーの変化として捉えられる。ドーナツの表面のような形をトーラスと呼び、トーラスには複数の種類がある。トーラスの種類を決めるパラメータをモジュライと呼ぶ。二次元世界で重力はモジュライを変化させるという役割をとる。
モジュライの変化から時間が生まれ、またモジュライは非局所的で、という感じで先の2つの問題も二次元世界で扱える。また、トーラスの変化がワームホールを作ることになるらしい。
また、二次元世界にブラックホールはないと考えられていたが、やはり存在しうることがわかった。そして、事象の地平面が重力に自由度を与えており、これはホログラフィック原理の具現化にあたるという。

  • 実験

金属の表面と油滴を使って、二次元ブラックホールを作るという実験も行われているらしい。

時空の原子を追う ループ量子重力理論  L. スモーリン(2004年4月号)

量子重力理論では、時空間を量子化しなければならない。時間や空間にも、物質と同じく最小単位(プランク尺度)があるということだ。
量子化された時空について、点と線(グラフ)を使って考える。そのようなグラフをスピンネットワークと呼ぶ。

  • 光速が変化する?

量子重力理論をどのように検証するか。いくつかのアイデアが書かれているがその中で、ガンマ線バーストを観測するというものがある。空間が離散的であることによって、エネルギーの違いに応じて伝わる速度が異なることが予想されている。いまだ、その効果を観測できる精度には至っていないが、08年に打ち上げられた*2ガンマ線宇宙望遠鏡ならば観測できるかもしれないという。
筆者を含め小数の研究者は、高エネルギーの光子において光の速度が変化するように相対性理論を書き換えようと考えている、とのこと。

ホログラフィック宇宙を検証する  M. モイヤー(2012年5月号)

この前読んだのでパス

挑む 大栗博司 超弦理論で世界の成り立ちを探る  日経サイエンス編集部(2012年6月号)

超ひも理論の研究者。現在、カリフォルニア大と東大のカブリ数物連携宇宙研究機構の研究員を兼任。
素粒子を点ではなく弦としてイメージした最初の物理学者は南部陽一郎。南部先生、すげー。
1984年、アメリカで第一次超弦理論革命が起こったとき、大栗は京大の院に進んでいた。当時ウェブはなく船便で届く論文を3ヶ月遅れで読んでいた。
1988年渡米、89年にはシカゴ大学の南部から27歳で助教授として迎えられるが、研究以外の実務をこなすには不慣れで90年に帰国。京大数理研で研究に集中し、92年にハーバードへ長期出張し雪辱を果たす。トポロジカルな弦理論を共同研究者と共に生みだしたのだ。
94年にカリフォルニア大バークレー校に、32歳の最年少教授として就任。95年の第2次超弦理論革命に今度はリアルタイムで加わる。このときホーキングとトフーフトの間で、「ブラックホール情報問題」という論争が起こる。04年、大栗は、トポロジカルな弦理論を使って、プランクサイズのブラックホールでも情報は失われないことを明らかにし、ホーキングは自説を撤回した。

相対論の破れを観測せよ  A.コステレツキー(2004年12月号)

相対論を量子論と統合しようとすると、相対論がわずかに破れている可能性がある。そのための実験が行われているが、まだ証拠はみつかっていない。

幾何学で迫る究極理論  A. G. リージ/J. O. ウェザロール(2011年3月号)

量子論と相対論を統一する万物理論の候補として、ひも理論、量子重力理論があるが、2007年に、E8理論という新たな候補が提唱された。
標準モデルを幾何学的にみると、場や素粒子は「ファイバー」という形として捉えられる。数学のリー群という考え方から、色々な理論のファイバーを見ていく。
例えば弱い力は、SU(2)と呼ばれる3次元リー群のファイバーと関係している。電弱理論を作り上げた際には、SU(2)群とU(1)群を組み合わせている。
クォークのファイバーを赤、緑、青の3色で分類する理論を、「量子色力学」と呼び、これと電弱理論を一緒にすると、リー群はSU(3)群とSU(2)群とU(1)群の組み合わせとなる。
とまあ、最初から何言っているのかさっぱり分からないのだがw その先を読んでもこういう話が続くので、とばしていって結論の方から言うとw
E8群という数学的構造には、重力と標準モデルだけでなく、ヒッグス粒子暗黒物質の候補となる粒子まで含まれているらしい。で、このE8群っていうのは、幾何学的に美しい構造をしているらしくて、これがうまくいけば、宇宙を美しく説明することができるらしい。

八元数超ひも理論  J. C. バエズ/J. ウェルタ(2011年8月号)

実数というのは、数直線上に示すことができる。直線は1次元。だから実数は1次元の数。
複素数は、複素数平面上に示す事が出来る。つまり、2次元。
では、3次元の数もあるんじゃないかということで、19世紀の数学者ハミルトンはこれの研究を始める。ところが、加減乗除がうまくできない。そして、これを4元にするとなんと出来るようになった。では、その次は? ハミルトンの友人、グレイブズは8次元のについて考えた。ところが、ハミルトンはこれが気に入らず発表しなかったため、彼らとは独自にケイリーが八元数について発表する。1845年のことである。
ハミルトンは何故八元数が気に入らなかったのか。

実は、話は四元数から始まる。四元数では、かけ算は非可換になる。つまり、かける順序が変わると答えが変わるのだという
八元数は、それに加えて結合法則も満たされなくなる。
そして、ハミルトンが何より気になったのは、一体何に使えるのかがさっぱり分からなかったということらしい。

  • 超対称性

ところが、宇宙物理学における超対称性というのを考える上で、八元数が必要になった。
時間がない空間だけの宇宙を考えると、1,2,4,8次元の時、それらを記述するのは実数、複素数四元数八元数がそれぞれ対応し、超対称性が自然に現れる、らしい。これにひもの1次元と時間の1次元、あわせて2次元を加えると、3,4,6,10次元となる。
またブレーン理論の場合、ブレーンが2次元なので、先ほどの1,2,4,8次元に3次元を足して、4,5,7,11次元の時、超対称性が自然に現れる。
ひも理論やブレーン理論で宇宙は実は10次元あるいは11次元だったのだ、という時に、これを記述するために八元数という数が必要になる。
19世紀に発見された時には何に使うのかさっぱり分からなかった八元数は、実は宇宙を記述するのに必要な数であるのかもしれないという話。


*1:様相的実在論の誤訳と思われる。日経サイエンスは哲学用語の翻訳に弱いと思う。仕方ないような気もするけど

*2:この記事が書かれたときはまだ打ち上げられていなかった