『ギャラクティカ』

シーズン4まで見終わった。スピンオフを除けば全部見たことになる。
4シーズンに渡るテレビドラマシリーズなので、あらすじをまとめるのは大変なので割愛。
アメリカのスペオペもので、『宇宙空母ギャラクティカ*1のリメイクなのだけど、ポスト911的な雰囲気と硬派な感じのバトルシーンや音楽によってかなり現代的な魅力をもった作品となっている、と思う。
アメリカはテレビドラマでこんなSFがやれちゃうんだ、すげーなー。いーなー、と。
下手な日本の映画のCGなんかよりも、よっぽどCGは上手い。
物語の軸に、神話・伝説みたいな要素が入り込んでいるので、SF的には納得いかんというところは結構あるので、そういうのは期待しない方がいいかもしれない。
あと、ワープ航法できる宇宙船が出てくるってところ以外は、それほど現代からかけ離れたテクノロジーは出てこないので、そこらへんも好き嫌いあるかもしれないが、ビーム使われるより実弾の方がアクションシーンの重みはあると思う。
それからやはり最大の特徴は、ポリティカルなネタが多いことで、これもまた好き嫌いが分かれるところでもあるし、全てがうまくいっているわけでもないけれど、ギャラクティカの面白いところはやはりそこだと思う。
なにぶん、それなりに長いシリーズなので、瑕疵がないとはいえない。というか、粗を探そうと思えばいくらでも探せると思う。この伏線どうなったのよ、とか。
しかし、全般的には面白く見ることができた*2


以下、そんなに詳しいことは書かないけれども、ネタバレに気を使わずに何かポロッと書いてしまうかもしれないので、注意。


シーズン4に関していうと、最終シーズンということもあってか、どうもバタバタした展開になってしまったなあという印象がある。
というか、やはりどうしても納得がいかないのが、キャリーで。キャリーだけでなく、ディー、ゲータ、ザレックに関していうと、製作者に処分されてしまった感じがしてしまって、どうにもいただけない。ゲータとザレックのエピソードは、非常にギャラクティカっぽくていい感じなんだけど、シーズン4全体が慌ただしいせいでどうもあまり生かされてなかった感じがする*3
終始、マジでキャリー可哀想という感想しか出てこないw
それからもう一つは、タイハッスルしすぎw
そんないい年したじいさんが若い女を孕ませてんじゃねーよ、と。
いい年したじいさんが、といえば、最終回でまさかアダマの飲み過ぎ嘔吐シーンがあるとは思わなかった。


どのキャラクターもみんな好きで、それぞれの魅力を書こうと思えば書けるのだが、やはり一番よかったのは、ガイアス・バルター。
彼は全シーズンを通して、「バルターってこういう奴だよなあ」というのが一貫しているわりに、その一方で一番変化の大きいキャラでもあり、誰が主人公であるとも言い難いこの群像劇ドラマの中で、しかしやはり主人公をしいて挙げるのであれば、バルターだろうなあと僕は思う。


シーズン4については色々書こうとすると、あとは「天使って何だよ」とかそういう文句ばかりになってしまいそうなのでやめようw
最終回のバトルは好きだよ。白兵戦って時々あったけど、あんまりなかったし。よしよし、最後だしバトルやんなきゃなって感じでw 新旧センチュリオンで当たるのとかよかったなあとか。
オペラハウスが実は司令室でしたーっていうあたりは、意外によかったと思う。


最終話は、結構日本が出てくるんだった。
ギャラクティカは音楽が基本太鼓なんだけど、最終話の戦闘シーンでは加えて三味線も鳴ったりしていた。
そしてほんとにラストシーンでは、キュリオ、パペロ、トヨタの楽器演奏ロボットが映ったりしていたw 


ギャラクティカ』はシーズン4まであるのだが、テレビシリーズが始まる前に、序章というのがあって、180分くらいあるのだが、それが第1話になっている。
この序章が03年放映で、シーズン1が05年に始まるわけで、要するにこの序章はかなり特別な枠で作られているので、非常にクオリティが高い。
正直なことをいえば、多分全話の中で一番面白いのは序章w
戦闘機の発艦シーンのギミックの細かさや、ストーリー全体の緊張感、音楽などどれをとってもクオリティが一番高い。
なので、とりあえず序章を見ろ、と言いたい。
それから次に面白いと思うのは、シーズン3の最初と最後。
これもまた正直に言うと、シーズン3は真ん中はgdgd
しかし、最初と最後は神。
ニュー・カプリカ占領期とバルター裁判。非常にポリティカルなエピソード群だが、イラク占領みたいな話から始まって、最終的には何だこのキリスト教は、みたいなそんな感じw
スペオペとして楽しいのはシーズン2かな。
シーズン1・2と3・4では雰囲気が変わるのだけど、何でかなっと思ったときに、サイロンとの戦闘シーンが3以降は減ったんじゃないかと思う。サイロンが不気味な敵であった1・2から、むしろサイロンの内情について描かれるようになる3・4という違いがある。



*1:ちなみに、宇宙空母はバトルスターの訳語で、バトルスターはこのドラマにおける造語。このシリーズにおいては宇宙空母という訳語は出てこない。出てくるときは単に空母だったと思う

*2:というか、自分は連続ドラマをこんなにちゃんと見るのは初めてのことで、よくこんな長いのを最後まで見たなあと自分では思っているw

*3:ギャラクティカには他にも個々のエピソードとしてはいいんだけど、その後に生かされてない、つまり伏線として機能しなかったものがいくつかある