太陽系狂騒曲

今週、世界中の注目となった惑星の定義に関するニュースも、IAUによる採決をもって終息してきました。
それにしても、これだけ多くの人の関心を集めた、宇宙関連あるいは科学関連の話題も久しぶりだったように思えます。
誰もがそれなりに知っていて、また誰もが意見を述べやすい、という最新科学のニュースにしては珍しい問題だったからかもしれません。それに、それほど深刻な話題でもない(例えばバイオ関連の話題はシリアスになりがちです)。老若男女問わず、話題に挙げやすい話でしたね。
今回のニュース、多くの人が、太陽系や惑星について改めて興味をもった、ということが個人的にはとても嬉しいことでした。
惑星、というのも、人為的な定義にすぎず、太陽のまわりには惑星以外にも多くの天体が回っている、ということが知られたこともよいことだと思います。
個人的にも、冥王星は惑星ではなくエッジワース・カイパーベルト天体だと思うので、今回の採決は全く妥当だと思います。が、そもそもIAU冥王星を惑星から外すことはしない、などと過去に宣言していたはずなので、だからこそあのような定義(12個案)が出ていたわけです、その宣言はどうなったのでしょう。話題になったおかげで、冥王星の惑星外しに弾みがかかったのでしょうか。
それはともかく、12個案は12個案でよいところがあったと思います。というのも、あの定義だと、惑星が数限りなく増えていくわけですから。太陽系を回っている天体は、9個だけではありません。観測技術の発達によって、発見が相次いでいるわけですから、それが多くの人にも知られるようになるには、そういう定義もよいのではないか、と。
一方で、覚えるのが大変とか、色々言われていましたが、覚えるのは古典的惑星に限ってしまえばいいわけです。さらに高校で地学などとる場合に、他の惑星も覚えることにしたりして。
つまり、今まで慣れ親しんできた惑星の立場は古典的惑星として確保しつつ、一方で惑星に所属する天体は観測に伴って増えていく、というのは、なかなかよい折衷案だなと思ったわけです。
繰り返しますが、太陽系を回っている天体は9個の惑星だけじゃない、ということが多くの人に知られることってよいことだと思うのです。
しかしまあ、結果として惑星は8個ということとあいなりました。
多くの報道は、冥王星が降格となった、とされているようですが、冥王星は惑星ではなくエッジワース・カイパーベルト天体として定義し直された、というのが正しいでしょう。あ、エッジワース・カイパーベルト天体というのは、今後トランス・ネプチュニアン天体って呼ばれるらしいですが。トランス・ネプチュニアン……なかなかSFな響きですw
トランス・ネプチュニアン天体(あるいは小惑星)は既に多く発見されており、れっきとした太陽系の一員です。惑星とどっちが偉い、とかいうことはないでしょう。
昇格とか降格とかじゃなくて、色々な天体が太陽系にはあるんだ、ということが改めて認識されたことが、今回のニュースの肝だったんじゃないかな、と思います。


痛いニュース(ノ∀`):太陽系の惑星、一気に3個増で12個か 国際天文学連合が新定義
12個案が発表されたときの2ch
>>150、>>170 >>172の惑星命名権、>>619の惑星昇格争いの話が個人的には好き。


なんたらかんたら: 冥王星「あたい…間違ってたんだ…」
惑星擬人化
しかし、あれですね、惑星をキャラ化したとき、天王星あたりが一番影が薄いんじゃないか、と。本当にかわいそうなのは、冥王星じゃなくて天王星じゃないのか、と。


岸辺のフォトグラフ-しょこたん☆ぶろぐ
冥王せつな-しょこたん☆ぶろぐ
大騒ぎしているしょこたん
カロンとセレスには厳しくて、2003UB313に甘いのが、なんか面白い


AstroArtsニュース特集・太陽系再編
AstroArts【速報】太陽系の惑星の定義確定
一連のニュースに関して詳しく知りたい方はこちら。
とても勉強になりました。
今回の採決で全てが解決したのではなくて、まだ色々と議論は続きそうで、面白いです。

しかし、惑星の数が減っても、私たちが太陽系について知るべき事が減るわけではありません。冥王星カロンと2003 UB313を含むEKBOや、セレスをはじめとした小惑星(Asteroid)は、8つの惑星と同じだけ私たちに教えてくれることがあります。惑星の衛星たちや、彗星の存在も忘れてはいけません。そして、高性能の探査機や精力的に活動する観測家たちの活躍によって、太陽系に所属する天体は日々増えています。

太陽系の外に目を向けても、惑星になりきれない、あるいは惑星になろうとしている無数の粒子が恒星の周りをとりまいている例が見つかっています。惑星でなければ、観測する意味はないのでしょうか?いいえ、「惑星になっていない」ということが、天文学者に多くのことを教えてくれるのです。

惑星が増えても減っても、惑星ではない天体への注目が集まったのならば、IAUにおける議論と結論は、大いに意味があったと言えるでしょう。

mixiのコミュニティもちょっと面白いことになってる。
冥王星関連コミュ一覧(以下リンク先はmixi内)
冥王星が不憫でたまらない
それでも冥王星を愛す
冥王星は惑星だ!
冥王星を応援する会
冥王星を守れ!
冥王星を追悼するコミュ
冥王星は惑星ヨリ
冥王星を見守る会
冥王星の新名称を募集!!
各惑星ごとにコミュがあるってのも、今まで知らなかった。
参加人数を見てみる。
水星112人
金星291人
4845人
火星281人
木星425人
土星612人
天王星491人
海王星615人
冥王星661人
第10惑星184人
海王星の人気者っぷりに、驚く。
影が薄いと言ってしまったが、天王星も人数が多い。