藤田令伊『現代アート、超入門!』

これ集英社新書、3月刊行。ちくま新書で4月から、『現代美術のキーワード100』というのが出た。まあ現代アートの本は定期的に出たりしているだろうけど、ブームだったりするんだろうか。
美術館で勢いで買った本で、正直言えば、買わなくてもよかったかなあとも思った。
本当に超入門で、かなり基礎的なことが多いので、知識面で言えば大体知っているところが多かった。まあそれでも、もちろん書いてあったことを全部知っていたかといえばそうではなくて、全然知らない部分もまああった。
そもそもこの本は、「現代アートは分からない」と思っている人に対して、どう向き合えばよいのかその心構えみたいなものを説くところに多くが割かれている本だったので、僕は対象読者から微妙にずれている。
まあでも、カラー口絵がついているのはよかったかなとは思う。
一つ一つ作品を取り上げてそれをどうやって見ていくかと進んでいくので、確かに読みやすい。
取り上げられている作品は以下の通り。
マティス『緑のすじのあるマティス夫人の肖像』
ピカソアヴィニョンの娘たち』
カンディンスキーコンポジション*1
キルヒナー『ストリートシーン ベルリン』
デュシャン『泉』
モンドリアンコンポジション*2
マグリット『光の帝国』
ロスコ『無題』
ウォーホル『ブリロボックス』
セラ『傾いた弧』
セラーノ『ピス・クライスト』
菅亮平『an actor』
セラとセラーノは、アートと公共性、アートと倫理みたいなテーマでもある。

現代アート、超入門! (集英社新書 484F)

現代アート、超入門! (集英社新書 484F)

*1:本当はローマ数字

*2:ローマ数字