『日経サイエンス 2026年6月号』

SCOPE 小惑星「リュウグウ」に全核酸塩基

核酸塩基がすべて見つかったというニュースで
アンモニア濃度の違いで、塩基の存在比率が違うこともわかったけれど、実験室ではアンモニア濃度による違いを再現できなかったとかなんとか

短期集中連載:定説が覆るとき 異星の生物をめぐる見解

ローウェルの火星運河説から始まって、フェルミやドレイクを経由して、系外惑星の話

ウェッブ望遠鏡が発見した謎の天体 リトル・レッド・ドット  R. ボイル

2022年、ウェッブ望遠鏡の撮影した画像の中に、赤く小さな点(LRD)があることが発見される
以降、ウェッブ望遠鏡のどの画像にもLRDがあり、この正体をめぐって、多くの論文が次々発表されている状況らしい。
LRDは、ビッグバンから6億年後で、15億年後までには姿を消してしまう。初期宇宙にあった何か。
ハッブルは赤外線観測装置をもっておらず、スピッツァーはウェッブほど高精度ではなかったので、ウェッブにより初めて発見されるようになった、と。
まだ議論百出で共通見解はできていないが、ブラックホールに関係している、という点ではまとまりつつある。
「準星」や「ブラックホール星」という全く新たな天体の可能性もいわれている。これらは、ブラックホールを内部に持つような星で、ブラックホールの特徴と星の特徴をもつとかなんとか
あと、すべてのLRDが同じ天体とは限らないという主張もある
監修に稲吉恒平という人がクレジットされていて本文中にも名前がしばしばでてくるのだけど、北京大学のカブリ天文天体物理学研究所所属らしい(北京大に日本人研究者いるんだ、というのと、北京大にカブリ研究所あるんだ、というのを思った。どちらも、いわれてみればそりゃいる(ある)かもな、とは思うが)。


タイムリーにこんな記事が
天文学:高赤方偏移の「小さな赤い点」におけるブラックホール質量の直接測定 | Nature | Nature Portfolio

生命活動の意外な舞台 相分離がひらく新たな細胞観  P. ボール

相分離生物学って何年前か本が出てて、なんだそりゃと思ったけど、そのままスルーしてた奴
2009年だかに、なんだかいう粒子が細胞分裂の際に細胞内で偏在しているというのが発見されて始まった
「液−液相分離」 といって、ドレッシングの油の中に酢の粒ができるように、液体の中に液滴ができる現象
細胞の中に、液−液相分離によって「生体分子凝縮体」というタンパク質やRNAの塊ができる。細胞内小器官と違って膜をもたず、条件がそろうと形成される。
また、当初は液体だと思われていたが、固体となるものもあり、総称として「凝縮体」と呼ばれている。
実は、核小体やゴルジ体も生体分子凝縮体らしい。
核小体が発見されたのは1830年代だが、凝縮体だと分かったのは2011年のこと


凝縮体には色々な役割がある
ストレス検知
→熱に対する反応。従来は熱ショックタンパク質によると考えられていたが、これだと、熱による変性が始まってから対応することになる。その前に、ゴルジ体が応答している
また、タンパク質の塊という意味で、アルツハイマーなどの原因であるアミロイドというものが以前から知られているが、これも凝縮体
かつては「液体は善、固体は悪」と考えられていたが、今はそう単純ではない、とも。
それから、遺伝子発現にもかかわっている、とか
あと、オパーリンが生命の起源としてあげたコアセルベートも

トリアシック・パーク  H. バシリオ

トリアシック・パーク | 日経サイエンス
イタリアで発見された三畳紀の恐竜の足跡
地層の写真がどーん、という記事だった

特集:AI利用とその歪み 米国社会の現状

この特集自体は読んでいないのだが、
この特集内で、色々な職業の人たちのAI体験談みたいなのが囲みで書かれていて、パラパラと眺めていた
で、AIの話と全然関係ないのだが、学校の先生が、生徒の答案へのコメントする作業にAI使ってよくなった、という話の中で、名前のアルファベット順が後ろの方の生徒は評価が悪くなりがち、というデータがあるというのが面白かった。
つまり、アルファベット順に採点していると、後ろの方に行くほど先生が疲れてしまって、点が辛くなる、という話