日経サイエンス2021年8月号

海外ウォッチ

  • 恐竜の骨のジグソーパズル

恐竜の骨がバラバラにいくつも発見された時、それが同一個体の骨なのかどうか、これまで確かめる術はなかった。が、骨の微細構造を調べることによって、これが分かったという研究の紹介

ロケット大量打ち上げ時代の大気汚染 M. N. ロス、L. デイビッド

ロケット大量打ち上げ時代の大気汚染 | 日経サイエンス
ロケットによる大気汚染について、これまで軽視されてきたが、ちゃんと考えないといけないという記事
ロケットの打ち上げによる燃料の総量と飛行機に使っている総量とでは、後者の方が圧倒的に多いので、これまでロケット打ち上げによる環境問題はあまり考えなくてもよいとされていたらしいが、筆者は、プロセスが違うので量的比較は意味がないという。
ロケットは、飛行機と異なり、大気の様々な層に排出を行う。成層圏を飛行する飛行機は稀だが、ロケットは確実に成層圏でも排出する。例えば、成層圏オゾンを破壊している
また、ロケット打ち上げの場合、いわゆる温室効果ガスよりも、他の排出物の環境への影響も考えなければならない。特に、宇宙デブリの大気圏再突入によっても「排出」は起きている、と。
コンステレーションとか、運用年数過ぎたあとに落下させるとして、それの環境への影響はどうなの、とか。
成層圏での排出」と「再突入時の排出」というのは、全然思いもよらない観点で勉強になった。ロケットならではの特徴でもあり、またあまり注目されてこなかったところでもあると思う。

空飛ぶドラゴンの解剖学 M. B. ハビブ T. ウィットラッチ

空飛ぶドラゴンの解剖学 | 日経サイエンス
生物学者イラストレーターでコンビを組んで、伝説上の空飛ぶ生き物について、実際に空を飛べるように無理のない形をしているとしたらどんな形になるか考えたという記事。
具体的には、ヒッポグリフ、天使、東洋の龍が挙げられている。
ヒッポグリフは、翼竜を参考にしている。鳥のように大胸筋で飛ぶようにすると馬のような大きさは飛ばせないけれど、背筋を使うと、それなりの重さでも飛べるのでは、と。
面白かったのは、東洋の龍。翼がないのに空を飛ぶわけだが、トビヘビという、やはり翼なしに空を飛ぶ実在のヘビを参考にしたという。
トビヘビは、東南アジアあたりに生息しているらしく、その点でも、東洋の龍と関連づけられる。
また、このヘビはトカゲなどを捕食しているらしく、西洋のドラゴンの天敵が東洋の龍だったのではないかという、架空生物生態系まで提案している。

SNSがしょうもない情報であふれるメカニズム F. メンツァー、T. ヒル

SNSがしょうもない情報であふれるメカニズム | 日経サイエンス
この記事、内容は読んでいないのだけど、図だけ少し見た。
「ボットによる情報汚染」という図があった。ボットがいると、フェイクニュースが広まりやすいらしい。